【50代DX人材】DX推進において50代に求められるITリテラシーとは?
更新日:2024.04.07
急速な環境変化や技術発展を背景に、社会や企業においてDX化が急務となっています。DX化においては、DX推進を担うIT人材が不可欠です。しかし、50代のビジネスマンにとっては、DX推進で求められるITリテラシーに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、DX推進において50代に求められることやITリテラシーを高めるメリット、ITリテラシー向上のポイントを解説します。
50代会社員です。社内でもDX推進が叫ばれていますが、50代の自分にはIT技術についていける自信がありません。DXではどの程度のITリテラシーが求められるのでしょうか。また、セカンドキャリアも見据えてなるべくITリテラシーを身につけていきたいのですが、学習のポイントなどあれば教えてください。
「DX化の目的は、社会・ビジネス全体の変革や競争力強化であり、IT技術だけがすべてではありません。ベテランならでは豊富な業務経験を活かし、ビジネス課題の解決に貢献するのも立派なDX推進です。とはいえ、ITリテラシーがあることに越したことはありません。デジタルネイティブではない50代の方がITリテラシーを身につけるためには、IT技術の大枠の概念から理解すること、学習の優先順位付けを行うことなどが効果的です。加えて、IT技術の活用方法を理解することもポイントとなるでしょう。
目次
DX推進が急務となる現代では、IT人材の需要が多い
DXとは「Digital Transformation」の略で、経済産業省(*1)は以下のとおりDXを定義しています。
”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
*1 引用元: 経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」
上記を端的に言えば、IT技術を活用して、社会やビジネス全体を変革する取り組みがDXだといえます。DX推進においては、IT人材不足が大きな課題です。厚生労働省(*2)によると、DX推進を担うIT人材不足は2025年に約43万人まで拡大する見込みです。このような背景から、年代に関係なく、社会全体的にDX分野のITリテラシーを持つ人材が求められています。
*2 参照元: 経済産業省「DXレポート」
DX推進において50代に求められること
DX推進と聞くと難しいIT技術を連想し、デジタルネイティブでない50代の方は不安になることもあるでしょう。しかし、DX推進において50代が活躍できるチャンスは多いといえます。
その理由は、DX推進では高いIT技術だけでなく、ビジネス上の課題解決力などの総合的なスキル・ノウハウが必要となるためです。
たとえば、DX推進において50代に求められることは以下の事項などが挙げられます。
・豊富な業務経験を基に、ビジネス課題を適切に見極める課題形成力
・企業などの組織内でさまざまな意見を集約し、利害関係を調整・解消しながら方向付けを行う統率力
上記は、IT技術というよりもビジネススキルやヒューマンスキルです。企業のDX化に向けては、ビジネスの変革力や組織力も重要となるため、業務経験の豊富な50代のニーズは高いといえるでしょう。
そのうえで、プログラミングなどのIT技術を習得できると、さらに50代DX人材としての市場価値が高まります。
DX分野で必要とされるITリテラシーとは?
DX分野で必要とされるITリテラシーは多岐にわたります。
たとえば、以下のようなジャンルがあります。 *3
・データ分析
・AI、人工知能
・クラウド
・ハードウェア
・ソフトウェア
・ネットワーク
・デジタルツール活用
・セキュリティ、コンプライアンス
*3 参照元 :DXリテラシー標準 ver1.0 経済産業省
理想は上記のすべてを十分に理解していることですが、最初からすべてを網羅することは容易ではありません。そのため、まずはジャンルを絞って習熟度を高めるとよいでしょう。
また、いずれのジャンルを習得する場合でも、「このIT技術によって社会やビジネスがどう良くなるのか?」という活用視点を持つことも大切です。
50代がDX分野のITリテラシーを習得するメリット3選
ここでは、50代がDX分野のITリテラシーを習得するメリットを3点解説します。
1.現職でのパフォーマンス向上
DX分野のITリテラシーを習得することで、現職でのパフォーマンス向上が期待できます。ITリテラシー向上により、IT担当者との会話がスムーズにできるようになり、社内で活躍できる幅が広がっていきます。
より幅広く活躍することで、社内からの信頼もさらに高まっていくでしょう。
2.転職における市場価値の向上
DX分野のITリテラシーは、転職においても有効です。現在では、ほぼすべての企業がDX人材を求めているといっても過言ではありません。
すでに豊富なビジネス知識やマネジメント力を有している50代であれば、DX分野のITリテラシーを掛け合わせることで、さらに市場価値の高い希少な人材を目指せます。
3.フリーランスなど新しい働き方の実現
人生100年時代のなかで、雇用に捉われずフリーランスとしてセカンドキャリアを歩みたい方もいるでしょう。DX分野のITリテラシーは、雇用や業務委託など契約体系に関係なく必要とされるため、フリーランスなど新しい働き方の実現を後押しします。
DX分野のITリテラシー向上は、一生涯にわたって自由に活躍できる可能性を広げるのです。
DX分野のITリテラシーを高めるために重要な3つのポイント
本章では、DX分野のITリテラシー向上に向けた3つのポイントを解説します。
1.社会や顧客、競争環境の変化にアンテナを張っておく
DX化の目的は社会やビジネス全体の変革であり、IT技術はあくまで手段です。IT技術の手段を効果的に活用するためには、社会やビジネス上の状況変化や課題を常に追うことが重要です。
2.DX推進の手段となるIT技術を勉強する
IT技術は手段ではあるものの、DX化において不可欠な存在となります。効率的にITリテラシーを高めるためには、まずは各IT技術の概念から理解することが大切です。
たとえば「IPアドレス」を理解する場合、まずは「インターネット上の住所」という概念から押さえると理解しやすいでしょう。そして、DNSは「インターネット上の住所(IPアドレス)を人間でもわかるように変換する仕組み」のように概念を掴むと、関連技術も合わせて覚えやすくなります。
DX分野は多岐にわたるため、すべての領域を一度に学習することは困難です。そのため、特に需要の多い領域を優先的に学習することも一案となります。
たとえば、今後さらなる需要が見込まれる人工知能やデータ分析のジャンルで活躍するために、プログラミング言語のなかでもPythonを学ぶ判断は合理的です。
3.IT技術の活用方法を理解する
IT技術自体の学習に加えて、IT技術を使ったツールなどの活用方法を理解することも大切です。
たとえば、近年では自分でソースコードを書かなくてもソフトウェアを作れるノーコード開発などが普及し始めています。IT技術の活用方法を理解することで、ITリテラシーの効率的な向上や業務の生産性向上につながるでしょう。
まとめ:DX分野のITリテラシーを高め、50代以降のキャリアを充実させましょう
いまやDX推進はあらゆる業界で求められ、DX推進ができるIT人材の不足は顕著な社会問題です。DX推進に貢献できる人材は年代に関係なく重宝されます。
DX推進と聞くと難しいIT技術を連想してしまいますが、ITリテラシーに自信のない50代ビジネスマンでも豊富なビジネス経験を活かすことでDX推進に貢献できます。そのうえで、あなた自身のITリテラシーを高めていけば、さらに活躍の幅が広がり貴重なDX人材になれます。
DX推進のITリテラシーを高めるには、社会やビジネス課題を適切に捉えつつ、IT技術の活用方法に習熟していくことが重要です。IT技術を有効活用するうえでは、プログラミングやネットワーク、データ分析など各分野の基礎的な知識が必要となるでしょう。
ただ、50代のビジネスマンがDX分野のITリテラシーを1人で習得することは容易ではありません。適宜サポートを受けながら、モチベーションを維持できる環境に身を置くことが大切です。
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大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格:ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者など。