休職から直接退職するメリットとデメリット〜将来につなげる方法も解説
更新日:2024.08.19日本ではメンタルヘルスの不調により休職する人の割合が増えており、今も苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。(1)たとえ体調が回復してきたとしても、元の職場に戻るとまた体調が悪くなるのではないかと不安になり、退職を考えている方もいるかもしれません。
休職から直接退職する場合のメリットやデメリット、そして退職後に将来につなげる方法を解説します。
参照元:
(1)総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約.令和5年1月31日.
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf
現在体調を崩して休職中です。元の職場に戻るとまた体調を崩しそうなので退職を考えているのですが、将来が不安です。
休職中にそのまま退職するのは、メリットもありますがデメリットもあります。不調を抱えていると正しい判断ができないこともあるので、まずはかかりつけの医師に相談し、キャリアについても客観的な意見を専門家に求めるのがおすすめです。さまざまな公的支援もありますので利用するとよいですよ。
目次
復職せずに退職するメリット
まずは復職せずそのまま退職するメリットを解説します。
早く体調を回復しなくてはならないというプレッシャーがなくなる
メンタルヘルスの不調に陥る方は責任感が強い傾向にあるといわれています。
そのような方は休職中に「早く職場に戻らないと」とか「休んでいることでほかの人に迷惑がかかる」などと考えがちです。このようなプレッシャーにより、本当は仕事のことを忘れて休まなくてはいけないのに、十分休めない状態になるかもしれません。
退職すれば職場に戻らないといけないというプレッシャーから逃れられ、より治療や仕事復帰のための活動に専念できるでしょう。
参照元:
バイバイ退職.”会社を「休職」「退職」どっちを選ぶ?
メリット・デメリットから受ける影響を解説!”.2022-10-30.
https://byebye-taisyoku.com/truble/retirement-leave/
環境を大きく変えられる
メンタルヘルスの不調を引き起こす原因の1つに人間関係があります。
たとえ休職によって調子が改善されても、不調に陥った原因が取り除かれないと復職後にまた同じ不調に陥るかもしれません。
退職を選択すれば環境を一新し、より楽に生きられるようになる可能性があります。
参照元:
バイバイ退職.”会社を「休職」「退職」どっちを選ぶ?
メリット・デメリットから受ける影響を解説!”.2022-10-30.
https://byebye-taisyoku.com/truble/retirement-leave/
退職金や失業手当が支給される
休職中の大きな悩みの1つが収入。長期の休職になると傷病手当の支給期限が切れ、収入がゼロになることもあるでしょう。
退職すれば退職金や失業手当が支給されるため、一時的ではありますが収入を得られます。
参照元:
転職サファリ.”仕事を辞めて貰えるのは失業手当だけじゃない!
知って得するお金の話”.2020-08-24.
https://tenshoku-web.jp/taishoku-moraeru/
復職せずに退職するデメリット
復職せずに退職する行為にはメリットもありますがデメリットもあります。
収入源がなくなるかもしれない
退職しなければまた元の職場に戻って収入を得られる可能性が高いですが、退職してしまうと職がない状態からスタートしなければなりません。
必ずしも希望の条件に合致する仕事にすぐに就けるとは限らず、無収入の期間が生まれる可能性があるでしょう。
社会からの疎外感を覚える
退職することで復職へのプレッシャーがなくなる一方で、肩書きがなくなって社会からの疎外感を覚えるかもしれません。
社会に何も貢献できていない自分が嫌になったり、無職という肩書きのまま人に会いたくなくて引きこもったりと、心理的なストレスを受ける可能性があります。
参照元:
ハタラクティブ.”会社を辞めたあとにすることは?
退職後の生活に必要な手続きをご紹介”.2022-08-18.
https://hataractive.jp/taishoku/2627/
キャリアに空白期間が生まれる可能性
退職から再就職までに時間が空いた場合、履歴書の職歴欄に空白の期間が生まれます。
休職後の就職活動はもちろん、その後の転職活動でも希望先の会社からその点を指摘されるかもしれず、就職/転職活動上不利になるかもしれません。
参照元:
ひよりの退職相談所.”【復職は難しい?】
休職のメリット・デメリット【退職前提ならアリ!】”.
https://isohiyodori-fp.com/kyusyoku-merit-demerit/2021/08/18/
専門家と相談して検討するのがおすすめ
メンタルヘルスの不調に陥っている状態だと物事を悲観的に捉えがちになり、正しい判断ができない可能性があります。休職から直接退職すべきか、それともそのまま休職を続けるかは専門家と相談して検討するのがおすすめです。
かかりつけ医
自分の今の状態を最もよく客観的に把握しているのはかかりつけ医です。
現在の意向をかかりつけ医に話し、それが正しく判断できたものなのか、それとも不調の影響によって左右されたものなのか相談してみるとよいでしょう。
キャリアカウンセラー
病院の中にはキャリアカウンセラーを紹介してくれるところがあります。キャリアカウンセラーは相談者との対話によって望ましいキャリアの選択・開発を支援する専門家です。
病院が紹介してくれるキャリアカウンセラーなら現在の不調のことを理解したうえで相談に乗ってくれますし、かかりつけ医との連携も期待できるでしょう。
参照元:
日本キャリア開発協会.”キャリアカウンセラーとは”.
https://www.j-cda.jp/cda.php
公的支援機関
日本にはさまざまな公的支援機関が存在し、メンタルヘルスの不調による休職からの復帰を支援する機関も多数用意されています。
具体的には以下の6つの機関の利用がおすすめです。
1. 精神保健福祉センター:本人、家族からの精神衛生に対する相談を受け付けている機関
2.就労移行支援事業所:病気や障害を持っている方向けに就労支援をおこなっている機関
3. ハローワーク:職業相談、職業訓練、求人情報の提示をおこなっている機関
4. 地域障害者職業センター:メンタルヘルスを含む障害を抱える方向けに職業評価、復職支援、職業訓練 などの専門的な職業リハビリテーションサービスを提供している機関
5. 障害者就業・生活支援センター:就労だけでなく金銭管理や住居などさまざまな相談をおこなえる機関
6. 復職支援(リワークプログラム):メンタルヘルスの不調で休職中の方向けに復職支援や再発防止のた めのプログラムを実施する機関
参照元:
キズキビジネスカレッジ.”うつ病の方が利用したい、仕事復帰・転職のための6つの支援”.2020-10-29.
まとめ
休職から直接退職するとさまざまなメリットを受けられる一方、デメリットも多く引き受けなくてはなりません。
重要なのは一人で考えて決めるのではなく、かかりつけの医師に相談し、キャリアについては専門家による客観的な意見を聞いたうえで決めることです。
公的機関の支援も受けながら、自分にとってベストな道を探してみてください。
次に読みたい
テックガーデンスクールでは多くのIT初心者の50代やシニアに対しプログラミング教育を行ってきました…
定年後に役立てるために新しく学ぶなら、ITスキルがおすすめです。一口でITスキルと言っても、IT系…
中高年のセカンドキャリア形成に役立つ無料コンテンツもあります!
無料メール講座 「50代会社員がプログラミングで月5万円稼ぐ方法」
旧帝大大学院でCPU設計の研究をおこなう。大手半導体メーカーでHW/SWの研究開発に長年従事、アメリカの大学へ留学も経験する。 現在は合同会社エーズテックの代表として半導体製品のHW/SW設計を請け負うかたわら、Webライターとしても活動をおこなってる。