Club86 Startup School 〜 ”身の丈起業”のススメ

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Club86 Startup School 〜 ”身の丈起業”のススメ

「僕が学生ベンチャーを応援しない理由」の清水亮氏の記事、ずいぶんシェアされて話題にもなっているみたいです。 氏の実体験に則した説得力のある記事ですが、どうしてもコメントしたくなったのでさせていただこうと思います。 ① この記事は事実です! 全くもって事実。正しいです。起業の生存率の低さやいかに生き残っていくかが大変か、たとえ優れた才能や知識、経験があっても「自分が直接市場からお金を稼いで食べていく」のは生半可ではありません。 それは、起業、中小企業、個人事業主にかかわらず同じだと思います。 学生起業家を無責任にちやほやし、支援しつつ見捨て、食い物に人達がいることもまた事実でしょう。 学生に限らず、社会人の人にもこの記事に書いてある事実は重々認識した上で行動していただくことを強くオススメします。 一流の、結果を残せるサラリーマンとして活躍してから考えよ、という主張も「まずは実力と経験をつけよ」と言う視点(この前提が重要)ではもっともだと思います。   ② 清水氏のいう「起業」の定義 清水氏の記事の根底には「やる気ある学生に対する愛情」があると感じ、この記事の意味を熟考した結果、 清水氏の「起業」の定義とは 「投資家から資金調達をしてレバレッジをかけ、売上から自分の生活費が払えない状態で(他からの収入なく)独立すること」 なのではないか、と思うに至りました。 それならば超優秀な学生はおろか超優秀な社会人でも無理だと思います。それは私も勧めません。 たとえ投資家が引き上げても、収入源を切り替えられる、他の収入源がある状態にできるのが清水氏のいう「一流の結果のだせるサラリーマン」なのかもしれませんが、そういう意味で備える、ということならば「普通の人」にもできるのではないか、というのが私のポイントです。 普通の学生、社会人の人たちもその手前のステージ(投資家に頼らない、自力で出来る範囲)でドンドン挑戦してほしい、また将来に備えて自力の収入源を確保してほしい、という点は恐らく清水氏もご同意いただけるのではないか、と勝手に推察する次第です。 Club86の「正しい(学生)起業」の定義は「 自力で出来る範囲でドンドンやる」「将来の収入源は確保する」”身の丈起業” です。それならジャンジャンやるべきではないでしょうか。   ③ 一流の結果を出せるサラリーマンを目指すのも大変だ! 清水氏の言うように、「一流の、結果を残せるサラリーマンになる実力のないものが起業すれば必ず死ぬ」という事実は学生だけでなく、ほぼ全ての普通の社会人にもあてはまると思います。 なぜなら、ほとんどの普通の社会人が「自分は起業しても大丈夫だ」と思えるような結果を勤務先で残すことは様々な理由から難しいからです。 そして、「必ず死ぬ」ことを前提にするならば「普通の社会人が起業する」のはもっとクレージーなことでしょう。守るべき家庭や社会的信用などがありますから。 重要なのは、学生のうち清水氏のいう「一流の、結果を残せるサラリーマン」になれるのはほんの一握り、ひょっとしたら起業の成功確率よりも低いかもしれない、ということです。サラリーマンは外的要因や組織要因、配属の影響、上司の影響で結果を残せないことも多いのです。 それら障害を弾き飛ばして、結果を残せる人(すごい人だと思います)ならば、学生のうちから起業しても成功する可能性はある(あくまである)し、成功しようが失敗しようがその後の道を誤ることはないでしょう。 実際私の知る「超イケてる学生起業家」はリアルに徹しています。インキュベーターやTechcrunchに取り上げられようなどとはこれっぽっちも考えておらず、日々リアルにお金を追求しています。 このようなリアルな起業家たちは今、人に知られることなく着実にお金を稼ぐ方向に舵を切っているので全く心配ありません。 ファイナンスや法律にも詳しく、投資家に躍らされることもないでしょう。   ④ ジャンジャン ”身の丈起業” せよ、「普通の学生」諸君! 愛すべき「普通の学生」諸君! 確率論で言えば、君達がリスクなしに「自由に」挑戦できるチャンスは学生のうちだけ、という結論になります。だって、君達は学生のうちもダメ、「一流の結果のだせるサラリーマン」になれる確率もほぼダメ、なんですから。(ダメ、というのは起業家として、であって、普通の勤め人としては立派に通用します) でも学生のうちなら「失うもの」は何もありません! だから私は「失敗を前提とした」正しい”身の丈起業”をオススメします。 なぜなら大学では得られない以下のメリットをほぼゼロコストで享受できるからです。 「なにもリスクのない状態で起業できる」 → 人件費などで借金だけしなければまず大丈夫。 「学生のステータスを存分に活かせる」 → 今の日本では学生のほうが企業から支援を簡単に得られるし、アポも簡単に取れます。 マスコミに取り上げれる確率も高いし、シードマネーも簡単に手に入る。 → とにかく大人は学生に甘い。 卒業したら手のひらを返すように一変します。 「何が必要な学問か見極められる」 → それに関する講義や先生に親しみなさい → かつてなく必死にマーケティングやファイナンスを勉強するでしょう。 → プログラミングやデザインなど、ITの勉強の必要性も痛感するはずです。 → ついでに英語も。 「自分に向いている仕事は何かがわかる」 → 就職する時に役に立ちます 「ビジネスでの失敗という財産が得られる」 「失敗しても経験と人脈が残る」 → サラリーマンになってからの経験・人脈と、起業の際の経験・人脈は全く異なります。 前者はあくまでも「使われる」「組織の中で」が前提です。 「人間の本性を知ることができる」 → 投資家に株握られて、会社を乗っ取られたり、追い出されたりしてもそれも経験。資本主義のルールなんだから誰を恨むとかいう話ではありません。 → 友達と仲間の違いを知るでしょう。そして仲間でさえ「本当の困難」時には信用できないことを知るでしょう。 → そんな中でも、優しくしてくれたり親切に手を差し伸べてくれる人はいます。真の感謝を知るでしょう。 「万一うまくいったら儲けもの」 → やってみなけりゃゼロのまま。 → 失敗を経ない成功はない。 成功するまでやれば失敗じゃない。   ⑤ 「普通の学生」にとっての正しい”身の丈起業”とは? スタート地点としては、清水氏のいう冷徹な事実を「事実」であると盲信することをオススメします。 とにかく周りは悪い人ばっかりだし、お客さんはまずお金を払ってくれない、ということです。 そういう状況でどうするかを考えましょう。 でも、 これがなかなかできない。 だから小さく行動して小さい失敗をして実感するしかない。「ああ、清水氏の言っていたことは本当だった」と。 人間痛い思いをしないと「自分に都合の悪いこと」は信じられないものです。 だから「普通の学生」の正しい”身の丈起業”は 「お金をかけずに小さく素早く行動して、小さく素早く失敗して、これを繰り返す」ことが基本です。 Lean Startupそのものなんです。 以下理想的なステップです。   Step1 : 自分の好きなこと、やりたいことを見つける (大学1年) これを見つけるのが一番大変。 遊んで本読んで旅行でもする。とにかくなんでもいいから自分の本当に「好きなこと」に没頭してみましょう。 Step 2 :「Dream&Money」の視点から今後の進路を考える (大学1年) 「Dream」 ・ 自分が一生やって行きたい仕事は何か ・ 自分のビジョンをかなえるプロセスを考える 「Money」 ・ 「雇われる」以外で収入を得られるスキルがあるか? (Noなら就活するしかない) ・ 「雇われる」以外で収入を得られる「可能性のある」スキルはあるか? (Yesならそのスキルを磨く 例:プログラミング、英語、受託、請負、FX/株式投資などなんでも良い) Step 3 : とにかく「最初の千円」を稼ぐ (大学1年) 「好きなこと」でなくてもいいので、「自分の力で直接市場からお金を稼ぐ」のに挑戦してください。 ただし、バイトや派遣、文化祭とかはダメ。 アフィリエイトでも家庭教師でもお手伝いでもなんでもいいですが、「自分の力で集客し、仕事を獲る」ことが大事です。 親戚のいとこに家庭教師するでも「自力で売り込んだ」結果ならいいのです。 親戚が終わったら、友達、友達が終わったら紹介、 紹介が終わったら赤の他人からお金を獲ってみましょう。 1万円稼ぐのがいかに大変かわかるとともに、 「人は何に反応して話を聞き、何に納得してお金を払うか」を知るでしょう。   Step 4 :自分のサービスを立ち上げる (大学2年) アプリでも何でも屋でもなんでもいいので、とにかく自分のサービスを立ちあげてウェブ上で公開してください。 世間にさらすのがいかに怖いかということと、不安がったわりに世間が全く注目してくれないことを同時に知るでしょう。 きっと立ちあげて公開するまで、どんなに早くても6ヶ月位はかかってしまうはずです。 シードマネーを獲得してインキュベーターのお世話になるならこのタイミングがいいです。そうしないと大学4年時に結果が見えてこないからです。 Step 5 : 自分のサービスのマーケティングをする (大学3年) ここが大事。 サービスを立ち上げるのがゴールではなく、サービスを立ちあげてからがスタートだということを自覚しましょう。 最初のお客さんを獲得する努力をうまくいこうがいくまいが最低1年は続けてください。 あらゆる努力と工夫で1万円でもいからお金を稼ぐステップを経験することが大事です。 絶対途中でやめて別のサービスに浮気しないこと。それは逃げです。 「やっぱり、別のサービスにすることにしました〜 」よく聞くセリフです。 そのセリフを聞いた途端に私はほぼあきらめます。「ちゃんと失敗するまでやる」そうしないと「成功に結びつく失敗にならないのです」。 Step 6 : 自分のビジネスと人生を分析して進路を考える (大学4年) 今までやってきたビジネスの経験と結果を分析して、「Dream&Money」の視点からもう一度今後の進路を考えます。 「Dream」 ・ 自分が一生やって行きたい仕事は何か ・ 今までやっていたビジネスは本当に自分のやりたいことか ・ 自分のビジョンをかなえるプロセスを考える ・ 今までやってきたビジネスはそのプロセスにはまるのか 「Money」 ・ 今までやってきたビジネスで食べていけそうか (多分No) ・ 「雇われる」以外で収入を得られるスキルがあるか? (Noなら就活すべし) ・ 「雇われる」以外で個人で収入を得られる「可能性のある」スキルはあるか? (Yesなら今からでもそのスキルを磨くべき 例:プログラミング、受託、請負、FX/株式投資などなんでも良い)   Step 7 : 結論を出す (大学4年) ここでの大切なのは 「継続して食べていける収入」を確保することを最優先することです。 恐らく以下の選択肢くらいでしょう。 学生時代のビジネスを継続するかどうかは、どの選択肢でもやり方によっては可能です。 1) 休学する。 2) 大学院に進学する。 留学する。 → 今は25 歳までに自立すればいい時代です。十分ありうる選択肢です。 3) 会社に正社員として就職する。 → 副業として続ける道、自分のビジネスとマッチするベンチャー企業などで継続の道を探ることは可能です。 4) 個人のスキル(ウェブの受託など)で収入を得る。 → 3)より不安定になりますが、仕事の選択の自由などはあり、時間のコントロールは効きやすいです。 また人脈も相乗効果があります。 → 学生のころからこの分野で営業経験を積み、収入を得ておくのがオススメです。 5) バイト・派遣などで暮らすフリーターになる。 → 上記の選択肢に比べてメリットが少ないです。 3)正社員になるほうが安全。 → ただし、プログラマーとしての派遣など特定のスキルが磨ける保証がある場合は、雑務に追われスキルを磨けない正社員よりも良い場合があります。 6) 学生時代のビジネスはスッパリやめる。 → 当然ありです。 7) 投資家のお金のみに頼って、自分のビジネスのみを続ける → 今食べれる程度の売上が立っていないなら、あなたがどんなに優秀な学生・社会人でもこれはオススメしません。 → 3000万レベルの資金もあっという間になくなります。少なくとも上記の収入源にいつでも切り替えれるように備えておくべきでしょう。 → 最近お会いしたイケてる起業家曰く、 「投資を受ける場合でも、1年くらいお付き合いした上で相性や人間性を見た上で受ける」そうです。   ⑤ 「背水の陣」理論と受託の意味 こういった議論で必ず出てくるのが、「会社をやめ、退路を経って起業しないと本気にならないし、成功しない」というものです。今までの議論で見たきたように、優秀かつ本気になった人ですら起業の成功率が低いのですから、それこそ「普通の人」の立場を理解しない無責任なアドバイスだと私は思います。 個人のスキル「受託」で独立する、というならその通りでしょう。 覚悟と頑張りがあれば収入は得られます。お金を出す顧客がいるのが前提なのが受託だからです (それでも背水の陣が必要なほど大変です)。 でも起業は「顧客を作る」ところからはじめなければならないので、背水の陣を引いてさえ誰も保証できないのです。 その証拠にかなり大きなベンチャーでも、収入のかなりの部分を受託に頼っているとことは多いです。スタートアップで受託をしていないところのほうが珍しいのではないでしょうか。 それに甘んじて受託しかしない会社は、受託に特化した道を行けば良いのだと思いますし、悪いコトでは全然ありません。 自力で生活費を稼いでいて、仕事を選べてかつ好きなようにできるわけですから、サラリーマンよりはよほど自由でしょう。時間だってコントロールできますし、なにより稼げるかどうかの責任は自分自身にしかありません。 「受託するくらいなら、サラリーマンのほうがマシだ」「受託も自由ではない」といった受託批判も多く聞きますが、私は受託は自主独立を目指して事業を継続するために必要な収入を供給するもので、「自主独立のためのステップ」なのだと思っています。   ⑥ 最後に 前述 (⑤ 「普通の学生」にとっての正しい”身の丈起業”とは?)でご紹介したStep1-7は社会人でも全く同じです。 段階を踏まなければならない、3−4年はかかる地道な道のりで、失敗もつきもの。 だからこそ早く「自力の範囲で」”身の丈起業”をジャンジャン始めるべきなのです。 逆に言えば、段階を踏んで継続して頑張れば「普通の人」でもある程度までいける可能性が十分あります。 ほとんどのひとが1年以内でやめてしまうのが問題で、「継続できる環境」を作れるかどうかのほうが優秀さよりも大切なのではないでしょうか。 私は「自由は一度に獲得するのは至難の業だが、段階を追って継続し続ければ誰でも一歩づつ近づいていくことはできる」と信じています。「普通の人」のその一歩一歩をより確実なものにすることがClub86 Startup Schoolのミッションであり、来年もそれに近づけるよう「普通の人が継続できる環境作り」に精一杯頑張る所存です。