顧客分析などのマーケティングに必要なデータ分析は予測と可視化:50代の学び方も解説
更新日:2024.02.23顧客行動の多様化が進む近年では、データ分析はマーケティングにおいてとても重要です。データ分析を活用したマーケティングに関心のある方のなかには、「データ分析スキルを学んでマーケティングに活かしたい」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、マーケティングに必要なデータ分析やスキルの学び方、セカンドキャリアでの活かし方について解説します。
50代会社員です。DX化の波に乗り遅れないよう、データ分析をできるようになりたいと思っています。実務で少しマーケティングに関わっているので、データ分析が活かせるマーケティング分野と、それに必要なデータ分析について知りたいです。
データ分析が活かせるマーケティング分野としては、Webマーケティング分野や顧客マーケティング分野が挙げられます。Web上のデータや顧客データを定量的かつ客観的に分析することで、効果的なマーケティング施策の導出が可能です。マーケティングに必要なデータ分析スキルとしては、たとえばクロス集計分析やクラスター分析、ロジスティック回帰分析などが代表的です。加えて、データ分析ツールを使うスキルやプログラミングスキルも大事なスキルとなります。
目次
結論:顧客分析などのマーケティングに必要なデータ分析は予測と可視化
データを予測、可視化し、マーケティング施策につなげるデータ分析はマーケティング分野での必須のスキルです。Excel(エクセル)VBAやPython、Power BIなどのツールを組み合わせて、データ集計・データ分析・機械学習を通じて予測と可視化を行います。
データ分析の手法には以下のものがあります。
・クロス集計分析
・クラスター分析
・ロジスティック回帰分析
50代でもデータ分析スキルを学ぶことで、セカンドキャリアの選択肢が広がります。実務でExcel(エクセル)VBAなどを使いながら学び、必要に応じて書籍や動画、スクールを活用しましょう。また、Python3 エンジニア認定データ分析資格などの取得を目指した学習もスキル獲得に役に立ちます。
マーケティングに必要なデータ分析とスキル
マーケティングに必要なデータ分析のスキルとしては、おもに以下のポイントが挙げられます。
・ビジネスやマーケティングの知識
・データ分析の技術的なスキル
・ITスキル
データ分析が必要なマーケティングでの場面とは
データ分析が必要なマーケティングでの場面の例として、自社のWebページなどを検索上位に表示させるために、検索キーワードや関連キーワード、共起語などのビッグデータ解析を行うなどのSEO対策があります。 これらのデータ分析をすることで、競合がまだ十分に手をつけていないキーワードを抽出することにもつながり、マーケティング強化に役立つでしょう。
またデータ分析を行い、顧客ターゲットを絞り込む場面も考えられます。限られた予算のなかで効率的なマーケティングを実施するためには、データ分析によって費用対効果の高い顧客セグメントを割り出すことがポイントであるといえます。 メインとする顧客セグメントに対し、どのような広告・チャネル(SNS広告、バナー広告、店頭チラシなど)が効果的であるのかを判断するうえでも、データ分析による定量的な理解が重要です。
マーケティングに必要なデータ分析スキル
マーケティングに必要なデータ分析スキルにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な以下のスキルについて解説します。
・クロス集計分析
・クラスター分析
・ロジスティック回帰分析
クロス集計分析 (可視化)
クロス集計分析とは、アンケートの回答結果などに対して、縦軸と横軸を使って複数の項目で集計する分析です。
たとえば、商品・サービスに対する満足度の点数を横軸に取り、顧客の年代を縦軸に取るとします。この場合、満足度の点数を単純に集計するだけでなく、どの年代で満足度が高いのか(低いのか)を判断することも可能です。
このように、クロス集計分析は、項目同士の関係性を分析するうえで効果的な分析スキルです。
クラスター分析 (可視化)
クラスター分析とは、大きなデータ集団のなかから、似た者同士を集めてグルーピングする分析です。顧客のグルーピングなどに活用できます。
たとえば、自社の商品・サービスのリピート率において、顧客のリピート率を「高い」「普通」「低い」の3つにグルーピングできたとします。その場合、リピート率の高い顧客グループの共通点や行動様式などを分析することで、顧客属性とリピート率の相関関係を導くことが可能です。
ロジスティック回帰分析 (予測)
ロジスティック回帰分析とは、さまざまな要素を基に、特定の結果が起こる可能性を予測する分析です。
商品購入を例に考えると、顧客の住まいや年収、家族構成、趣味といったさまざまな要素を分析して、商品を購入する可能性を予測します。
ロジスティック回帰分析を活用することで、たとえば新商品を発売した際に購入確率の高い顧客層を割り出し、効率的なマーケティングにつなげることが可能です。
データ分析ツールとプログラミングスキル
データ分析を行ううえでは、データ分析ツールを使うスキルも求められます。具体的には、データ分析ツールを使って実際にデータを収集、加工、分析、可視化するためのスキルです。データ分析ツールとしては、PythonやExcel VBA、Microsoft PowerBIなどが挙げられます。
また、データ分析においては、プログラミングスキルも大切です。たとえば、前述したPythonやExcel VBAもプログラミング言語の一種であり、それぞれデータ分析を行う際には必要なコードを記述します。プログラミング言語にはさまざまなものがありますが、条件分岐や繰り返しといった処理の考え方は共通的であるため、1つの言語を習得すれば応用が利きます。
マーケティングにデータ分析を導入する必要性
マーケティングはもともと「売れるための手段・仕組みづくり」であり、インターネットが普及するまではチラシやテレビ、ラジオなどの媒体を使ったマスマーケティング型の宣伝が主流でした。
一方で、WebサイトやSNSなどのデジタル化が進んだ現代では顧客行動が多様化し、マスマーケティング型の宣伝だけでは通用しにくくなっています。顧客の行動や嗜好を正しく把握し、顧客ニーズに合った適切なマーケティングを実行するためには、データ分析に基づくマーケティングが求められているのです。
市場の飽和や顧客行動の多様化が顕著な近年では、経験や勘だけに頼ったマーケティングでは限界があります。データを基に顧客ニーズを捉え、マーケティング施策につなげることが不可欠です。
マーケティングに必要なデータ分析スキルの学び方
それでは、マーケティングに必要なデータ分析スキルはどのように学べばよいのでしょうか。ここでは、データ分析スキルの効果的な学び方を解説します。
まずは小さくても良いから実務のなかで使っていく
データ分析スキルを早く習得するコツは、実際の業務のなかでデータ分析ツールを使ってみることです。まずは小さな部分からでも良いので、実務のなかで活用してみましょう。
たとえば、Excel VBAを使って、部署内の売上データや顧客データを表形式にまとめる実践や、データをグラフ化する実践などが効果的です。
使ってみてわからないことがあれば、書籍や動画、スクールで学ぶ
Excel VBAなどを実務のなかで使ってみると、わからないことも多く出てくるでしょう。不明点などが出てきた際は、わからない部分に対して書籍や動画を使って学習することが効果的です。
漠然と書籍や動画を眺めているだけではあまり頭に入ってこない内容でも、実務で生じた不明点であれば集中して学習できるでしょう。
もし書籍や動画を使ってもわからない部分があれば、講師から直接教えてもらえるスクールなどの受講も検討してみることがおすすめです。
データ分析の資格を取得する
データ分析の資格を取得することも効果的です。たとえば、データ分析の資格として、Python3 エンジニア認定データ分析試験があります。本試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催するPythonを使ったデータ分析の資格です。
本試験の合格に向けて勉強することで、データ分析スキルの効率的な習得につながるでしょう。
Python3 エンジニア認定データ分析試験の詳細について興味のある方は、以下の公式サイトをご確認ください。
https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist
また、データ分析の資格を取得については、記事:「50代Python資格はPython3 エンジニア認定データ分析試験で決まり!:試験合格対策とセカンドキャリアでの活用法」をご参照ください。
Python3 エンジニア認定データ分析試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運…
セカンドキャリアでの活かし方
データ分析スキルのセカンドキャリアでの活かし方としては、おもに以下のパターンが考えられます。
・データ分析ができる人材として転職をする
・フリーランスとして独立し、案件を獲得する
データ分析ができる人材として転職をする
まず、データ分析ができる人材として転職をする方法が挙げられます。50代会社員のなかには「今から転職するのは難しいのではないか?」と考えている方も多くいます。しかし、データ分析スキルを習得した人材であれば、年齢に関わらず転職することは可能です。
ほとんどの企業や組織でDX化の推進が行われている現代では、データ分析による業務効率化ができる人材は貴重な戦力になります。習得したデータ分析スキルをアピールすることで、転職の際に有利に働くことが期待できるでしょう。
フリーランスとして独立し、案件を獲得する
セカンドキャリアの選択肢としては、企業に所属せずにフリーランスとして活躍する方法もあります。データ分析スキルを習得することで、フリーランスとしてデータ分析を使った業務効率化などの案件を獲得することが可能です。
フリーランスの場合は、なおさら年齢制限などがないため、50代会社員の方でも今後フリーランスとして活躍するチャンスは大いにあります。
Excel VBAなどのスキルをある程度習得したら、クラウドワークスなどで応募できそうな案件があるかどうかを確認してみるのもよいでしょう。
まとめ
DX化に伴い、年齢や立場に関わらず学び直しの必要性が高まっており、特にデータ分析は今後ますます重要となるスキルであるといえます。マーケティングにおいても、デジタル化により顧客行動の多様化が進む近年では、顧客ニーズをデータで正しく捉えてマーケティング施策につなげることが必要です。
データ分析が必要なマーケティング分野としては、Webマーケティング分野や顧客マーケティング分野などが挙げられます。そしてマーケティングに必要なデータ分析スキルは、クロス集計分析やクラスター分析、ロジスティック回帰分析などが代表的です。加えて、PythonやPower BIなどのデータ分析ツールを使うスキルやプログラミングスキルも求められます。
データ分析スキルを習得するためには、まずは小さくても良いから実務のなかでExcel VBAなどのツールを使ってみることがポイントです。そして使ってみてわからないことがあれば、書籍や動画、スクールで学ぶようにしてみましょう。また、データ分析の資格を取得することも有効です。
データ分析スキルを習得できれば、転職やフリーランスとしての独立など、セカンドキャリアの選択肢が広がります。
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大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格:ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者など。