前回のブログ “未経験者がエンジニアを目指す! 大前提とは? ” で、 エンジニアを目指すにはスクールでの基礎の勉強だけでなく、実務経験を積むことが必須の大前提であることをお話ししました。 では、未経験者が実務経験を積む方法にはどのような道があるのでしょうか? エンジニア養成スクールや理系大学などを卒業した20代〜30前後まで人が、一般的に選択しているいくつかのルートをご紹介いたします。
(1)王道 : 会社勤務ルート
スクールや学校を卒業して、IT企業に就職や転職するルートです。 「未経験者を前提に」採用しているので、研修や現場でのOJTなどの機会が提供されるのが一般的です。 企業やプロジェクトの大きさによってチームの人数は様々ですが、開発チームに所属して指導を受けながら実戦経験を積むことになります。 レベルにもよりますが、チームメンバーとして一人立ちできるようになるまで一般的には2−3年、高給で転職、独立可能なプロジェクトマネージャーやスペシャリストになるには5−10年はかかると言われています。
募集職種の中には、プログラミングをほぼ使わない「サーバー保守業務」や「品質テスト業務」などもありますので、その後プログラマーへのキャリアパスが存在するかどうか、よく話し合って検討するようにしてください。 また、研修後、開発現場に配属された後は指導もあまりないような組織もあると聞きますので、注意してください。
このルートの良い点は「 安定した環境で成長できる」ことですが、時間がかかりますので、「自分で勉強を継続する意志」と「辛抱」が必要といえるでしょう。
TechGardenSchoolがまだ中高年専門スクールになる前に、 エンジニアとして未経験からスタートアップに転職した20代後半の生徒様がいらっしゃいましたが、 入社前から相当苦労して勉強し、厳しい開発現場で一人前に成長して、最近次のチャレンジを求めて転職したようです。 プログラミング言語の技術マニュアルも自作されているようで、そのような風のたよりを耳にするのは嬉しい限りです。
(2) 個性派:師弟関係ルート
TechGardenSchoolが約8年前にClub86 Startup Schoolとして創設された直後に入学した 元ひきこもりの大学生の生徒様がとったルートです。 彼は普通に就活して企業に就職することはせず、当時当スクールの講師をしていたエンジニアの先生の会社(といっても先生一人の会社)に、押しかけ入社したのでした。
私も彼には色々とアドバイスをしていたのですが、 彼なりにいろいろ将来のキャリアをよく考えての決断だったので、全面的に支持しました。 割と優柔不断な印象の彼が、初めて自分ひとりで出した結論と、彼らしくない思い切った行動がとても嬉しかったです。
師匠であるその先生は、しっかりした技術をお持ちで、かつ「自走力」を引き出すことにとても長けた、教え上手でもありました。 その指導のもと、彼は開発現場での経験と技術力を積み重ねて、一人前のエンジニアになりました。
その彼も、最近スタートアップに転職し、数名の部下を束ねるリーダーとしてウェブサービス開発の最前線で活躍しています。
このルートの良い点は「師匠から濃密な教育を受けられる」ことですが、「実力以上の仕事を常に求められる」ため、それに応えていく「覚悟」が必要と言えるでしょう。
(3)無頼派:フリーランスルート
スクールや学校を卒業して(あるいは独学して)、いきなり仕事を請け負っていくタイプのルートです。 上述のルートとの大きな違いは、「仕事をとってくること」から「お金を受取るところまで」全て自分でやらなければならないことです。 私が自営業・フリーランスとしてやっていくための絶対条件として、以下の4つがあると思っています。
① 仕事を探す(嗅ぎ回る)
② 仕事をとる (成約させる)
③ 仕事を終わらせる (クライアントを納得させる)
④ お金を回収する
仕事をやる技術力・スキルに加えて、 これらを一人でやりきる能力と執念が不可欠だと考えています。 しかし素晴らしいことに、最近は上記を代わりに行ってくれるクラウドワークスやランサーズなどのジョブマッチングサービスがありますので、 最初はこれらを活用して小さな仕事を積み重ねて経験と実績を積んでいくのが良いでしょう (もちろん取り分は減りますし、単価も安い傾向がありますが)。
このルートの良い点は「最初から独立している」「嫌な仕事はしなくて良い」ことですが、 「うんと小さい仕事から」「実績と信用をコツコツ積み重ねる」 ことを自力でやりきる「たくましさ」が必要と言えるでしょう。
(4) まとめ
今まで見てきたように「未経験者」がエンジニアを目指すルートはいくつかあり、それぞれ一長一短があります。 皆さんお一人お一人の状況によって、キャリア構築の戦略を立てるのがお勧めです。 更に、この業界のことをよく知っているプロに相談すると良いでしょう。
しかし、どのルートを取るにせよ、エンジニアになるため、あるいは成功するために最も大切なことは、
ー わからないことや新しいことを自分から調べて試す好奇心と行動力
ー 問題が発生した時に、解決できないまでも、逃げずに立ち向かって成長できること
ー そして、上記を含めてプログラミングという仕事が好きになれること
という「自走力」 を持っている人間かどうかである、 ということを忘れないでくださいね。
50代・60代の中高年、シニアの方々にとっては、プロのエンジニアを目指す、ということはかなり高いハードルかもしれません。 でも、定年後のやりたいことをお探しながら、まずはプログラミングを「習い事として」学んでスキルアップという選択肢も近年人気上昇中です。
プログラミングに興味がある方はもちろん、セカンドキャリアのためにスキルアップしたいという方は一度
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