国内外の企業が取り組むリスキリングの事例集。個人でリスキリングに取り組む事例も。
更新日:2024.05.05リスキリングに取り組む企業が増えています。リスキリングとはどんなもので、なぜ必要なのか。リスキリングと取り入れている企業事例としてはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
リスキリングに取り組んでいる企業があると聞いた。リスキリングとはどんなもので、どのような事例があるか知りたい。
リスキリングとは近年の技術進展のスピードアップに伴い、新しいスキルを社会人になって学びなおすことです。国内外問わず多くの事例があります。個人でリスキリングに取り組む方もいらっしゃいます。
目次
リスキリングとは
リスキリングという言葉が注目されたのは世界経済フォーラム年次会議(通称:ダボス会議)がきっかけとされています。現在では国の会議などでも使われるなど、日本国内においても良く見られるようになりました。リクルートワークス研究所の「リスキリングとは」(2022年2月)という資料によれば、リスキリングとはこれまでになかった仕事についたり、新しい業務をこなすために必要なスキルを習得することとされています。
なぜリスキリングが必要なのか
リスキリングが必要とされる主な理由は二つあります。一つは現在デジタル化やDXにより仕事そして生活が変わっていく段階にあることです。産業革命で起こったような社会の大きな変化がデジタル技術の進展によって現在起こりつつあります。生活様式が変わればビジネスも変わっていき、必要とされるスキルも変わっていきます。そこで新しいスキルを身につける、リスキリングが必要となるのです。日本企業の研修でOJTが良く用いられますが、OJTは現在ある仕事やスキルを先輩や同僚から学ぶ手法なので、VUCAといわれる変化の時代においては不十分と言えるでしょう。
海外のリスキリング事例
アメリカでは2018年7月、国がリスキリングに関する戦略策定などを行う National Council for the American Workerを設立するとともに、Pledge to American Workerへの署名を民間企業へ呼びかけました。後者は2025年までに従業員に対しリスキリングの機会を提供するように呼び掛けたもので、400以上の企業が応じています。リスキリング先進国とも言えるアメリカの事例を紹介します。
AT&T
情報通信・メディア系を中心とするアメリカ合衆国の多国籍コングロマリットであるAT&Tはその従業員のリスキリングにも率先して取り組んでいます。ハードウェア主体の業務からサイエンス、エンジニアリング主体の業務に移行すべく、2013年に「ワークフォース2020」というプロジェクトを立ち上げます。2020年までに10億ドルの予算で従業員10万人をリスキリングするプロジェクトです。リスキリングの結果、技術職の多くを社内人材で充足できた他、リスキリングを受けた従業員は表彰を多く受けたり、離職率が低いという成果も出ています。
Amazon
みなさんも使ったことがあるであろうAmazonは2019年7月にリスキリングプロジェクトを発表します。2025年までに7億ドルの予算で従業員10万人をリスキリングするプロジェクトです。注目すべきはその中身で、既にデジタルスキルを持つ従業員をさらに高度なスキルを学習させるだけでなく、非技術系職種の従業員にリスキリングを施し技術系職種に移行させるコースが含まれる点です。全社的にデジタルスキルの習得に力を入れていることがわかります。
国内のリスキリング事例
アメリカの事例を見てきましたが、最近は国内でも大規模なリスキリングの事例が見られています。国内ではDXと結び付けてリスキリングプロジェクトを展開する事例が多く、情報系企業以外の事例もありますのでぜひご覧ください。
ヤフー
ヤフーでは全社員がAI(人工知能)を活用できるようリスキリングプロジェクトを実施しています。AIテックカンパニーになるという目標を掲げ全従業員約8,000人に対し「Z AIアカデミア」において研修や部署横断的な共有を行っています。
味の素
味の素では2020年に掲げた中期計画においてDXを重要なポイントと位置付け、「DXビジネス人財育成プログラム」と題した人材育成を展開しています。2030年までに全従業員をデジタルスキルを持ったDXビジネス人材へと育成する計画です。
従業員のリスキリングは大手企業を中心に事例が見られますが、まだまだ取り組んでいない企業も多いです。個人でリスキリングに取り組んでいる方もいらっしゃり、IT/プログラミングなどデジタルスキルを教えている当スクールにもそのような生徒様がいます。中高年に特化して今ニーズの高いデジタルスキルを教えていますので関心がありましたら一度無料カウンセリングにお越しください。
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1967年生まれ。慶應義塾大学理工学部大学院修士課程卒。英国国立レスター大学MBA取得。2011年「起業家のためのプログラミング教室」Club86 Startup School(現TechGardenSchool)設立 2017年「中高年のためのプログラミング教室」開始 著書「図解 50代からのプログラミング –未開の能力を発掘♪」「教えて♪ プログラミング」など