TGS Radio: ラーニングピラミッドについて
更新日:2021.07.04
はい、高橋与志です!
前回は、うちのスクールの理念「作りたいものを作りながら学ぶ」、それから「好きで稼ぐ」というお話をさせていただきましたけれども、今日はラーニングピラミッドというものについてお話したいと思います。
この概念は、アメリカ国立訓練研究所が開発した理論です。
このピラミッドを見ていただくと、勉強は講義、読書視聴覚、それから実演を見るといった、いわゆるインプットですね。
このインプット型の学習は、定着率・効率が悪い、ということを言っているわけです。
一方で、グループ討論や自ら体験する、それから他の人に教えるといういわゆるアクティブラーニングの方が定着率が高いということが書いてありますね。
自ら体験するっていうのは、うちのスクールで言えば、作りたいものを作りながら学ぶっていうことになりますし、他の人に教えるっていうことで言えば、うちのスクールでも取り入れている半学半教の精神ということになります。
教えるということが一番効果があるアウトプットだということは、私自身体験していまして、自分で本を書いたり、教材を作ったり、クラスで教えたりする立場になりますと、自分の理解が曖昧なところとか、もう少し勉強した方がいいなっていう点が浮き彫りになってくるわけです。
しかも、教えるといういうミッションがあるおかげで、必ず調べたり勉強することが強制されるというのが良い点だと思っています。
ですので、うちのスクールでも、生徒さんに別の生徒さんに教えていただいたり、私に教えていただく。
少なくとも口に出して説明していただくということを行っていただくことで、わかっていたつもりになっていたことが、実際はそうではないということもよくわかったりするんですね。
この素晴らしいラーニングピラミッドっていう概念に今日は、もう一つの視点を加えたいと思っています。
それは何かというと、この人に教える半学半教ということで、90%の定着率になるところを100%にするにはどうすればいいかっていうことなんです。
私は仕事をしてお金を稼ぐっていうことで、100%になると思っています。
つまり、勉強は仕事によってあるいはお金を稼ぐことによって初めて100%になる、ていうふうに考えたらどうでしょう。
もちろん、自分の知的好奇心のための勉強をする、それを深めていくっていうことも否定はしないんですけれども、一般的には、社会に価値をもたらす勉強っていうのは、最終的には世のため人のため、つまり仕事としてアウトプットされると考えています。
仕事を通してお金を稼ぐことこそが、究極のアウトプット学習なんじゃないかなと思います。
仕事を通して社会のニーズや人々の助けになる。
ということを考えると、結果的に何かがそれに対して返ってくるっていうのは、当たり前のように思います。
代表的なものはお金ですけれども、お金以外の目に見えない人々から信用、つまり信頼残高がたまる。
という考え方も取れるんじゃないでしょうか?
つまり、仕事でお金を稼ぐということが最高の勉強の場所であるということもできると思います。
よく、プログラミングの世界で、プログラミングスクールでプログラミングを学んでも、実務経験がないと雇ってもらえない、あるいは実務とスクールで通用するスキルの間に大きなギャップがあると言われたりします。
私もそう思います。
ですから、どうやって実務経験を通じて生きた勉強するか、という手法を開発する必要があります。
今は昔の日本企業のように、職場で丁寧に根気よく勉強を教えてくれたり仕事を通じて育ててくれるという環境ではなくなってきました。
そういう環境の中で私が提唱したいのは、学んでから稼ぐのではなくて、稼ぎながら学ぶというやり方です。
この「学び」と「仕事」を常に往復する、それが永遠に続けられる場所を提供したいというふうに思っています。
うちのスクールの運営団体の名前は、Club86 School&Company と言うんですけれども、スクールとカンパニー、つまり「学ぶ場所」と「仕事をする場所」が一体になっているという場所を作りたいという思いが込められています。
例えば、うちのスクールで学んだ方がうちの先生の講師になるとか、昨日スクールで学んだ方がうちのスクールの教材を作ったり、Webマーケティングの仕事をしたりとか、それでまだ足りないところをスクールで勉強していくっていうような往復をイメージしていただければと思います。
もちろん最初は単価も低いしなかなか仕事も取れないと思うんですけれども、それを少しずつトライしながら、さらにこのスキルが足りないな、あれができたらもっと単価も上がるなっていうのを勉強していくと、「稼ぎながら学ぶ」というのが実現できるんではないでしょうか?
そして、月5万円ぐらい稼げるようになると、その勉強と仕事のサイクルを自分で回せるようになるので、どんどんいい方向に行くと思います。
そしてつまり、あなたの学びのピラミッド、あなた自身のラーニングピラミッドが完成すると思います。
このように、このラーニングピラミッドで仕事と学びを往復して、皆さんの自立、それから自己実現を達成してもらいたいなと思っています。
今日はラーニングピラミッドのお話でした。
またお会いしましょう。
今日はここまでです。失礼します。
1967年生まれ。慶應義塾大学理工学部大学院修士課程卒。英国国立レスター大学MBA取得。2011年「起業家のためのプログラミング教室」Club86 Startup School(現TechGardenSchool)設立 2017年「中高年のためのプログラミング教室」開始 著書「図解 50代からのプログラミング –未開の能力を発掘♪」「教えて♪ プログラミング」など