50代会社員のリスキリングには、DX人材を目指せるプログラミング学習がおすすめ！

更新日：2024.06.30

リスキリングとは、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、業務上で必要とされる新しい知識やスキルを学ぶことです。新しいスキルを身につけて変化する世の中に追従できるシニアになる為に何をすればいいのかを考えていきましょう。

50代会社員です。リスキリングとしてのプログラミングに興味があります。何を学べばいいのでしょうか？

働き方が変化して、デジタル社会になっていく中、デジタルスキルを学ぶことは世の中の役に立つことです。では、何を学べばよいかというとプログラミング学習をすることをお勧めします。プログラミングスキルを上げることで論理的思考や問題解決力を培う事が可能です。特にDX人材に期待されている業務効率化、自動化やデータ分析などの分野がオススメです。

1 結論：リスキリングとしてプログラミングに挑戦し、デジタル時代に活きる人材に
2 リスキリングが注目されるわけ
3 リスキリングで大事なこと
4 プログラミングの活かし方
5 DX人材を目指すためのプログラミング分野とは
6 まとめ

結論：リスキリングとしてプログラミングに挑戦し、デジタル時代に活きる人材に

DX化や労働者の老齢化、生産人口の減少などを背景に、リスキリングへの注目が高まっています。リスキリングは、企業・従業員の双方にとってメリットのある取り組みであり、DX化が進む現代においては特にプログラミングが人気分野です。プログラミングを新たに学ぶことで、論理的思考力や問題解決力、発想力などを高めながら、業務効率化やデータ分析、アプリ制作などを行えるようになります。AIが台頭する現代のなかで、AIに負けない人材になるためには、これまで培ってきた業務経験とプログラミングスキルを掛け合わせることが重要です。既存の知識・経験と新たなスキルを掛け合わせることで、自分にできることの幅を広げることができ、現職でのさらなる活躍や転職、独立などの幅広いキャリアを選択できるようになるでしょう。

リスキリングが注目されるわけ

リスキングとしてプログラミングが注目されるのは、企業が新たな事業に向けたDXの推進に力を入れ、企業成長に繋げるために業務の効率化、生産性や正確性の向上を行う必要があるからです。DX推進に不可欠でありデジタル人材が不足している日本では、企業が自ら人材育成することも期待されています。

DX時代の人材戦略

DX人材とは、社会の本質的なニーズを理解し、それを企業のビジョンと照らし合わせ、事業の刷新もしくは創出で対応することが求められるようになったため、それをデジタル化によって推進し実現出来る人材です。

高齢化、生産人口の減少

日本国内においては、労働者の高齢化や生産人口の減少が年々深刻化しています。総務省の調査によると、生産人口は1995年をピークに減少し続けており、2050年には5,275万人（2021年から比べて29.2％減）に減少すると見込まれています。このような社会のなかでは、一人ひとりが長く働くことや、一人あたりの生産性を高めることが求められています。

参照元：総務省「令和4年版情報通信白書」

働き方の多様化に対応するため

近年では、デジタル化の進歩や働き方改革などを背景に働き方の多様化が進んでいます。従来のオフィス出社に加えて、在宅勤務やサテライトオフィス勤務、フリーランスなどの働き方も増えてきています。このような働き方の多様化に対応していくためには、リスキリングによって場所を問わず働けるスキルを獲得していくことが重要です。

AIによってなくなる仕事

リスキリングが注目される理由には、AIの台頭も挙げられます。AIは、膨大なデータを学習したうえで最適なパターンを導き出すことに優れており、単純計算などでは人間を上回る能力を持ちます。そのため、単純なルーチンワークを行う業務や職種は、近いうちにAIに仕事を奪われる事態が想定されます。AIに仕事を奪われないためには、リスキリングによって新たなスキルを習得し、既存のスキルと掛け合わせて付加価値を創出していくことが重要です。

補助金など政府も支援をして推し進める

リスキリングが注目される背景には、政府などがリスキリングに対して補助金などの支援を推進していることも挙げられます。たとえば、厚生労働省は社会人の学び直しや職業訓練への支援を目的として教育訓練給付金制度を設けており、このような支援制度を活用していくことでリスキリングを行いやすくなるでしょう。リスキリングに対する補助金・支援金については、以下の参考記事でも解説していますのであわせてご参照ください。参考記事：50代の学び直し（リスキリング）はセカンドキャリアからの逆算で考える：補助金・支援金も豊富

リスキリングで大事なこと

シニアがリスキリングをする場合には、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するためにITスキルを身につけることを優先するのがいいでしょう。その場合、業務上で必要な分野のITスキルを学ぶことが大事です。

企業側のメリット

企業から見た場合、デジタル人材をはじめとした専門・技術職の不足が今後予測されてます。採用など外部人材を連れてくるのは難しい状況もあり、内部人材にリスキリングを行い、必要な知識を身につけてもらうのは企業にとって大きなメリットになります。
また、リスキリングを行うことで、DXへの適用や新規事業の立ち上げなど、既存業務から新しい業務へ従業員を配置転換するためのスキルチェンジを促進することが可能です。

個人側のメリット

従業員個人にとっては、リスキリングを行うことで、これまで経験したことのない新たな分野の知識・スキルを習得することが可能です。たとえば、これまで総務・経理の業務経験しかなかった方でも、リスキリングによってITリテラシーを高めたり、プログラミングを習得したりすることができます。そして、これまでの業務経験とリスキリングで学んだプログラミングなどの新たなスキルを掛け合わせることで、職場業務の効率化や転職市場価値の向上といったメリットを享受することができます。

リスキリングで人気があるスキル

リスキリングのなかでも特に人気があるスキルとしては、プログラミング、データ分析、マーケティングが挙げられます。プログラミングは、あらゆるアプリケーションやシステムに使われているコンピューターの言語であり、ITリテラシーの土台とも言えるものです。また、デジタル化が急速に進む現代においては、顧客理解や経営上の意思決定などさまざまな場面でデータ分析が重要です。そして顧客ニーズに合った商品やサービスを開発・提供し、企業の収益を拡大していくうえでは、マーケティングの知識が求められます。

リスキリングとしてプログラミングがおすすめ

リスキリングで何を学ぶべきか迷っている方は、プログラミングがおすすめです。先ほど述べたようにプログラミングは、AIやビッグデータ解析といった人気がある最先端のスキルにも関わります。それだけでなく、日常業務の生産性向上や業務効率化にも大きく貢献するスキルです。プログラミングと聞くと単にコードを書くだけのイメージを持つ方もいるかもしれませんが、プログラミングを通じて論理的思考力や問題解決力、発想力などが磨かれるため、多くの社会人にとって重要なスキルであるといえるでしょう。

今の仕事を続けながら自身のスキルを上げる

リスキリングでは、今の仕事を続けながら自身のスキルを上げることも大事なポイントです。これまで培ってきた業務知識や経験と、リスキリングで新たに学んだスキルを掛け合わせることで、市場価値が高まります。その結果、今の職場での活躍だけでなく、転職やフリーランスなどの道も開拓できるでしょう。自分のできることの幅を広げていくことで、AIに負けないような人材を目指すことができます。

プログラミングの活かし方

仕事に直結しやすいのはプログラミングです。今後の仕事でデジタル化は益々重要になり、転職にしてもフリーランスで働くにしても、プログラミングのスキルがあれば役にたつでしょう。

今の職場や転職で活かす

リスキリングは、ビジネスモデルの変化や技術革新に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶことです。今の職場で業務の自動化を図ったり、転職先で今までの経験を活かした上で尚且つプログラミングを使って業務改善を行うことが出来れば、会社への貢献度だけでなく仕事の満足感も出てきます。

フリーランスとして稼ぐ

会社員をやめてフリーランスになりたい50代の人も多いかと思いますが、プログラミングを習得して、クラウドワークスなどでまずは月5万円ほど稼げることを目指してみてはいかがでしょうか。

好きで稼ぐ！

自分の好きなことや趣味を生かしてお金を稼げるのであれば、こんなに嬉しいことはありません。好きな事とITスキルには、何の関係もないように思いますが、例えば好きな事を紹介したりするのにサイトやSNSで公開するとしたらITスキルを持っていると情報発信が容易になります。

DX人材を目指すためのプログラミング分野とは

ビジネスのDX化とそのための言語やツールをおおまかに説明すると、まず業務アプリやECサイトなどの動的なウェブサイトからデータを収集して、データベースに保管します。次に、収集されたデータを整理したり分析するために、Excel(エクセル)VBAやRPA、Pythonを使います。

データからビジネスの傾向を予測するために人工知能（AI)を用いたり、データをグラフなどで可視化するためPowerBIなどのBIツールを用いたりします。

予測データや可視化されたデータをもとに最終的に意思決定をおこなうのは人（経営者やクライアント）になります。決定をビジネスにフィードバックし、実施した結果のデータを更に収集していく流れになります。

例えば、データを分析し、水曜日のクロワッサンが売れるとわかったら、水曜日にクーポンを発行してみる、という意思決定をし、施策が上手くいくかまたデータを取得して見てみるというわけです。

業務効率化（Excel(エクセル) VBA, Python、RPA)

売上情報や会員情報を業務アプリで収集したり、ウェブ解析データでアクセス数やクリック数やアクセス元などのデータ収集にはデータベースからExcel(エクセル) VBA、RPA、Pythonなどで行います。以下の参考記事では、Excel(エクセル)の勉強方法やExcel(エクセル) VBAとPythonの違いなどについて解説していますので、あわせてご参照ください。

参考記事：Excel(エクセル)プログラミング学習法：VBA・マクロ・Pythonによる業務効率化の違いを解説

人工知能による予測とBIツールによる可視化

収集したデータを人工知能AIで予測したりするのに必要なプログラム言語はPythonです。その予測結果を可視化するのがBIツールです。代表的なのがPowerBIやTableauで、データを色々な角度で可視化できるツールです。予測結果の根拠となるデータを可視化するのです。大事なことは、見える化したデータから人が判断を下し、次にすることの意思決定をすることです。以下の参考記事では、データ分析結果を可視化する方法やスキル、学習方法などについて解説していますので、あわせてご参照ください。

参考記事：【50代学び直し】データ分析見える化スキルはExcel(エクセル）・Python・BIツールを実践で学べ！

アプリ開発

アプリ開発をするプログラミングは、PHPやJavascript,Ruby,Pythonなどがありますが、現在はノーコード、ローコードなどプログラム言語を使わなくても開発できるようになりました。ただノーコードとはいえ、プログラミングの基礎的な知識があったほうが様々な状況に対処しやすいので、基礎的なプログラミング言語の勉強は、体験しておいたほうが良いでしょう。

ウェブサイト制作とアクセス解析

ウェブサイト制作に必要なプログラムは、HTML, CSS, Javescriptですが、代表的なCMS（コンテンツ・マネジメントシステム）であるWordPressを使えば、ほぼノーコードでウェブサイトを作成・運営することができます。ウェブサイトへのユーザーのアクセス数や購入状況などはグーグルアナリティクスというツールで分析ができます。

まとめ

2022年のダボス会議で「リスキリング革命」が発表され、世界的にもリスキリングが叫ばれるようになってます。日々進歩する技術革命により企業では、人材育成が必要ですが、その中でもDX人材が求められてます。

また、日本でも岸田首相がリスキリングを柱の一つとし、人への投資に今後5年間で1兆円に拡充すると発表しています。1)リスキリングを通じてDX人材になる為にはプログラム分野は欠かせません。プログラミング分野といっても色々な分野があるので、まずは興味のある事から始めてみましょう。

AIが台頭する近年においては、単純な業務や職種はAIに代替される可能性があります。AIに負けない人材になるためには、これまで培ってきた業務経験とプログラミングスキルを掛け合わせて、市場価値を高めていくことが重要です。スキルを掛け合わせて自分にできることの幅を広げていくことで、今の職場で活躍するだけでなく、転職やフリーランスなどの幅広い選択肢を持てるようになるでしょう。

1) 岸田首相の「日経リスキリングサミット」での発言要旨 (日本経済新聞 2022/10/21)