【イベントレポート】「初めてのWatson」講座 〜井上研一先生
更新日:2021.07.03「Watson講座を2時から始めまーす」「え、Watsonてなんだっけ?」
「Watsonで何ができるの?」「そういえば、シャーロックホームズにワトソンて出てきましたよね?」
「やばい、ググりましょう」
こんな状況からWatson講座始まりました(笑)結論から言えば、WatsonとはIBMが開発した人工知能(AI)のことです。確かに、最近よく人工知能(AI)って耳にしますけど、そもそも人工知能ってなんのこと?何ができるの?という疑問が湧きました。
まず、人工知能の役割は大きく分けて2つ、それは「認知」と「予測」です。「認知」とは何を言っているのか、何が写っているのかを判断すること、「予測」とは文字通り過去の出来事をもとに未来の物事を推測することです。新聞やニュースで目にする人工知能の多くは「予測」を中心に行っています。ただコグニティブ・コンピューターとも呼ばれるWatsonは「認知」に重きを置いています。
その「認知」の中でもWatsonが得意としていることは主にこの3つです
① 質問応答 答えがあらかじめわかっているものを答える
② 創造的発見 正確な答えのないものの答えを探す
③ 判断支援 専門家の行う判断を支援
具体的に言えば、①の機能を使い、ホテルのフロントをサポートしたり、②の能力を応用させて特定のがん細胞に効果のある薬を膨大な論文の中から探し出したり、過去のビッグデータの中から同様の事例を探し出し、保険金の支払いを査定したり(③)、多岐に渡ります。
人工知能って聞くと、「人間の仕事を奪う悪いやつ」というイメージを抱く人も多少いると思いますが、そうではないようですね。東京医科研究所の発表によると、Watsonが特殊な白血病患者の病名を10分ほどで見抜き、その生命を救ったということもありました。医師では見抜けなかった病名を、人工知能(AI)が見抜いてしまったんですよ!
話がそれる前に、僕たちが授業内で使ったWatson Bluemixのサービスの説明に入ります(笑)だれでもアカウントが作れて、一定期間なら無料で体験できちゃうんです!大企業が何千万もかけて使うものだとばかり思っていたので、この手軽さにびっくりしました。
(Watson Bluemixサービス一覧です)
このサービスの中で、授業内では先ずVisual Recognitionという画像認識サービスを扱いました。画像を読み込ませると、それを認識し判断してくれるサービスです。今回はオバマ大統領の画像を読み込んでもらいました。
(0.01~1.00の数値はWatson自身が自分の答えに持っている確信度です。高ければ高いほど自分の出した答えに自信を持っているということになります)
Person,Male,Ageの情報は当然のことですが、オバマ大統領でしょ?とピンポイントで具体的な人物名まで正解してきました。(もちろん画像は人間や動物だけではなく世界遺産や自動車、食べ物までなんでも読み込んでくれます)
ここでひとつ注目しておきたいのは、一番下に書かれているDid we wow you?(私の出した答えは正解ですか?)という質問です。これに答えることによってWatsonは学習していきます。(僕は20代ですが、34歳?と聞かれて強めにNoをクリックしました(笑))
この後授業では、Monaca(㈱アシアルによるcordovaのプラットフォームです)というサービスを使ってこのVisual Recognitionをスマートフォンと連動させ、パソコンを使わずに、スマートフォンだけでも写真の認識と判断ができるようにしました。(本筋とは離れそうなのでこの話は置いといて(笑))
まぁ、画像の認識と判断だけだったら、そこまで驚きませんよね
そこで続いて授業では、観光ガイドを作成しました。そしてその観光ガイドをTwitterと連動させTwitterbotにして利用可能にしました。
ここでは、先ほどのVisual Recognitionではなく、Natural Language Classifier(NLC)とRetrieve and Rank(R&R)というサービスを用いました。簡単に説明するとNLCが質問の文章を分類化して、R&Rが全文を検索し優先順位ごとのランク付けを行います。
「美味しい・中華」という単語からNLCが「食事」に分類しR&Rが回答を用意するという流れです。
これは観光ガイドを作成している様子です。具体的な説明は省きますが、NLCとR&Rの編集過程です。自分で考えた具体的な文章をsight theater shopping eatの4つに分類しています。
編集が終わりTwitterと連動させました。ちょっと観光からは外れるんですが、TechGardenSchoolのTwitterアカウント(https://twitter.com/techgardensch)にこんな聞き方をしてみてください。
「@techgardensch オススメのコンサル会社はありますか?」
リプライを送ると、おすすめのコンサル会社を教えてくれます!さあどこでしょうかね笑 ぜひ試してみてください!
約5時間に渡る授業をこのブログ記事にまとめたため、省略も多くわかりづらいことも少なくなかったと思います。講師の井上先生が「初めてのWatson」という初心者向けの入門書を11月に出版予定ですので、ぜひ参考にしてみてください!(もちろん授業内容よりも詳しく説明されています
1967年生まれ。慶應義塾大学理工学部大学院修士課程卒。英国国立レスター大学MBA取得。2011年「起業家のためのプログラミング教室」Club86 Startup School(現TechGardenSchool)設立 2017年「中高年のためのプログラミング教室」開始 著書「図解 50代からのプログラミング –未開の能力を発掘♪」「教えて♪ プログラミング」など