DX教育は50代にも必要なのか?DX教育を受ける際のポイントとともに解説
更新日:2024.03.31企業競争の激化やIT技術の急速な進歩などにより、今ではあらゆる組織や企業で「DX」がキーワードとなっています。そして、DX推進を担う人材教育は重要な課題です。しかし、50代のビジネスマンにとっては、「今さら教育DXについていける自信がない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、DX教育の主な内容や50代におけるDX教育の必要性、DX教育のポイントなどを解説します。
50代会社員です。社内でも「DX」がキーワードのように飛び交い、DX人材の教育が重点課題の1つとなっています。ただ、定年の近い50代の自分にもDX教育は必要なのでしょうか。残りの会社生活に必要なことなのか?セカンドキャリアを考えるうえで重要なのか?不安な気持ちもあるので教えていただきたいです。
人生100年時代かつ変化が激しい現代では、50代でも常に学び続けることが重要です。DX教育は、残りの会社生活および定年後のセカンドキャリアにとって必要性の高いテーマだといえるでしょう。DX教育を受けることで、仕事の生産性向上やビジネス発想力向上、幅広いセカンドキャリアの開拓などに役立ちます。
目次
DX教育は日本社会のあらゆる組織や企業にとって重要なテーマ
前記事「【50代DX人材】DX推進において50代に求められるITリテラシーとは?」で述べたように、DXの定義およびその教育内容については経済産業省の文書では以下の様になっていましたよね。
以下引用
DXの定義
”「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」”
教育内容
”・データ分析
・AI、人工知能
・クラウド
・ハードウェア
・ソフトウェア
・ネットワーク
・デジタルツール活用
・セキュリティ、コンプライアンス ”
引用終
引用元:
経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
DXリテラシー標準 ver1.0 経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/DX_Literacy_standard_ver1.pdf
簡単に言うと、IT技術を活用しながら社会やビジネス全体を変革する取り組みがDXだといえたとえばクラウドサービス(SaaSやPaaSなど)の仕組みの理解や、ソフトウェアを作るためのプログラミング的思考の理解などがDX教育の主な内容となるでしょう。
DX推進においては、レガシーシステムの刷新やIT人材不足が大きな課題です。特に人材不足に関しては、DX推進を担うIT人材不足が2025年に約43万人まで拡大する見込みであると経済産業省が唱えています。
このような背景から、IT人材を育てるDX教育が急務となっています。
DX教育は50代にも必要なのか?
若手世代を連想しがちなDX教育ですが、50代のベテラン層にとってもDX教育は必要です。なぜなら、50代がDX教育を受けることで、以下に挙げるようなメリットを享受できるからです。
・ITリテラシーが向上し、会社業務の生産性アップが見込める
・若手社員やエンジニアと会話ができるようになり、仕事がよりスムーズになる
・豊富な業務経験と組み合わせることで、新たなビジネスアイデアにもつながる
・デジタルやITへの苦手意識が薄れ、ビジネスマンとしての自信が一層高まる
・変化が激しい時代のなかで、定年後のセカンドキャリアにも役立つ
DX教育と聞くと抵抗を感じてしまうかもしれませんが、DX教育は現在の会社業務および転職市場における人材価値、定年後のセカンドキャリアのすべてにプラスに働きます。ぜひ前向きに捉えていきましょう。
50代がDX教育を受ける際のポイント
とはいえ、50代がDX教育を受けるのは簡単ではないでしょう。学習効率を高めるためには、以下3つのポイントを意識しながら学習することが有効です。
1. PCとインターネットの使い方にまず慣れる
まずは、PCとインターネットの使い方に習熟することがポイントです。ITリテラシーの中の基本中の基本ですが、意外とこの基本的な段階でつまずく場合もあります。
たとえば、以下に当てはまる人も多いのではないでしょうか。
・PCソフトはMicrosoft Officeくらいしか使えない
・Webブラウザの利用方法も十分理解しているとは言い難い
・全角・半角の区別やファイルのダウンロード・保存方法がよくわからない
スマホ依存が進んでいることで、プログラミングのための基本的なPCの使い方がわからない人が年齢問わず増えているのです。
2. 今流行りの動画中心のインプットは中高年には向いていない
動画に頼りすぎないこともポイントです。たしかに動画学習は、映像があってわかりやすく、いつでもどこでも学べて便利です。しかし、動画を見るだけで満足し、実際に手を動かさない人がほとんどであるのが実態です。
いざ手を動かそうとした際も、始めた途端にトラブルが発生してつまずいてしまいます。動画自体は有効ではありますが、動画を使う場合でも、実際に手を動かすところを「その場」で見守ってくれる、子供の家庭教師のようなスタイルが50代には必要です。
3. 初めにDXの全体像と目的を把握すると安心
具体的な学習を始める前に、最初にDXの全体像と学ぶ目的を把握すると安心できます。50代会社員はビジネス経験が豊富であるがゆえに、学習したDXの知識やスキルがビジネスにどのように役立つのかが気になるはずです。ビジネスとの関係性や学習目的が自分で腹落ちできないと、途中で学習をやめてしまうことになりかねません。
また、全体像の中で自分がいまどこを勉強しているかが明確であれば、安心して学習に打ち込めるでしょう。
50代ではどのくらいのDX人材レベルになればよいのか?
DXではさまざまなIT技術が求められますが、必ずしも50代からIT専門家を目指す必要はありません。基礎的なIT理解ができるだけでも、業務担当者とIT担当者の橋渡し役や、業務運用に対する改善点を見つけるきっかけにもなります。
一例として、経済産業省のDXリテラシー標準では、DXリテラシーを身につけた人材イメージを以下のように示しています。
”50代製造・開発部門「私の業務知識と新しく身につけたDXリテラシーを掛け合わせて、何か新しいことにチャレンジできそうだ」 ”
引用元:DXリテラシー標準 ver1.0 経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/DX_Literacy_standard_ver1.pdf
このように、DX教育によって新たな発見やチャレンジにつながるだけでも十分な成果といえるでしょう。
まとめ:DX教育を通じて、50代以降のキャリアの可能性を広げましょう
社会全体で重視されるDX推進では、IT人材不足が顕著な問題です。年代に関係なくDX教育を受け、DXリテラシーを高めることが求められています。IT構造の理解やプログラミング学習などのDX教育を受けることで、会社業務の生産性向上や転職市場価値の向上を図れるでしょう。加えて、定年後のセカンドキャリアをより自由化することも期待できます。
効率的にDX教育を受けるためには、PC・インターネットの習熟度向上や動画と実演を組み合わせた教育、学習の全体像と目的の把握などが重要です。DX教育によってDXリテラシーを高め、50代以降のキャリアの可能性を広げていきましょう。
50代のDX教育には、TechGardenSchoolがおすすめ
DX教育は重要であるものの、50代のビジネスマンがDXに関する知識を独学で習得することは容易ではありません。適宜サポートを受けながら、モチベーションを維持できる環境に身を置くことが大切です
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大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格:ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者など。