「氷菓」はプログラミングだ! 〜 “データベースは結論を出せないんだ”

古典部2

米澤穂信原作の大人気ミステリー「古典部シリーズ」のアニメ版「氷菓」にハマっております。もう毎日繰り返し見てます。岐阜の空気感まで伝わってくる、原作ファンにも納得であろう素晴らしい出来。さすが京アニです。 はっきり言って、これをアカデミー賞にノミネートしないアカデミー委員会なんか、全く信用できないくらい、"いい"  です。 連中の目は節穴ですわ笑。

岐阜にある神山高校古典部の4人の部員が、繰り広げる笑えて浸れる、青春謎解きミステリーなのですが、なぜその「氷菓」がプログラミングなのか。。。 他にスクールの仕事は山積みなんですが、どうしても書きたくなったので書くことにします!  しばしお付き合いを。

える3

①   "私、気になります!”    〜  好奇心の千反田える

最初、私はこの「えるちゃん」の可愛さに惹かれてアニメを見始めたのですが、育ちの良い令嬢がなんのためらいもなく、素直に表現する「知りたい!」という気持ち、"私、気になります!” この名台詞を「えるちゃん」が目を輝かせて 主人公 折木奉太郎に 向けるのが、この作品における謎解きの合図になっています。

える1

そう、損得とか便益とかに関係なく生まれる「好奇心」。これこそが、プログラミングの母。これがないと何も始まらないのです。

② "やらずにすむものはやらない。やらなきゃいけないものは手短に。"  〜 省エネ主義の折木奉太郎

奉太郎2

この作品の主人公 折木奉太郎。高校生らしからぬ、省エネ主義でムダを嫌う「灰色」の高校生。 千反田えるとの出会いをきっかけに、心理的に抵抗しながらも 徐々に「薔薇色」の世界も悪くないと思うようになっていく、彼の心の揺れと成長がこの作品のメインテーマと言ってもいいでしょう。

毎回、千反田えるの”私、気になります!”に引きずられ、いやいや謎解きに巻き込まれるのですが、見事な推論と分析によって事件を解決していきます。

奉太郎5その姿はプログラミングの世界でいう、「アルゴリズム」。 謎を解き、目的達成のためのロジックとストーリーをもたらす存在といえます。 (彼の醸しだすユーモラスな雰囲気は銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーを彷彿とさせます!)

 

③ "データベースは結論を出せないんだ"    〜  こだわりを捨てた男  福部里志

ふくちゃん3主人公 折木奉太郎の良き理解者であり、親友のフクちゃん、こと福部里志。 多彩な関心と情報収集意欲を持つものの、自分には才能がない、第一人者にはなれない、と思っている、ある意味最も応援したくなるキャラクターです。  

明るい雰囲気で、時代めいた言い回しで、クスっと笑いを誘う彼は、自らエセ粋人、ディレッタントを演じようとしているようにも見えるのですが、そんな彼の極めつけの自虐的キメゼリフが、これ。

"データベースは結論を出せないんだ”

ふくちゃん4

でも、常に主人公 折木奉太郎のそばにいて、彼に貴重な客観的事実やものの見方を提供するワトソン的な登場人物といえます。 彼の存在は、この物語にとって不可欠なものなのに。。。彼は「データベース」を愛おしく思わせてくれちゃうほど魅力的です。

④  "お〜れ〜き〜! ”    〜 あからさまな対抗心を持つ女  伊原摩耶花

摩耶花2

「好奇心」「アルゴリズム」「データベース」この3つでプログラミングは説明できます。なので、この4人目のキャラクターの存在をどう扱うべきか、正直迷いました。 ちょっと余計だな、と。

でもフクちゃん、福部里志に思いを寄せる彼女がいなければこの「氷菓」はこんなにおもしろくはなかったでしょう。だからきっと、作者 米澤穂信氏がこの摩耶花ちゃんに与えた役割はなんだったのかを考えてみることにしました。

ボーっとしているくせに、いざとなると次々と謎を解いていく奉太郎のことを、彼女は認めながらも面白くないのがありありで、何かにつけて奉太郎に突っかかっていきます。その感情を隠そうとせず、あからさまにぶつけていくのが可愛らしかったりします。

摩耶花1

エピソード「愚者のエンドロール」において入須冬実の感情操作によって、事実とは異なる彼女の望む結論を導き出してしまった 奉太郎。 真っ先にその論理の矛盾を奉太郎に指摘するのが、伊原摩耶花でした。

もしかしたら、「アルゴリズム」も状況によって間違った結論を導き出すことがあって、「アルゴリズム」たる奉太郎が異常動作したときに、チェック、指摘するのが摩耶花ちゃんの役割だったのではないか、と思いました。

この回では、摩耶花ちゃんだけでなく、えるちゃん、フクちゃんも奉太郎に間違いを指摘します。彼らは本当の仲間なんだなあ、と思う感動的な場面でした。

古典部

結び

TechGardenSchoolの中田先生が、

「アルゴリズムを作ったり、プログラミングを考えるのは、探偵のように頭を使うんですよ。つまり、殺人現場からおこったストーリーを推測して組み立てるイメージ。」

と教えてくださったことがあります。 終わりから始めを推測する探偵と、登場人物たち。

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「私、気になります!」  

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