事務職のプログラミング習得はExcel VBAがおすすめ！習得メリットも解説
更新日：2023.04.03
事務職に従事している方は、日々のデータ入力や集計など、膨大な業務をこなさなければなりません。プログラミングなどのITスキルを習得して、なんとか事務作業の効率化を実現したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、事務職におすすめのプログラミング言語やプログラミングを習得するメリットなどを解説します。
50代会社員です。会社では事務職を担当しています。日々の業務に非効率性を感じており、なんとかITを使って業務効率化ができないか考えています。ただ、私にはITスキルや経験がなく、プログラミングもわかりません。こんな私でもプログラミングは習得できるのでしょうか。事務職でもプログラミングを習得できるのか、また、事務職にプログラミングは役に立つのかを知りたいです。
事務職でITスキルや経験に自信がない方でも、プログラミングの習得はできます。プログラミングにはさまざまな言語があり、用途や難易度もさまざまです。事務職の方であれば、Excel VBAを習得するのがおすすめです。Excel VBAはプログラミングのなかでも学びやすく、事務作業の効率化や転職市場価値の向上、フリーランスでの案件獲得などにつながります。いきなりExcel VBAに抵抗がある方は、まずはExcel関数から学んでいくのもよいでしょう。
目次
事務職の業務に役立つプログラミングとは
はじめに、事務職においてどのような業務がプログラミングと相性が良いのかを解説し、次におすすめの言語としてExcel VBAについて紹介します。
プログラミングと相性の良い事務業務とは
経理などいわゆる事務職でプログラミングと相性の良い業務は、データの収集や加工、グラフ作成などの可視化、自動化など、データ分析や業務効率化が求められている業務となります。
DX化の進む近年、ビジネスにおいてデータ活用や自動化などの業務効率化の取り組みが進んでいることから、データ分析・業務効率化ができる人材のニーズが高まっています。そのため、たとえ専門的なスキルを保有していない事務職の場合でも、これらの業務にプログラミングを活用することが求められつつあります。
事務職におすすめのプログラミング言語
さまざまあるプログラミング言語のなかで、事務職におすすめなのはExcel VBAです。Excel VBA（Visual Basic for Applications）とは、Excelの処理の自動化や機能の拡張ができるプログラミング言語です。
Excel VBAを使うことで、事務や経理に多いデータ入力作業や集計作業などを効率化・自動化できます
Excel VBAはプログラミング言語のなかでも比較的シンプルな構文となっており、プログラミング経験がない方でも習得しやすい言語と言えます。 また事務職の方にもExcelは馴染みがあるため、とっつきやすいのもメリットです。
Excel VBAで業務効率化を体験された後に、PythonやRPAなど他のプログラミングの仕組みに進まれるのがおすすめです。
事務職がプログラミングを習得するメリット
前章では、事務職の業務に役立つプログラミングとおすすめのプログラミング言語がExcel VBAであることを紹介しました。ここからは、事務職がプログラミングを習得するメリットについて解説します。
「経験ｘIT」で50代でも差別化できる
一般的に事務職といっても様々な業界や職種に分類されます。
食品業界
製薬業界
銀行業界
保険業界
など
営業事務
経理事務
人事事務
コンプライアンス事務
など
あなたが長年働いてきた業界や職種には、特有の専門知識が必要です。 例えば
「食品業界」ｘ 「営業事務」
では、食品の卸やスーパーなどでの流通の知識といった業界の知識、 食品の受注からプロモーション時の値引きなどの営業の知識がないと仕事ができないと思います。
これだけでも年齢が20−30代であれば転職するのに十分かもしれませんが、50代では厳しいことはご存知の通りです。
しかし、これにIT，プログラミングを使った業務効率化スキルが加われば、50代でも十分に差別化でき、お仕事を見つけるための武器となります。
これが 50代会社員におすすめの「経験ｘIT」戦略です。
セカンドキャリアの選択肢が広がる
このように「経験ｘIT」で差別化できると、セカンドキャリアの選択肢が大きく広がります。以下の４つの選択肢になりますが、以下ではExcel VBAのスキルを例にご説明します。
①現在の仕事に活かす
②新しい職場に転職する
③派遣社員時給アップ
④フリーランスや副業での案件獲得
①現在の仕事に活かす
Excel VBAを習得することで、現在の事務職の仕事に活かせます。事務職の仕事では、データ入力作業や集計作業が多く、取り扱うデータの量が多いと大きな手間がかかってしまいます。
たとえば、企業の売上データを地域別や項目別に集計する作業を行う場合、すべて手作業で地域別や項目別に集計すると多くの時間が必要です。
これに対しExcel VBAを活用すれば、あらかじめ指示したとおりの形式でデータ集計を自動化することが可能です。
従来の手作業よりも大幅に時間を短縮でき、作業効率化を実現できるでしょう。
②新しい職場に転職する
Excel VBAを習得することで、新しい職場に転職しやすくなることもメリットです。Excel はほとんどの企業で利用されているため、Excel VBAを活用した作業効率化は汎用性の高いスキルとなります。
現在の職場ではやりがいを見出せない方や、別の職場で新たな経験を積みたい方もいるでしょう。
Excel VBAを習得すれば、職場に依存しない働き方も実現できます。
③派遣社員として時給アップ
事務職に従事している方のなかには、派遣社員など非正規雇用の方もいるでしょう。派遣社員の場合は、Excel VBAを習得することで時給アップにつながります。
パソナのサイトにExcelデータ業務の時給とスキルの関係が載っておりますので、こちらもご参照ください。
参照：Excelスキルを活かして働く PASONA
https://www.pasona.co.jp/feature/desk/pc/
派遣社員は、正社員と違って固定給ではなくスキルに応じた時給単価であることが一般的です。
Excel VBAを習得してより効率的に作業を遂行できるようになれば、あなた自身の事務スキルやITスキルが上がるため、結果として時給アップを実現できる可能性が高まります。
④フリーランスや副業での案件獲得
現在では働き方が多様化しているため、正社員や派遣社員の他にも、フリーランスや副業で稼ぐ人も増えてきています。フリーランスや副業の場合は、Excel VBAを習得することで案件獲得につながるでしょう。
フリーランスや副業向けに募集している案件のなかには、Excel VBAを使ったデータ集計などの業務も多くあります。
Excel VBAを習得すれば、今までは応募できなかった案件にも応募できるようになり、新たな収入源の開拓が可能です。
参考までに、これまでパソコンにすらほとんど触れたことのなかった方が、ITスキル習得によって在宅フリーランスになった以下の事例を紹介します。 注）Excel VBAの事例ではありません。
引用
これまでほとんどパソコンに触れたこともなかった、という城間さん。リスキリングによって経営システムのデータを管理するスキルを習得。
システムのエラーチェックなどを担うエンジニアへと転身し、現在週4日在宅で働いています。
引用終
参照：NHK クローズアップ現代 2023年2月8日(水)
「収入アップ？いつ学ぶ？ リスキリングは職場に浸透するか」
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4749/
上記の事例のように、これまでほとんどスキルのなかった方でも、学習することによって新たな仕事や働き方を実現する機会を掴むことができるのです。
Excel VBAを習得するのが難しい場合は？
これまでプログラミングやExcel に関わってこなかった事務職の方にとっては、「Excel VBAですら難しい」と感じる方もいるのではないでしょうか。
そのような事務職の方は、まずはExcelスキルを磨くことから始めていくことをおすすめします。Excelだけでも、データを計算するための関数や条件に応じたIF文の設定などができるため、ある程度の自動化や効率化は可能です。
Excelスキルを磨き、ある程度慣れてきたらExcel VBAに挑戦してみるのもよいでしょう。
まとめ
事務職でプログラミングと相性の良い業務は、データの収集や加工、グラフ作成などの可視化、自動化など、データ分析や業務効率化が求められている業務となります。
DX化の進む近年、ビジネスにおいてデータ活用や自動化などの業務効率化の取り組みが進んでいることから、データ分析・業務効率化ができる人材のニーズが高まっています。そのため、たとえ専門的なスキルを保有していない事務職の場合でも、これらの業務にプログラミングを活用することが求められつつあります。
事務職でプログラミングによるスキルアップを目指す方は、まずはExcel VBAから始めることがおすすめです。Excel VBAは比較的簡単に習得できるだけでなく、事務や経理と相性が良いため、短時間で作業効率化などの成果を実感しやすいです。
このように、アマチュアレベルであっても「経験ｘIT」の戦略でかなりの差別化ができ、職場での生産性アップや転職市場価値の向上、時給アップ、フリーランスや副業での案件獲得など、セカンドキャリアの選択肢を広げることが可能になります。
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大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格：ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者など。
