転職面接でキャリアプランを聞かれた場合の答え方、50代は経験とスキルを組み合わせて回答せよ
更新日:2024.05.19転職面接でキャリアプランを尋ねられた際、しっかり事前準備ができていない限り多くの人が焦ってうまく答えられないのではないでしょうか。しかし、キャリアプランは採用の合否を左右する重要な要素の一つです。その場しのぎの適当な回答では不合格に繋がることもあります。この記事では、転職面接でキャリアプランが聞かれる理由から具体的な回答例までを詳しく解説していきます。
転職面接が迫っています。50代の転職ではキャリアプランについてよく質問されると聞きました。どのように回答したら良いでしょうか。
50代の転職面接ではミスマッチを防ぐためにキャリアプランの質問が頻出します。模範的な回答としてはこれまでの経験とスキルを踏まえて企業に貢献するキャリアプランを提示することです。職種別の回答例もご紹介します。
目次
結論:転職面接でキャリアプランの質問には「これまでの経験とスキルを踏まえた企業に貢献できるプラン」を提示できるかが転職成功のカギ!
50代の転職面接ではキャリアプランについて尋ねられることが多いです。
キャリアプランは「これまでのキャリアで培った経験やスキルを踏まえ、セカンドキャリアに向けての学び直しとして新しい知識やスキルを身に付ける」という設計方法がおすすめです。
また面接での質問は「希望企業で求められているポジションを認識したうえで、それに沿った分野で経験を積み、企業に貢献できるキャリアプラン」を回答しましょう。
自分自身が希望企業でどのような人材として活躍できるか、自己理解と具体的なプランの提示が転職成功のカギとなります。
50代の転職面接でキャリアプランが重要と言われている理由とは
キャリアプランの重要性についてはこれまでも何度か当ブログ内で解説してきました。転職面接でのキャリアプランの回答例を考える前に、まずは面接官に求められるキャリアプランとはどんなものか、要点を押さえることが大切です。 以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみて下さい。
記事「50代会社員の転職活動に必須のキャリアプランとは?理想のキャリアを実現するためしっかりと作ろう」
記事「キャリアプランが思いつかない。そんなときは、今までの経験・スキルを棚卸しをし、足りない部分は学び直しで身につける」
50代の転職面接でキャリアプランについて良く聞かれるのには理由があります。
ポテンシャル採用が中心となる20代の面接とは異なり、これまでの実績や能力が重視されるのが50代転職の特徴です。
管理職層として入社するからこそ部下をけん引する人材としてどのようなキャリアプランを持っているのか、採用担当者は非常に興味を持っています。
求人情報サイト『ミドルの転職』が転職コンサルタントを対象に実施した「定年延長によるミドル・シニアの活用」について実施したアンケートでは、43%が「50代を対象とした求人が増えている」と回答する一方、「企業が50代の活用策を考えられていない」という回答も多く見られました。
逆に言えば、企業・求職者双方が納得するキャリアプランを提示することができれば、企業側に自らの活用策を示すことに繋がり、採用の確率をグッと上げることができるでしょう。
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理由①企業側が考えるキャリアプランと求職者の希望が合っているかを確認するため
転職面接でキャリアプランが聞かれる最も大きな理由の一つめは「求人を出している企業側の希望と求職者の希望が合っているかを確認すること」です。
50代の採用では、企業側には「若手を引っ張る存在が欲しい」「これまでに得た業界の知見を活かして業務をしてほしい」など直近の希望と、「将来は役員候補になってほしい」「現場のことを何でも任せられるリーダーになってほしい」など将来的な人材配置を含めた希望があります。
これら企業側の希望と、求職者側が「転職後にどうありたいか」という希望がマッチしているか、面接の段階ですり合わせを行っているのです。
他にも、あなたが企業の募集業務について正確に把握しているか、求めているポジションを理解しているか、入社後の働き方のイメージができているか、入社してすぐに転職してしまわないか、などについても推し測っています。これらの質問にも明確に答えられるようにしっかりと準備していきましょう。
年代的にも双方採用・転職で失敗したくないもの。そのため、50代の転職では企業側も慎重にキャリアプランの確認とすり合わせを行っています。
理由②自立的にキャリアプランを考えている人かどうかを確認するため
二つ目の理由は、求職者が自分自身のキャリアを考えてプランニングしている人かどうかを確認するためです。ひと昔前までは「就社」とも言われ、一度就職した会社に職業人生を任せるという人も多くいました。
現在では社会状況や企業の在り方も変化が見られ、社員一人一人が自分でキャリアプランを考えることが求められています。企業側としても転職後、企業におんぶにだっこの社員をフォローし続ける余力はありません。給与水準が高くなってくる50代社員であればなおさらです。
そのため、求職者が自己分析できている人材か、期待された職務を果たし企業を成長に導いてくれる存在か、あなたの仕事に対するポテンシャルをキャリアプランの観点から探っています。これが転職面接でキャリアプランについて頻繁に質問される理由です。
50代がキャリアプランについて考えるメリット
キャリアプランを構築することには多くのメリットがあります。「面接対策のため」と、その場しのぎで適当に作成するのではなく、自身の将来に向けた重要なステップと捉えてしっかり作成することが大切です。
仕事に対しての自己意識が高まる
キャリアプランを詳細に考えることで、仕事に対しての自己意識が向上するでしょう。具体的にどんなメリットがあるか、4点ご紹介します。
日々の仕事にやる気が出る
キャリアプランを明確にすることで、自分の目標や価値観が理解しやすくなります。これにより、自然と仕事に対するモチベーションが高まり、日々の業務に取り組む意欲が増すでしょう。
自分が今やるべきことが明確になる
キャリアプランを考えることで自分のスキルや得意分野を整理できます。
今後のキャリアの方向性が明確になるため、自分が今やるべき具体的な行動計画を立てやすくなるでしょう。
状況の変化に動じない「自分の軸」を持てる
キャリアプランを持つことで、自分の価値観や目標がしっかりと持てるようになります。「自分の軸」があれば、会社の待遇や環境の変化に左右されることもなくなり、目指すキャリアに向けてブレることなく進むことができるでしょう。
キャリアについて選択肢の幅が広がる
キャリアプランを考えることで、新たなスキルや知識を身につける必要性が見えてきます。自分の得意分野や強みにも気付きやすくなるため、結果さまざまな選択肢が開かれ、自分のキャリアをより豊かにすることができるでしょう。
転職後理想的な働き方ができる
キャリアプランが明確になっていると、転職先でも自分の想いに近い形で働くことができるでしょう。自分に合った職場環境や仕事スタイルを選択できるため、転職後の満足度が高まります。具体的なメリットを3点ご紹介します。
転職後のやる気が上がる
キャリアプランを描くことで、転職先での目標を持つことができます。
目指す方向性が明確なため、新しい職場でもやる気を持って取り組むことができるでしょう。
今後の行動指針が明確になる
キャリアプランを立てることで今後の具体的な目標や、やるべきステップが明確になります。自分の成長やスキルアップに向けた行動を計画しやすくなるでしょう。
仕事のミスマッチがなくなる
キャリアプランを考えることで、自分に合った仕事を選択できます。職場環境や仕事内容が自分に合っているかなど、就職を決める前に慎重に検討できるため、転職後のミスマッチを防げるでしょう。
キャリアプランの考え方
実際にキャリアプランを作成する際、どんなポイントに気を付けて考えるべきでしょうか。ここからはキャリアプランの考え方について順を追ってご説明します。
①5年後・10年後の自分を思い浮かべる
まずは仕事において自分自身の未来の姿を想像してみましょう。5年後・10年後の自分はどのようなスキルを持ってどんな分野の仕事をしているでしょうか?
ビジョンを明確にすることで、目標を設定しやすくなります。
②理想のキャリア・働き方について考える
次に自分が理想とするキャリアや働き方を明確にしましょう。例えば、起業する、週に数日勤務する、業務委託で個人事業主として働く、など働き方は様々です。
自分がどのような環境で働きたいか、どのようなスキルを活かしたいかを考えてみてください。
③ライフプラン・マネープランについても考慮する
キャリアプランを立てる際には将来の生活スタイルや家族のことなど、ライフプランも考慮しましょう。また、定年後、年金以外の収入をどのように得るか、マネープランも併せて検討してバランスの取れたキャリアプランを作成しましょう。
④これまでのキャリア・資格・スキルを棚卸しする
①②③で希望の働き方が明確になった後は、これまでの会社人生で培ってきた経験、職歴、資格、スキルを振り返りましょう。どのような成果を上げてきたか、得意分野は何かを整理します。
これにより、今後のキャリアプランに活かせるポイントが見えてくるでしょう。
⑤目標実現のための具体的なアクションを洗い出す
最後に、目標を達成するために必要なステップを整理しましょう。スキルの習得、人脈の構築、学習の計画など今の自分に不足しているものを洗い出します。
具体的なアクションプランを立てることが大切です。
面接で上手にキャリアプランを伝える方法4選
ここからは面接でキャリアプランについて聞かれた際、面接官に興味を持ってもらえる「魅力的なキャリアプランの伝え方」について、4点ご紹介します。
1 希望企業で実現可能なキャリアプランを伝える
企業に入社した後、どのようなキャリアパスを歩みたいかを具体的に伝えましょう。例えば、管理職になる、専門スキルを磨く、新規プロジェクトをリードするなど目標や希望を具体的に述べます。
また、その企業が掲げるビジョンや文化と、自分のキャリア目標を結びつけて説明しましょう。具体的な理由を示すことで、希望企業との親和性が高いことをアピールできます。
2 入社後の行動計画を具体的に伝える
入社後、最初の数ヶ月から1年間の行動計画を考えておきましょう。例えば、研修を受ける、プロジェクトに参加する、必要な資格取得をする、など詳細なアクションプランを伝えます。具体的に挙げることで自分の意欲と能力をアピールできるでしょう。入社後の自身の成長した姿や会社に貢献できることは何かを想像して伝えることがコツです。
3 志望動機と一貫性を持って伝える
キャリアプランを説明する際、自分の志望動機とキャリアビジョンを一貫して伝えましょう。具体的な目標や行動計画を示す際に、自己PRとの整合性を保つ事が大切です。また志望動機は希望企業の特徴や強みをしっかり下調べをして、その企業独自の魅力についてアピールしましょう。
4 前向きな姿勢をアピールして締める
自分が希望企業で活躍できる、仕事に対して前向きであることをアピールします。
新しいことに挑戦したり、学びを深めるなど、成長し続ける意欲があることを伝えましょう。最後に面接官に感謝の気持ちを伝えつつ、入社後の期待を述べて締めくくることも大切です。
明日の転職面接にも使える、キャリアプランの回答例
キャリアプランとは本来自身のキャリアやスキルを棚卸し、これからの自己実現も含めてじっくりと検討して導き出すものです。しかしながら、読者の皆さんの中には転職面接が目前に迫っているという方もいるかもしれません。
そんな方のために、転職面接でキャリアプランを聞かれたときの模範回答例をお示しします。ご自身の面接準備の参考にしてみてください。
エンジニア職が転職面接で使えるキャリアプラン回答例
エンジニアとしてこれまでも常に技術の変化にキャッチアップする姿勢を持ってきました。多様な技術を学んだことで、顧客の要望に幅広く答えたり、よりよい改善策を提案できる力が身についたと考えています。
周りの部下の見本になれるよう、キャリアの後半になってもこの姿勢を忘れずに貫いていく所存です。現在はAI・機械学習についても学んでおり、貴社の既存サービスにAIを組み合わせることで新しいサービスの開発は提供価値向上に貢献していきます。
私は開発に関わることが向いているので、若手から頼りになる相談役として現場の第一線で仕事をしていくことを希望しています。
総合職(事務系)が転職面接で使えるキャリアプラン回答例
これまで総務畑を歩んできました。総務というのは会社の全体調整や仕組み作りをしていく仕事だと思っています。現在業務のデジタル化が企業の課題をして上がっており、それは貴社においても同様と存じます。
私は現職において業務のデジタル化プロジェクトを推進する立場にありました。総務の経験を活かし、同プロジェクトをうまく取りまとめられたと考えています。
私自身は今後総務のバックボーンを持ったDX人材をして活躍していきたいと考えておりますので、貴社においても、総務×デジタル化の知見を活かし、貴社業務のデジタル化、そしてDX(デジタル・トランスフォーメーション)に貢献したいと考えています。
営業職が転職面接で使えるキャリアプラン回答例
これまで営業一筋で歩んできましたが、最近はウェブマーケティングやデータ分析に関心があり、独学で学び始めました。特にデータ分析は興味深く、これまで営業にはあまり縁がないと思っていましたが、クライアントとの商談の進捗や個々の営業スタッフの稼働をデータ分析によって可視化することで、効率的な営業チームの構築に成功しました。
このキャリアをさらに発展させ、創業間もない貴社において効率的に売り上げを出すデータドリブンな営業組織の立ち上げに寄与します。そして会社全体をけん引していくようなポジションに就いていきたいと考えています。
キャリアプランは経験とスキルを良く踏まえて回答すべし
20代の転職では「これから勉強します」が通用するかもしれませんが、50代となるとなかなか厳しいです。これまでの自身の経験やスキルをどう発展させて企業に貢献するのか、そして自分自身はどのような人材になりたいのかを回答するようにしましょう。
転職面接では企業と求職者の希望や展望が合っているかを確認するため、そして求職者が自立的にキャリアを考えている人かどうかを確認するため、キャリアプランについての質問が頻出します。職種やポジションごとに細目は異なりますが、いずれの場合でもこれまでの経験とスキルを踏まえたキャリアプランを回答するようにしましょう。
当スクールには50代に向けて多くのキャリア支援とプログラミングなどデジタル関連スキルの指導実績があります。実際にデジタル人材としての転職に成功した方もいます。関心がある方は無料カウンセリングにお申し込みください。
まとめ
今回は、50代の転職面接でキャリアプランについて聞かれた場合の答え方について、面接でキャリアプランが良く聞かれる理由、キャリアプランを考えるメリット、考える際のポイントや効果的な回答の方法などを詳しく解説しました。
50代のキャリアプランは、定年後も仕事を続けていくことを前提に、今後の人生で何を目指し、どのようにキャリアを重ねていくかを設計・計画していくものです。過去の経験を振り返り、自己分析を行い、将来のビジョンを明確にすることが重要です。また、面接官がキャリアプランを重視する理由や、具体的な職種別キャリアプランの例文もご紹介しています。
本記事を参考にしながら、是非ご自身の熱意と能力をアピールできる魅力的なキャリアプランを準備してください。
20年以上に渡り金融機関に勤務している「生粋の金融人」です。FP仲間の情報や勉強会・お金にまつわるニュース等をわかりやすく簡単な言葉で発信しています。 FP技能士2級・AFP・日商簿記2級