中小企業・ベンチャーの人材マーケットは今後シニア層が拡大する!シニアIT人材を目指すなら持っておきたい資格5選
更新日:2024.06.04
70歳定年法の施行を受け、今後中小企業・ベンチャーの人材マーケットは、シニア層が拡大すると予想されています。
なぜなら中小企業・ベンチャーは常に人手不足と言われており、少子高齢化も相まって定年退職後や再雇用のシニアを採用する動きが出ているためです。
エン・ジャパンが2019年に実施した転職エージェント対象のアンケート調査では、50歳以上の求人について約8割が増えていると回答し1)、「中小企業」において「高い専門性」と「即戦力」を持つ人材のニーズが高いとの結果もあります 2)。
また、若手社員にはない実務経験やマネジメント経験があるのも、シニア層が拡大する背景です。
とはいえ、ただぼーっと会社員をしているだけで転職できるかと言われれば、そうではありません。
「優秀な」シニア人材の需要は高まっていますが、そうではないシニアは単なるお荷物になるだけです。
そのためシニアIT人材を目指し、自分がお荷物シニアではないことを証明して他の人と差をつけるためにも「資格」を持っておくという選択肢もあると思います。
少なくとも、書類審査を通過するためには必ずプラスに働くはずです。
本記事では、転職を目指すシニアが、持っいて損はない資格を紹介します。
目次
転職を目指すシニアが持っておきたい資格
早速ですが、転職を目指すシニアが持っていると良い資格は以下になります。 <定評のある資格>- ITパスポート
- 基本情報技術者
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- VBAエキスパート
- RPAの資格
資格①:ITパスポート
1つ目が「ITパスポート」です。 ITパスポートはIT初心者向けの国家資格で、「ITを正しく理解し、業務に活用できる」という証拠になります。 シニアがITパスポートを持っておくメリットとしては「ITリテラシーがある人材である証明」。 なぜなら、企業がシニアを採用するにあたって、「ITリテラシーが低く、業務効率が低いのではないか」ということを警戒しているから。 シニアでそもそもパソコンを使えなかったり、使えたとしても新しいソフトやツールを使いこなせなかったりする人は多く、他の技術があったとしても即戦力として使いにくい、という印象を持たれているのではないでしょうか。 あなたがパソコンをどれくらい使えるか、新しいIT技術にどのくらい適応力があるかは書類や面接では確認できませんから、「ITパスポート」のような資格を持っていると、その証明の一つになるでしょう。 また、ITパスポートの資格を通じて学ぶことで、情報セキュリティや情報システムなどのIT関連の知識はもちろん、企業コンプライアンスや経営戦略といったことを学ぶこともできます。 逆手に取れば、1度でも法務や経営に携わっていた経験がある人は、IT関連の勉強をしただけでぐっと合格に近づきますよ。資格②:基本情報技術者
2つ目が「基本情報技術者」です。 ITパスポートが全ビジネスマン対象の資格である一方、基本情報技術者は、IT業界で働きたい人にとって定番の資格です。 IT関係の知識やプログラミングを用いた情報処理能力はもちろんのこと、IT業界で活躍するために必要な論理的思考力やマネジメントの知識も問われます。 先ほど紹介した「ITパスポート」と範囲が被っている部分もありますが、情報処理技術者(プログラマーやエンジニア)として働くうえで必要な、より深い知識やスキルが求められるのが「基本情報技術者」。 試験の範囲が広ければ試験時間も長く、基本情報技術者の試験は「午前の部」と「午後の部」に分かれています。 あまりパソコンを使い慣れていないけど、シニアIT人材を目指したいという人は、まずはITパスポートの合格を目指すとよいでしょう。 逆に、仕事や趣味でパソコンをそれなりに使っていたという人は、基本情報技術者の勉強から始めても問題ないと思います。資格③:MOS
3つ目が、マイクロソフトオフィススペシャリスト(以下、MOS)です。 MOSはマイクロソフトが公式に発表している国際資格で、WordやExcel、PowerPointなどのマイクロソフト製品のスキルを証明できる資格です。 ITパスポートと同じく、シニアIT人材として転職したいという人が、マイクロソフト製品を使いこなせるという証明となります。 ただし、プログラミングやITスキルとは関係がないため、シニアIT人材としてIT企業で活躍するために必要な知識やスキルとは少し離れています。- 余力がある人
- 今までパソコンを使った仕事をしたことがない人
資格④:VBAエキスパート
ここからは、これから注目の資格2種類を紹介していきます。 まずは「VBAエキスパート」です。 VBAエキスパートは、文字通りVBAのスキルを証明する資格 (Excelのマクロを作成し、Excelの処理を自動化するためのプログラミング言語がVBAです)です。 VBAを使った仕事に携わりたいと考えている人は、ぜひ候補に入れておきましょう。 以前、「ITスキルがあれば定年後も怖くない?生涯活躍できるシニアIT人材になるための失敗しない5つのポイント」でも軽く触れましたが、現在の業務効率化・自動化の流れの中で、シニアIT人材を目指すあなたにまずオススメのプログラミング言語は「Excel VBA」です。 VBAエキスパートには「Access VBA」もありますが、Excelと比べると活かせる仕事が少ないので、間違えないようにしましょう。 またExcelのVBAエキスパートにも、以下の2種類があります。- ベーシック
- スタンダード
資格⑤:RPAの資格
次にRPAの資格ですが、こちらは少しややこしいです。 (RPAとはパソコン上の操作をあなたの代わりに自動で行ってくれるロボットのことです。 業務効率化・自動化の流れに加えてノーコードで導入できるので、今注目のツールです。) RPAの資格は以下の5種類となっていて、「どれから勉強したらいいの?」と感じる人もいいるかもしれないですね。- UiPath
- WinActor
- BizRobo!
- Blue Prism
- Automation Anywhere
転職を目指すシニアが資格を有効活用するには
ここまで、転職を目指すシニアにおすすめの資格を、5つ紹介しました。 一方で、せっかく資格を取って転職を成功させようと思っても、資格を取るまでに挫折したり、資格を転職に活かせなかったりすることもあります。 そのような悲しい事態を避けるために、今から紹介することを頭に入れておきましょう。ゴールを先に設定する
まずは、資格を取ってどのようになりたいのかを考えることが大切です。- そもそもなぜ中小企業やベンチャーに転職したいのか
- 転職してどのようなことを成し得たいのか
- 転職先の職種や業種ではどんなスキルが必要か
自分の現状を正しく把握する
次に、自分の現状把握です。 資格は簡単すぎても効果を発揮しませんし、難しすぎても挫折してしまいます。 例えば、事務仕事を30年やってきた人がMOSしか持っていなかった場合「あなたは何ができるの?うちでどう活躍できるの?」と人事に聞かれるでしょう。 一方で、これまでパソコンにほとんど触ったことがない人が、いきなり基本情報技術者から受けるとほぼ間違いなく挫折します。 自分の現状を正しく把握し、自分のレベルと同じもしくは「少し難しい」くらいの資格を受けるようにしましょう。専門家に相談する
最後に、専門家に相談することです。 転職を成功させるために- どういった知識やスキルが必要か
- どういった資格があると転職しやすいか
- そもそも転職が実現可能か
資格の勉強はメインの勉強ではありません
本記事では、中小企業やベンチャーへの転職を目指すシニアにとって、有利になる資格を解説しました。 資格は「あなたが勉強している人材」であることを証明してくれるに過ぎません。 しかし、全くないよりはあったほうがいいですし、あなたの転職をサポートしてくれる存在にもなります。 資格にITスキルの実績が加われば説得力のある履歴書になりますので、実績をだせるITスキルの勉強がメインであることを忘れないでくださいね。 また、目指す職種やITスキルのレベルによって、取っておくとプラスになる資格が変わってきますので、専門家に相談してキャリア戦略を作るのがおすすめです。 テックガーデンスクールでも無料カウンセリングを承っておりますので、気軽に相談くださいね。 本記事が、IT業界への転職を考えているシニアの参考になれば幸いです。 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 参照元 1) エン・ジャパン「ミドルシニアの求人動向」調査(2019年) https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/20277.html 2) 週刊東洋経済 2020.10.17号 特集「定年消滅」P.68 即戦力人材は引く手あまた簡単な自己紹介
2017年 3月 国公立大大学院 機械系専攻卒業
2017年 4月 メーカーへ就職 機械設計と新卒採用に携わる
2020年10月 Webライターのフリーランスに転職
2021年 3月 Webライターで月商10万達成
クラウドソーシングや直接契約で100件以上の案件を受注し、多彩なジャンルの記事執筆に携わっている。
またブログも働き方のブログ「じぶんぽっく」を筆頭に5つ運営し、月間1万PVを超える。