キャリアタイプ診断で何が分かる?キャリアアンカーから自分の性格を捉えて、キャリア選択に生かす
更新日:2024.08.25
人生には、さまざまな転機が訪れます。50代で言えば、転職、早期退職、役職定年といったキャリアの方向転換もまた、人生の大きな転機のひとつでしょう。このような重要なキャリアの選択をする際『キャリアタイプ診断』が役立ちます。この記事では、キャリアタイプ診断で分かることや診断できるサイトのご紹介、また、診断結果をどのように活用すれば良いかや、キャリアの方向が決まった後の具体的なステップなどについて考えていきたいと思います。

50代会社員ですが、将来のキャリアプランを見直し、より自分に合ったキャリアは何なのかを模索中です。自分に合ったキャリアのタイプを知るにはどうすればいいでしょうか。
キャリアタイプを診断するツールを利用してみましょう。キャリアタイプ診断は、自分の仕事に対する志向や強味・弱み、適性などを把握するための材料を提供してくれるサービスです。ただし、自分らしいキャリアを実現するためには適性だけでなくそのための準備や努力も必要です。診断は、これからの準備に向けて方向性を確認するための、あくまでも参考資料として活用するとよいでしょう。

目次
結論:50代が将来のキャリアプランを見直すなら「キャリアタイプ診断」の活用がおすすめ!結果に依存しすぎず、準備や努力も忘れずに行おう。
50代の方が将来のキャリアプランを見直す際には、「キャリアタイプ診断」を活用することをおすすめします。この診断は、自分の仕事に対する志向や強み、適性などを把握するための材料を提供してくれるサービスです。また、キャリアタイプの診断結果はあくまで「参考資料」であり、「将来の準備に向けて方向性を確認する手段」として活用し、結果に依存しすぎない事が大切です。自分に合ったキャリアを模索していくために、準備や努力もしっかりと行っていきましょう!
キャリアタイプ診断とは?
キャリアタイプ診断とは、さまざまな観点から自分に向いているキャリアのタイプや働き方などを診断してくれるサービスで、主に転職サイトなどが提供しています。
無料で利用できるものが多くありますが、登録が必要なサイトやその後自動的に転職先を斡旋されるサイトなどもあり、条件が異なりますので注意が必要です。
では、キャリア診断で何が分かるのかを具体的にみていきましょう。
自分の性格・能力
このタイプの診断は、企業が採用時に応募者に対して行う「適性検査」にも含まれており、多くの企業が採用選考時に行うSPIテストでも導入されています。
向いている職種・仕事のスタイル
適職を診断するサイトは、「学生向け」「転職希望者向け」の大きく2種類に分類されます。
学生向け:キャリアについてまだビジョンがはっきりしない学生を対象としたもの(専門学校を紹介するサイトなどが提供)や、就職活動に直結しているもの(プロフィール登録があり、エントリーすると企業からのオファーがある)があります。
転職者向け:各種転職サイトが提供している診断ツール。登録すると利用可能となり、診断結果が自動的に転職先の斡旋に繋がるものがほとんどです。質問項目の数や内容・所要時間もさまざまなので、自分に合ったものを選んで試してみましょう。
キャリアにおける自分の価値観
長い人生には転機となる大きなイベントがいくつか起こり、その時々で仕事に対する具体的な希望は変化しますが、人にはそれぞれ「仕事を続けるうえでこれだけは譲れない」という軸が必ずあります。
この「自分自身のキャリアの軸になるもの」を理解するためのツールや方法は数多く紹介されていますが、そのなかのひとつに「キャリア・アンカー」があります。
キャリア・アンカーとは
「キャリア・アンカーと」は、エドガー・シャイン博士が提唱するアイデアで、長期的なキャリアの拠り所となる「軸」を意味します。
40項目の質問に答えることで、自らが「キャリアから得たいと思っていること」「能力として何を得意としているのか」「仕事上何によって満足感を得られるか」を解明し、自らのキャリア・アンカー(キャリア上の軸)を見つけます。具体的な質問項目や診断方法は、エドガー・H. シャイン (著)『キャリア・アンカー〈1〉セルフ・アセスメント 』白桃書房で紹介されているほか、
こちらの「キャリア・アンカー診断」サイトでも診断することができます。
キャリア・アンカーは以下の8つのカテゴリーに分類されます。
カテゴリー① 専門・職能別能力
このカテゴリーの点数が高い人は、「その領域において自分の技能を応用し、技能をつねに高いレベルに向上し続ける機会」に高い価値を見出しているといえます。一方で、管理業務や経営のマネジメントにはあまり関心がありません。
カテゴリー② 経営管理能力
組織の管理を担い、マネジメントすることに喜びを感じるタイプです。自らの管理能力を発揮できる高い地位を望みます。
カテゴリー③ 自律・独立
どんなことも自分の裁量で決められる自由を最も重視するタイプです。自営業やフリーランスの仕事や、企業で働いていても業務時間や仕事のやりかたなどに自由の利く職種を選択しようとします。
カテゴリー④ 保障・安定
このカテゴリーの点数が高ければ、安定した雇用を重視する傾向にあります。同じ職場で安心して働き続けられることが最も大切であり、逆に仕事の内容や高い地位にはあまり関心がありません。
カテゴリー⑤ 起業家的創造性
このカテゴリーの人は、リスクを恐れず果敢に自らの才能を発揮して、組織や企業を創造しようと試みます。自分自身の価値を成功ではかろうとするため、成し遂げるまでは努力を惜しまず、失敗もいとわない傾向があります。
カテゴリー⑥ 奉仕・社会貢献
他人や社会の役に立つことに生きがいを感じるタイプです。自分の収入や地位といったことへの興味は少なく、社会貢献できる仕事を好みます。医療や福祉、教育関係の仕事に就く人も多いのがこのタイプの特徴です。
カテゴリー⑦ 純粋挑戦
このカテゴリーにキャリア・アンカーがある人は、挑戦することそのものに最も価値を見出します。新規の事業を手掛ける・障壁のある困難なビジネスに挑戦する・複雑で多面的な状況を乗り越えるといったことに喜びを感じるのがこのタイプの特徴です。
カテゴリー⑧ 生活様式(ライフスタイル)
キャリアもまた、ライフスタイルを形成する要素のひとつと考えていて、プライベートや家族の時間とのバランスを大切にします。①~⑦までのなかに、もうひとつアンカーがあって仕事とキャリアの間にジレンマを持つ人もいるかもしれません。
例えば、「50代会社員で昇進のために介護の必要性のある家族が犠牲となるような移住をする」といった選択は、このカテゴリーにアンカーがある人にとっては、とても難しく感じられるでしょう。
自分を理解するために~キャリアタイプが診断できるサイト
キャリア・アンカー以外にも、以下のようなキャリアの適性や適職が診断できるサイトがあります。
厚生労働省「ジョブカード(自己理解、仕事理解)」
厚生労働省がキャリアプランのための準備として、自己理解を深めるための診断ツールを紹介しています。適職診断のほか、職業スキルや仕事上の価値観を診断するツールもあります。
dodaキャリアタイプ診断
120問・所要時間約10分の質問に答えることで、「性格・気質傾向」「能力傾向」「行動基準」「向いている仕事スタイル」「向いている企業風土」の5つを診断してくれます。転職を志望する人でなくても、自己理解を深めるために活用できます。
キャリアインデックス適職診断
39問の設問に対し直感的に該当する項目を選択すると、「仕事に求めるもの」「強みとなるビジネススキル」「性格と傾向」を診断してくれるサイトです。「あなたの開発すべきコンピテンシー」といったアドバイスもあり、診断結果が充実しています。こちらのサイトは、登録不要で利用できます。
生き方・キャリアに悩む女性のためのモヤモヤ解消プロジェクト
Woman Career by doda × ディグラム・ラボによる、女性に特化した生き方・キャリアの「モヤモヤ」解消診断です。「どのようなモヤモヤ(悩み)をもちやすいか」「基本的な性格」「モヤモヤ解消のアドバイス」「不満を抱えやすい項目が分かる仕事満足度チャート」などの情報が提供されていますが、一部の診断は登録しなければ見ることができません。
キャリアタイプ診断を有効活用するには?
キャリアタイプ診断は、自分の仕事に対する強みや弱み、能力や適性などを多面的に診断するツールです。ここからは診断結果を有効活用するための方法についてご紹介していきます。
自己分析を行う
キャリアタイプ診断は、自己分析の第一歩として活用できます。診断結果を通して、自身の性格・能力・価値観が客観的に把握できるでしょう。自己分析を深めることで、自分に合ったキャリア選択やスキルの伸ばし方が明確になります。
キャリアプランの作成に活用する
診断結果をもとに、具体的なキャリアプランを立てましょう。自身の強みを活かす職種や業界、スキルアップの方向性を考え、長期的な目標を設定します。方向性が定まれば、将来のキャリアに対する焦りや迷いが軽減されるでしょう。
応募書類・面接で活用する
自己PRや志望動機を作成する際に、キャリアタイプ診断の結果を活かすのもおすすめです。自身の強みや適性を具体的に記載して採用担当者にアピールしていきましょう。また、面接での質問に備えて、診断結果に基づく具体的なエピソードを用意しておくことも大切です。
診断に頼りすぎてはいけない
キャリアタイプ診断は参考にはなりますが、絶対的な答えではありません。
「自分はこのタイプだ!」という偏見に陥って本当に進みたい方向を見誤ったり、自分が望むキャリアをあきらめてしまっては本末転倒です。
診断結果に過度に依存せず、自身の経験や直感も大切にしてキャリアプランを進めましょう。
家族や友人から冷静な分析をしてもらったり、 転職エージェントから客観的な意見を得ることもおすすめです。
どのような人にも「100%当てはまるキャリアタイプ」というものはありません。むしろ、どのようなタイプにも当てはまらない部分を「自分らしさ」として深く見つめ直すことが、自分にとって納得のいくキャリアの実現につながるという意見もあります。
*軽部大『関与と越境―日本企業再生の論理』有斐閣
自己分析だけでなく、生き方から大きく考えてみる
キャリアタイプ診断は、キャリアの方向性を決めるための補助的な手段に過ぎません。重要なのは方向性が決まった後、そのための準備や努力を始めることです。ここからは、自己分析だけで終わらせず、その後の生き方を大きく変える手がかりとして、「ライフプラン」「マネープラン」「キャリアプラン」の作成方法についてご紹介します。
ライフプランの作成:自分のやりたいこと、人生の生き方
ライフプランは、「この先のイベントや必要な出費を時系列でまとめたもの」「人生の長期的な計画を表にまとめたもの」を指します。現代は人生100年時代と言われており、50代の今からでもライフプランを考える意義は十分にあります。自分の人生において、この先どのように過ごしていきたいか、希望や目標を明確にしていきましょう。
また、以下の記事で「ライフプランを3ステップで作成する方法」について詳しくご紹介しています。1から作成しようとすると大変ですが、解説に沿って作成すれば効率よく簡単に作れます。ぜひ参考にしてみてください。
参考記事:50代から始める! 3ステップでできるライフプラン表の作り方
マネープランの作成:お金の見える化
マネープランは、自分の収入と支出を管理し、将来の資産形成を考えるための計画です。具体的には「収入と支出の分析」「貯蓄目標の設定」「資産運用など投資戦略の構築」のトピックに分けて計画を立てていきます。
将来のライフイベントに対して「必要なお金が捻出できない」という状況を避けるために、あらかじめしっかりとしたマネープランを作成して備えておくことが大切です。
以下の記事では、「自分で作るマネープランの作成方法」について詳しく解説しています。マネープランは、FPなどの専門家に作成してもらうイメージがあるかもしれませんが、自身でも作成できることを知っていただけると思います。記事のポイントを参考にして、ご自身のマネープランを具体化しましょう。
参考記事:50代からのマネープランは自分でも作れる!作り方を知り、シミュレーションや表での可視化を通して自分のマネープランを具体化しよう
キャリアプラン:今後の働き方、稼ぎ方
キャリアプランは、自分の職業やキャリアについて考えるための計画です。作成のステップとしては「自己分析」で自分の強みや興味を把握して、次に中長期的な目標(転職・副業・ワークライフバランスなど)を設定します。最後に目標に近づくための必要なスキルを学び、成長するためのプランを立てていきましょう。
以下の記事では「50代の転職面接でキャリアプランについて聞かれた時の対処法」について詳しく解説しています。50代の転職面接では、キャリアプランについて尋ねられることが多いと言われています。今後、転職を視野に入れている方は、回答方法も含めて事前に準備しておくことが大切です。ぜひ記事を参考にしてください。
参考記事:転職面接でキャリアプランを聞かれた場合の答え方、50代は経験とスキルを組み合わせて回答せよ
求人票から逆算した学び直し:ギャップに対して足りないスキルを学ぶ
求人票には、求められるスキルや経験が記載されています。自分が目指す職業に必要なスキルを把握し、足りないスキルを学ぶための学習プランを立てましょう。
このように「希望から逆算して必要な学び直しをすること」で、自己分析だけでなく、より大きな視点から自分の人生やキャリアを考えることができます。
例えば、会社の研修やスクーリングなどの「学び直し」を活用してスキルアップすれば、キャリアの選択肢も増えます。今いる環境のなかで、自分らしいキャリアを実現するために何ができるかを考え、新たな一歩を踏み出してみましょう。
以下の記事では「50代以降の学び直し」について詳しく解説しています。逆算で導き出した「あなたに必要な学び直し」の始め方や勉強法、学び直しにより得られるメリットや公的な支援制度など、有益な情報が多く掲載されていますので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:50代社会人の学び直しは、セカンドキャリアと求人票から逆算すると効果的
まとめ
今回は、50代の方が将来のキャリアプランを見直す際、ぜひ活用して欲しい「キャリアタイプ診断」について、診断で分かることや結果を有効活用する方法、キャリアタイプ診断ができるサイトなどをご紹介しました。
50代は、役職定年や早期退職制度、定年など、重要なキャリアの方向転換について考える機会が多い世代です。やみくもに行動しても結果が出ずに、時間や機会を無駄にしてしまう恐れがあります。キャリアタイプ診断でしっかり自己分析を行い、効率的にキャリアチェンジを進めていきましょう。
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20年以上に渡り金融機関に勤務している「生粋の金融人」です。FP仲間の情報や勉強会・お金にまつわるニュース等をわかりやすく簡単な言葉で発信しています。 FP技能士2級・AFP・日商簿記2級