【50代DX人材】DX化にプログラミングの知識はどの程度必要か?

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【50代DX人材】DX化にプログラミングの知識はどの程度必要か?

デジタルテクノロジーが発達し、どの企業も経営目標にDX化を挙げています。またDX化に資する人材としてプログラミング教育を積極的に推し進める企業も少なくありません。ここでは、DXとは何なのかをもういちどおさらいし、DXとプログラミングの関係、そして「求められるDX人材」になるためにプログラミング技術がどの程度必要なのかをみていきたいとおもいます。

50代会社員です。セカンドキャリアを考えてプログラミングを学ぼうと考えていますが、「DX人材」として求められるには、どの程度のプログラミングの知識が必要でしょうか。また、DXとプログラミングの関係についても教えてください。

DX化を進める会社では、プログラミングやITのスキルを持つ人が常に求められています。一方で、ノーコードやローコードなど、基礎的なプログラミングのスキルさえあれば、比較的簡単にDX化を導入できる環境も整ってきました。50代からプログラミングにチャレンジするならば、これまでのキャリアでの経験をもとに「デジタル技術をビジネスに生かせる」程度の基礎的なプログラミング言語やITリテラシーの習得をまずは目標としてみましょう。

DX推進はどれくらい進んでいる?

今日、多くの企業が事業のDX化に取り組んでいます。「DX化」が当たり前のかけ声となっている一方で、進化するテクノロジーを事業に導入したいけれど、実際には四苦八苦している会社も少なくないようです。

個人事業主から社員数千人以上の大企業まで、486社を対象にしたある調査によれば、DXの進捗度を自己診断したなかで「全社の統一した戦略で横断的にDXを実施している」とする「先行企業」の割合は17.7パーセントと、前年調査から倍増したといいます。

 

項目別でみると、「プライバシーやデータセキュリティ」などに対する取組は高いものの「人材育成/確保」「技術を支える人材」といった人材に関する取組は進んでいないことが明らかになりました。*1

このことから、企業のDX化を阻む原因として「ITのわかるDX人材不足」が大きく関係していると考えられます。

*1「DX「全社で実施」18% 前年から倍増、IPA調べ」 2022年8月17日日経デジタル版

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

ここで今一度、DXとは何なのかをおさらいしてみましょう。

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」のことで、デジタル化の最終形といえます。分かりやすいようにまとめると、次のようになります。

 

デジタイゼーション:業務の一部にデジタル技術を導入する。

デジタライゼーション:一連のビジネスプロセスにデジタル技術を導入する。

デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を通じて業務や組織・社風などを 改革・改変し、全く新しいビジネスを作り出す。

 

デジタイゼーション→デジタライゼーションの後に来るのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

経済産業省の定義では、DXとは?

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」となっています。

 

いずれにせよ、DXというときには従来のビジネスをデジタル技術によって更に進化させる・改革することが求められていると言えるでしょう。

DXとプログラミングとの関係性

では、DXにプログラミングは必須のものなのでしょうか。

現在、プログラミングの知識やスキルがなくてもDX化を可能にする「ノーコード」が急速に普及しています。ノーコードのツールを使えば、プログラミングのコードを一切使わなくても自動化やWebサイト制作、アプリ開発などができます。このようなツールには「ローコード」という簡単なプログラミングやSQL(データベースの言語)を書くことを前提とするものも含まれています。

 

ノーコードは、アイデアや企画があっても技術者不足のために具体化できなかった企業や個人にとって、大変な恩恵となっています。

しかし、ノーコードの開発はエンジニアがプログラミングの技術をもって行っています。エンジニアが作ったノーコードのパーツを借りてソフトを開発するので、定型的なことしか行えず、そのノーコードを提供するサービスに依存することになります。もしノーコードをさらに拡張する、またはカスタマイズするなどというときには、やはりプログラミングのスキルが必要となります。また、開発したサービスに何かトラブルがあった場合にプログラムの基礎的な知識がなければ「お手上げ」ということになってしまいます。

 

結果として、「ノーコード開発がいくら進んでもDXにプログラミングのスキルは必須」だと言えるでしょう。

今求められている「DX人材」とは?

先ほど述べたように、DXを実現するための「ITのわかるDX人材」は慢性的に不足しています。2020年の能率協会の調査でも、対象5000社のうち8割強の企業がIT人材不足を挙げています。*2 また、経済産業省は、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測しています。*3

では、今求められている「DX人材」とはどのようなものなのでしょうか。

総務省の資料*4によれば「デジタル・トランスフォーメーションの推進にあたって不足している人材」とは、
・DXの指導者 72.8(%)
・新たなビジネスの企画/立案者 73.1(%)
・デジタル技術に精通している者 69.8(%)
・UI/UXに係るシステムデザインの担当者 66.3(%)
・AI/データ解析の専門家 68.9(%)
(大いに不足している、多少不足しているの数値を合算)
となっています。

上記のようなDXを推し進めるリーダー的な人材が求められている一方で、
「全てのビジネスパーソンがデジタルリテラシーを習得すること」
がDXには重要とされています。つまり、ビジネスでこれまでに培った知見をもとに
「デジタル技術をビジネスにどう生かすか」を考えることができる人材がDX推進のカギを握るとされています。*5

*2「『日本企業の経営課題 2020』 調査結果」日本能率協会ニュースリリース 2020年9月24日

*3「IT 人材需給に関する調査 報告書」みずほ情報総研株式会社 2019年3月

*4総務省(2021)「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」

*5経済産業省「デジタルスキル標準」2022年5月17日

50代で「DX人材」となるためには?

50代でセカンドキャリアを見据え、プログラミングを学びたい、という方も多いでしょう。そんな方には、プログラミングの基礎を含めた「今までの仕事で培った経験を生かすIT技術・知識」を身につけることをおすすめします。

どんな勉強にも遅すぎることはありませんが、ゼロからシステム構築できるほどのプログラミング技術を習得するためには、膨大な時間と労力コストが必要です。今の仕事をしながら学ぶときに「プログラミングが楽しくて時間がたつのも忘れてしまう」というような人ならば、DXを指導できるほどのプログラマーになることも不可能ではないでしょう。

そうではなく、あくまでもセカンドキャリアに役立つIT技術であればよい・・・というのであれば、
・基本的なプログラミング言語
・DX化をすすめる会社で提案したり、導入する際の橋渡しとなれる程度のリテラシー
を目標に学びを進めるとよいでしょう。

経産省もDXリテラシーを身につけた人材イメージとして
・管理部門ならば「私の業務も、この技術を活用して効率化/改善できそうだ」
・製造/開発部門であれば「私の業務知識と新しく身につけたDXリテラシーを掛け合わせて、何か新しいことにチャレンジできそうだ」
と考え、会社のDX化に貢献できる人としています。*5

*5 経済産業省「DXリテラシー標準」2022年3月

具体的なプログラミングの分野、勉強方法などは、こちらが参考になります。 

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まとめ

DX化を進める会社では、プログラミングやITのスキルを持つ人が常に求められています。

IT人材不足のなか、プログラミングの知識がなくてもDX実現が可能になるノーコード開発も盛況ですが、実際に現場で使用する際にはプログラミングの知識が欠かせません。

50代からチャレンジするなら、ビジネスでこれまでに培った知見をもとに「デジタル技術をビジネスにどう生かすか」を考えることができる人材となることを目標に、プログラミングの基礎技術やITリテラシーをしっかりと習得するとよいでしょう。

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