「中高年のためのプログラミング教室」の教科書にもなっている
「図解 50代からのプログラミング」高橋与志著 リックテレコム刊 から、特にご好評いただいているエッセンスをご紹介いたします!
ITビジネスやプログラミングの全体像とセカンドキャリアへの活かし方が同時にわかる本ですので、是非お手元に1冊ご用意ください。
(1)最新IT技術の全体像
ここでは皆さんが気になっているIT技術の全体像をご説明しますね。
図のように関連付けて理解するとグッと楽にわかりますよ!
①ネットサービスからのデータ
皆さんの買い物や旅行の申し込み、聴いた音楽や見た動画、検索履歴や閲覧したサイトに至るまで、あらゆる情報がサービス提供者のサーバーに蓄積され、彼らのビジネス上の資産となります。
GAFA(Google,Amazon,Facebook,Apple)が最も多くのネット上の情報を蓄積し、競争優位としていることはご存知ですよね。
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②リアルサービスからのデータ(loT)
今後はネット上の活動だけでなく、「全てのモノがインターネットにつながる」と言われています。自動車、家電製品、監視カメラ、自動改札、自販機などから集めたデータが、どこかのサーバーに蓄積されていきます。
これらの機器やモノの使用履歴や環境情報(温度、明るさ、音、匂い、重さ、方向など)を集めるための素子のことを「センサー」と呼びます。
今日では、多種多様なセンサーの情報を、インターネットを通じて送受信する技術が整っています。
③ビッグデータ
これら、インターネットを通じてサーバー上に蓄積された大量のデータは、「ビッグデータ」と呼ばれます。ビジネス活動において、ユーザーや顧客とサービスとの間で生じる、全ての履歴が含まれます。
④機械学習と人工知能
ビッグデータを人工知能(機械)に学習させると、何らかの傾向や共通点を見つけ出すことができます。
そうした法則性のあるモデルを見つけ出すことを「機械学習」と呼びます。
機械が見出したそのモデルに実際のデータをインプットすると、分析の結果として、例えば「雨の土曜日の夕方には雑誌がよく売れる」といったインサイトを導き出せます。
そうして得られたインサイトをAmazonやNetflix等のビジネスロジックに組み込むと、あなたの好みや生活習慣に合った商品や動画をリコメンドしてくれるというわけです。
⑤最新のITビジネス活動
このように現代のビジネスは最新のビッグデータに基づいて、常にアルゴリズム(ビジネスロジック)をアップデートしてサービス内容を最適化させ続けることを目指しています。
このモデルを各業界に当てはめたものを「〇〇テック」と呼んでいるのです。
●金融業界 :FinTech
●教育業界 :EdTech
●農業 :AgriTech
●医療分野 :MedTech
(2)機械学習と人工知能
「コラム01 最新IT技術の全体像」でも触れた機械学習と人工知能の仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
第1段階 人工知能を訓練して学習済みモデル(アルゴリズム)を生成する
まず、人工知能を訓練するためのビッグデータを用意し、それを人工知能(機械)にインプットすることで、機械学習を行います。
すると人工知能は、学習済みモデル(アルゴリズム)をアウトプットします。この学習済みモデルには、目的として「分類」を行うものと「予測」を行うものがあります。
例えば、「今日は雨が降りそうか晴れそうか」を分類するためのモデルと、「今日のハイヒールの売上はいくらぐらいか?」を予測するためのモデルなどがあります。
学習済みモデルの生成方法はいくつかあり、昔から多くの仕組みが検討されてきました。その1つが「ディープラーニング」で、この発見のおかげで、現代の人工知能は大きく発展したと言われています。
*学習済みモデルを生成するためのアルゴリズムとも言えます。
第2段階 実際のデータを入力してインサイトを導く
生成された学習済みモデルに、今度は「実際のデータ」をインプットして分析を行い、「分類」あるいは「予測」の結果をアウトプットさせます。この分析の結果得られる価値のことを「インサイト」と呼びます。
例えば、「雨の日にはハイヒールがよく売れる」という予測結果がアウトプットされたとすると、そのインサイトを実際のビジネスロジックに組み込んで、ビジネスの制度を向上させていく、というイメージです。
さらに、改善されたビジネスロジックでビジネスを行った結果に基づき、予測がどの程度正しかったのかを人工知能にインプット(フィードバック)し、機械学習を繰り返します。
こうして人工知能は、継続的に賢くなっていくのです。
(3)ニューラルネットワークとディープラーニング
機械学習は、人工知能が「分類」や「予測」のための学習済みモデル(アルゴリズム)を生成するための仕組みであり、その1つが「ディープラーニング」だと説明しました。
もう少し解説しましょう。
図のように、脳の神経細胞ニューロンを真似て、ソフトウェアの「人工ニューロン」を作ります。
それを複数組み合わせて「層」を形成します。その層を深く(ディープに)何枚も重ねることで「ニューラルネットワーク」を構築します。
それを用いて学習する仕組みがディープラーニング(深層学習)です。
一つ一つの人工ニューロン(脳細胞のような単位)は、それぞれ異なる基準を持ち、それらの判断の積み重ね(多数決のようなイメージ)によって、分類や予測の結果(値)をアウトプットしていくのです。