【中高年・シニアのためのプログラミング】 10年後には社会から取り残される!? プログラミング必修化とIT社会がもたらす不安とは? | 「中高年のためのプログラミング教室」TECH GARDEN SCHOOL

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【中高年・シニアのためのプログラミング】 10年後には社会から取り残される!? プログラミング必修化とIT社会がもたらす不安とは?

 

代表の高橋 与志です!    最近、当スクールにいらっしゃる中高年・シニアの方々から、

小中学校でプログラミングが必修になるのだから、その子達が大人になる10年後とかには、「プログラミングがわかる」前提の社会になってしまうのではないか。

その時に、プログラミングができないと社会から取り残されてしまうような気がして不安です。

というお話を良く聞きます。  この不安、当たっている面とそうではない面があります。 今日はこの点について、私の見解を述べて見たいと思いますので、どうぞお付き合いください!

新学習指導要綱によってどのように学校教育が変わるのか、その点をまずは見ていきましょう。

1)新学習指導要綱について

まず、小中学校でプログラミングが必修になった10年後にどのような若者が増えるのかを考えてみるにあたって、 文科省のプログラミングの指導要綱を見てみましょう。

“小学校プログラミング教育の必修化に向けて – 文部科学省”     を見ると、この学習指導要綱の改定は小中学校だけでなく、高等学校についても及んでいます。

その内容を簡単に紹介すると以下のようになります。

小学校

総則において、各教科等の特質に応じて、「 プログラミングを体験しなが
ら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力
を身に付けるための学習活動 」を計画的に実施することを明記
算数、理科、総合的な学習の時間において、プログラミングを行う学習
場面を例示

 

中学校

技術・家庭科(技術分野)
プログラミングに関する内容を充実(「計測・制御のプログラミング」に加
え、「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミン
グ」について学ぶ)

 

高等学校
情報科

全ての生徒が必ず履修する科目(共通必履修科目)「情報Ⅰ」を新設し、
全ての生徒が、プログラミング のほか、ネットワーク(情報セキュリティを
含む)やデータベースの基礎 等について学ぶ
「情報Ⅱ 」(選択科目)では、プログラミング等について更に発展的に学ぶ

 

“小学校プログラミング教育の必修化に向けて – 文部科学省”    より引用

 

また、元々の小学校学習指導要領には、そもそものプログラミング教育の位置づけが書かれており、これが素晴らしいので併せて引用させてください。

第1章 総則

第2 教育課程の編成

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

(1) 各学校においては,児童の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくこと ができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図 るものとする。

何が素晴らしいかというと、プログラミング能力(情報活用能力)を「言語能力」「問題発見・解決能力」と同列に扱いつつ、「学習の基盤となる能力を育成していく」としていることです。 そう、プログラミング能力は「言語能力(読解力)」や「問題発見・解決能力(意志力・論理力)」と同じように、物事を考えたり取り組んだりするための基礎でしかありません。しかし、これらの基礎があるのとないのとでは、勉强やスキルアップのスピードに桁違いの差が出てしまうのです。

これは、スポーツだろうが芸人だろうが分野を問わず言えることですよね。 例えば一流のサッカー選手は、「ピッチ上の多くの情報から必要な行動を導き出し」「監督の日々の言葉から、その戦略の本質を掴み」「チームの課題を見つけ、その解決策を導き出します」。  俗に言う「頭が悪けりゃ一流にはなれない」です。

では、このビジョンの元で小中高とどのようなプログラミング教育が行なわれるのかを、新指導要綱を元に想像していきましょう。

 

参考:

新学習指導要領のポイント:文部科学省

プログラミング教育:文部科学省

 

2)小学校 (2020年度から新学習指導要綱が全面実施)

この段階では、「文字入力などの基本操作」と「プログラミング的思考」を教えることに重点が置かれ、所謂「プログラミング言語の習得」自体はねらいとしない、とされています。 そうではなく、

小学校段階におけるプログラミング教育のねらい

①プログラミング的思考を育むこと

プログラミング的思考とは:自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、 一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力

②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気付く
身近な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを
育む

③各教科等での学びをより確実なものとすること

 

引用: 新学習指導要領のポイント:文部科学省

ことがねらいです。 これも本当にそのとおりで、小学生だけではなく、中高年・シニアを始めとする大人達にも是非身につけてほしいポイントだと思います。  これらの資質を身につけさせることを優先することもあってか、小学校では Scratchに代表されるブロック型のプログラミングと、体験型学習が推奨され、いわゆるプログラミング言語や技能自体の習得は直接の目的とはしていません。

3)中学校 (2021年度から新学習指導要綱が全面実施)

私もこの記事を書くまで知らなかったのですが、 これまでも中学校の技術の科目では、「プログラムによる計測・制御」が 既に必修! だったようです。  こちらの論文*や他の情報を見る限り、モーターの「制御」やセンサーを使った温度などの「測定」など、どちらかと言えばハードウェアよりのプログラムであるかのような印象を受けました。 確かに「技術家庭」っぽいですよね。

新学習指導要綱では、この「計測・制御」に加え、 「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」について学ぶ、とあります。  これって一体どんなイメージなのでしょうか。  文部科学省・上野耕史さんのインタビュー 記事がありましたので、そちらから引用させていただきます。

「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツ」とは、使う人がコンピュータと相互にやり取りをしながら(双方向性)、コンピュータ間でも通信をする(ネットワーク)コンテンツ、ということですね。

具体的には「パソコン室内で利用する文字チャットのプログラム」「複数人でコミュニケーションできるデジタル筆談ボード」などの実践例があります。

 

引用:中学校でのプログラミング教育必修化を徹底解説—文部科学省・上野耕史さんインタビュー   コエテコ by GMO

*中学校技術・家庭科における「プログラムと計測・制御」の学習内容とその実践
工 学教 育(J.of JSEE),52-1(2004)   山本透 市川貴子 岡村敏之 問田泰弘

 

入力(Input) の結果としての出力(Output) が得られることが「双方向性」であり、それが「ネットワーク」を通じて行なわれること、ともおっしゃっており、これならピンときますよね。

インターネットなどを通じてデータを入出力する、通常のウェブサイトやウェブアプリのイメージに近いですよね。

こういったアプリを中学生がどこまで授業中にコーディングできるのかは、PCなどの施設の整備状況、教員の質、使う授業時間などの条件によって各学校によりかなりのバラツキが出るかもしれませんね。 ちなみに当スクールの慶大生スタッフ数名に、中学校のころに技術家庭の授業で計測・制御のプログラミングをやったかどうかを質問したところ、やったという回答は1名のみ(Scratchだったそうです)でした。 もっとも、彼らのことだから単に忘れているのかもしれませんが。。。笑

 

 

4)高校  (2022年度から新学習指導要綱が随時実施開始)

これまた驚きなのですが、高校にも既に「社会と情報」「情報の科学」の2科目があり、いずれか1科目を選択が必修なのだそうです。 しかし、プログラミングを学ぶ「情報の科学」を選択するのは全体のたった2割だったとか。  そこで新学習指導要綱では「情報Ⅰ」を必修とし、全ての生徒がプログラミングを学ぶように改訂されました。  選択科目である「情報Ⅱ 」では、プログラミング等について更に発展的に学ぶとのことですので、その内容が気になりますよね!   これについては、Yusuke Ando氏の非常に良質なブログ記事*から以下引用させていただきます。

情報Ⅰ (必修)

(1) 情報社会の問題解決
(2) コミュニケーションと情報デザイン
(3) コンピュータとプログラミング
(4) 情報通信ネットワークとデータの活用

 

情報Ⅱ (選択)

(1) 情報社会の進展と情報技術
(2) コミュニケーションとコンテンツ
(3) 情報とデータサイエンス
(4) 情報システムとプログラミング

引用:*2022年の高校のプログラミング教育はどんな内容になるのか?(情報Ⅰ & 情報Ⅱ) Yusuke Ando a.k.a yando

情報Ⅰでは、基本的なプログラミングの考え方をアルゴリズム、データ、ネットワークをカバーしながら教えるそうです。Ando氏によれば、オープンデータをAPIで使うような発展的な内容も追加されているとのことで、これは必修課目としてはかなりのレベルと言えます。

情報Ⅱは更にデータサイエンス、ビッグ・データ解析まで踏み込む内容になっており、より現代的な技術を扱うようです。 このように、高校の「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」の内容はかなり意欲的で好感が持てます。 Ando氏の以下の「社会人向けの新人研修並み」という表現がぴったりです!

ここまで見てきたように新しい高校の指導内容は社会人向けの新人研修並、あるいはそれ以上の内容になりうる内容が提示されています。

 

しかしながら、せっかくの意欲的な内容も実習を伴わない座学に終わってしまってはあまりに勿体ないです。 是非、生徒一人に1台のPCと十分な時間、そして信頼できる講師をつけ、しっかり指導できる体制を整えて欲しいと思います。

 

5)プログラミング必修によってどんな若者が増え、どんな社会になるのか?

これまで、小中高のこれからのプログラミング必修化の内容を見てきましたが、全員が学ぶ、という点を考慮するとかなりのレベルであると言えるのではないでしょうか。 この教育を受けた生徒達が10年後20年後に社会人になったとしたら、どのような社会になっているのでしょうか?

まず、現在の人工知能やビッグ・データ解析の急速なビジネスへの適用のスピードを見ると、 この流れは「プログラミングが必修化されようがされまいが」それには関係なく進んでいくことは間違いありません。

プログラミングを学びそれを理解している社会人が増えることによる効果は、そのIT化の「進行のスピードが加速される」ことと「IT化の範囲が社会の隅々まで行き渡る」という2点ではないかと考えます。  つまり人々が「プログラミング的思考」を身に付けるということは、ついつい「プログラミング的思考」を使って自動化してしまう、またそうせずにはいられなくなるという、まさに「体にしみつく」ということなので、周りにそういう人間が増えれば自然とそういった提案(例えば、人事システムの導入など)に反対する人は少なくなるからです。  逆に、そうしないと上司や同僚に「なんでやらないの?」と言われてしまう社会になる、ということです。

だからといって、プログラミング的思考ができない人が生きていけない社会になるとは思いません。 「ITを使う側」としては十分に生きていけるのは、その仕組みがわからなくても万人がスマホやiPhoneアプリを使いこなし、アマゾンやメルカリで買い物をしている現代をみれば想像がつくでしょう。 つまり、サービスとしてのITというのは、スティーブジョブスが意図していたように「普通のおばあさんが家電のように使えるように」デザインされるものだからです。 優れたサービスほど、直感的にリテラシーなしに気持ちよく使えますよね。

しかし、ビジネスとして「ITで稼ぐ側」にまわるには、プログラミング的思考のみならず、より高いスキルと見識があればあるほど有利になることは当然ですよね。 プログラミング必修化によって社会全体にプログラミング的思考をする人間が増えれば、ビジネス上優位に立つには、10年後はもっと勉强しないと他人と差をつけられない社会になるでしょう。

ということは。。。

「10年後に慌ててプログラミングの勉强を始めるよりも、今なら、ちょっと頑張ればとっても楽に他人に差をつけられる状況」

であると言うことができます。 これは、本当です。   今ならプログラミングを少し勉强すれば他人に差をつけることができる、今後二度と来ない「大チャンスの時期」なのです。

 

  • 英語を今から勉强しても、他人とは簡単に差はつけられません。   英語が出来る人が、社会に増え、勉强法やその効果も確立してしまったからです。
  • MBAを今から勉强しても、他人とは簡単に差はつけられません。   MBAホルダーが、社会に増え、勉强法やその効果も確立してしまったからです。
  • プログラミングは「今」勉强すれば、 他人と「簡単に」差がつけられます。    プログラミングを勉強している人が、「社会にほとんどおらず」、勉強方法も確立しておらず、その効果も「未知数」だからです。

 

6)プログラミングをやらない中高年・シニアは今後どうなるの?

前述したように、ITを使う立場としては何も困ることはないでしょうし、それほど怯える必要はないと思います。  過去のお仕事のご経験や今まで培った人間力のほうが、かえってこれからの社会では貴重なものになる可能性も大いにあります。 ただ、色々な情報を知ったり、楽しいことに出会う機会はプログラミングやITリテラシーのある人と比べれば減ってしまうでしょう。 よくわからないから「ネットや人口知能は怖い」と言う印象だけで、ネットやITを使いこなせずにリスクもゼロだが、チャンスもゼロ、という人さえ出てくるでしょう。

また、今後職場でも仕事の発想が「プログラミング的思考」に移ってしまうので、優れたスキルやご経験をお持ちだとしても、上司や同僚、後輩と「会話」や「意図」が通じ合えない、ということが起こり得ます。「プログラミング的思考」とちょっとした「ITの知識」がないだけで 折角の経験を生かせないとしたら、大変もったいないと思います。

私の両親は、インターネットも使えず、Netflixで映画やドラマを楽しむこともできませんが、年金でそこそこ悠々自適の老後を過ごしています。 でも我々は人生100年時代、定年70歳時代を生きていかなければならないことを考えると、できるだけ長く社会の第一線で働けるように、ビジネスマンとしての鮮度をできるだけ長く維持していく必要性がより増してくることは自明です。

体力年齢維持のためにスポーツジムに通うように、 ビジネス年齢維持のためには「プログラミング」を習得すべき時代なのかもしれませんね。

なんだかんだいって、今の中高年・シニアの方々で、今後10年でプログラミング的思考を身につけられる割合は非常に少ないことが予想されます。  もし、同程度のスキル・経験だとしたら、プログラミング経験のある中高年と、そうでない中高年、どちらが新しい職場で上手くやっていけるでしょう?   どちらが、若い人たちからリスペクトされ「一緒に働きたい」と思ってもらえるでしょう?    答えは明白ですよね!

ここで、冒頭の中高年・シニアの方々の不安に戻ってみます。

小中学校でプログラミングが必修になるのだから、その子達が大人になる10年後とかには、「プログラミングがわかる」前提の社会になってしまうのではないか。

その時に、プログラミングができないと社会から取り残されてしまうような気がして不安です。

うん、こう言えますね、

「あなたの不安は確かに当たっています。  プログラミング的思考ができないと社会の第一線からは取り残されるかもしれません」

でも、こう付け加えさせてください。

「それは不安ではなくて、あなたにとっての希望であり、簡単に他の中高年に差をつけ、若い人からもリスペクトを勝ち取ることが出来る、今だけの大チャンスなんですよ!」

 

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