キャリアプランが思いつかない。そんなときは、今までの経験・スキルを棚卸しをし、足りない部分は学び直しで身につける
更新日:2024.07.3150代からのキャリアプランの書き方は、20代や30代向けの書き方とは異なります。この差を理解しつつキャリアプランを書いていくことで、転職や独立を有利に進めることができます。本記事では50代からのキャリアプランを書くための準備、そしてキャリアの可能性を広げる方法について解説します。
50代からのキャリアプランを書きたいのですが、どのように書けばよいか、考え方や書き方がわかりません。
50代からのキャリアプランではまずこれまでのファーストキャリアでの経験やスキルの棚卸が大切です。これをベースとし、セカンドキャリアに向けて学び直しで新しい知識やスキルを身に付ける設計をすると、他人と差別化され、転職や独立を有利に進めることができるでしょう。
目次
結論:50代がキャリアプランを作成するには、今までの経験やスキルの棚卸しが大切。希望のセカンドキャリアに足りない部分は「学び直し」で身に付ける、逆算の設計がおすすめ
50代のキャリアプランを構築する際は、今までのキャリアの棚卸しをした上で希望のセカンドキャリアを掘り下げ、足りない部分を「学び直し」で補う、逆算設計がおすすめです。学び直しで最新の知識やスキルを持つことで自身のキャリアの可能性が広がります。転職やキャリアアップにおいても有利になるでしょう。
50代は第二の人生のスタート時期であり、「これから」の世代です。自身の経験と学び直しを組み合わせて、充実したキャリアプランを作成しましょう。
50代のキャリアプランは終わりではなく第二のスタートに向けたプラン
50代になって急にキャリアプランを書かないといけなくなった方、もしくはキャリアプランの変更をしようとしている方、様々な方がいらっしゃると思います。キャリアプランというと若い方の将来設計に関する解説などが多く見つかり、50代はその後半に位置付けられていることを目にするかもしれません。しかし、50代はまだまだこれからの世代です。
企業文化の変化と人生100年時代の折り返し
近年、企業文化の変化と人生100年時代という大きな二つの波が押し寄せています。日本では企業において終身雇用制度が取られ、一度入社した企業に定年退職するまで勤めるスタイルが一般的でした。ここに定年引上げや雇用の流動化が徐々に起きています。
一方、個人に目を向けると、寿命の伸長により人生100年と言われる時代になりました。英ロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットン教授が執筆した『ライフシフト』が日本でも注目されましたが、100年のスパンで考えると、50代はちょうど折り返し地点。これまでの常識であった、「60歳前後で定年退職し、後は年金で悠々自適に暮らす」という未来像があらゆる観点から転換を迫られています。
ミドルからシニアへの移行
仕事をする年代が引き上げられ、仮に80歳まで働くとしましょう。20歳前後から働き始めて、50代はちょうどその中間にあたります。しかし、体力面は徐々に低下していきますから、必ずしも20代や30代と同じ働き方ができるわけではありません。ミドルからシニアへの移行にあたり、これまで培ってきた経験を活かし、戦略的にポジショニングすることが活躍し続けるコツとなります。
キャリアプランが思いつかない時は考える視点を変えてみよう
「キャリアプランを作成したいけど具体的に思い浮かばない」という時は、視点を変えてみることをおすすめします。以下の点について改めて考えてみましょう。ステップを踏みながら行っていけば新たなアイデアが浮かぶかもしれません。
①やりたい事とやりたくない事をリストアップ
自分が本当にやりたい仕事、興味を持っている分野は何か、洗い出してみましょう。逆に避けたいことや苦手なこともリストアップしていきます。やりたい事・やりたくない事が明確になることで自分の価値観や優先順位が見えてきます。
②できる事とできない事もリストアップ
やりたい事が明確になった所で、次はできる事とできない事をリストアップしましょう。いくらやりたい事がわかっても、それが非現実的であったり時間や予算的に難しい場合もあります。自分のスキルや経験、時間の制約などを考慮に入れ、実現可能な目標を設定することが重要です。
③希望する業界の情報量を増やす
自分が希望する業界について、積極的に情報収集しましょう。転職サイトの情報だけでなく、業界で発行している資料・専門家のブログ・業界イベントなど、複数の情報源を活用することをおすすめします。
また、成功した人の経験談やインタビュー記事を読むことで、どのようなスキルが求められているか、どのような働き方が可能かを知ることができ、自身のキャリアプランに役立つヒントを得ることができるでしょう。
④3年後や5年後など細かくイメージしてみる
キャリアプランを作成する際は、ただ最終目標を設定するのではなく、途中経過の具体的なビジョンも描いてみましょう。3年後や5年後どんなポジションに就いていたいのか、どのようなスキルを持っていたいのかを考えることで、最終目標に向かう道が明確になります。
マネージャー・専門家・起業家など、目指すポジションを考えることで必要なスキルや経験を特定しやすくなり、目標達成へのプロセスもスムーズになるでしょう。
⑤転職のプロに相談してみる
キャリアカウンセラーや転職エージェントに相談することも選択肢に入れましょう。転職のプロである彼らは、あなたの経歴やスキルを客観的に評価し、市場のニーズに合ったアドバイスを提供してくれます。また、業界の最新動向や求人情報にも詳しいので、あなたが見落としている新たな可能性や選択肢を提示してくれるかもしれません。プロの視点でキャリアプランを評価してもらうことで自分だけでは気づかない強みや改善点を発見し、より実現可能な目標設定ができるでしょう。
50代でキャリアプランがわからない人は自分の経験やスキルの棚卸を
50代で作るキャリアプランはシニア年代をどう生きていくかの戦略図です。広げた航海図の羅針盤となってくれるのはまずは自分の経験やスキルです。過去の経験やスキルを振り返り、自分が得意とする分野や興味を持っていることを明確にしましょう。そして足りない部分は途中で補いながら進んでいきます。学び直しや資格取得を通じて不足しているスキルを補いながら、最終的な目標へとスムーズに進むことができるでしょう。
50代でキャリアプランが書けない理由は自分の理解が不足しているから
20代と50代でキャリアプランを書くプロセスには違いがあります。20代で書くプロセスでも過去の振り返りがありますが、未来の成長の話が多くなります。50代の場合、まずベースとなるのが過去の振り返り。自分の好みや趣向だけでなく、どんな経験をしているか、どんなスキルがあるかを掘り下げる必要があります。自身の半生を振り返り、まとめていく作業は意外と労力がかかりますが、これをせずにキャリアプランを書こうとして筆が進まないという人が多いです。しっかりと自分に向き合うことから始めましょう。
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ファーストキャリアをセカンドキャリアのベースに
50代までをファーストキャリア、これからキャリアプランを書くシニア年代をセカンドキャリアとした時、やはりファーストキャリアをベースに考えるべきです。シニアになって全く新しいことにチャレンジする方もいますが、そこで生活できる程度にお金を稼ぐのには相応の時間がかかります。新しいことにチャレンジするとしても、基盤となる仕事と並行して進める形が良いでしょう。
一方、キャリアチェンジではなくキャリアやスキルの掛け合わせという考え方であれば、大いに可能性が広がります。ファーストキャリアの経験やスキルに新しいものを加え、セカンドキャリアを優位に進めることができるでしょう。
以下の記事では、転職面接時にキャリアプランについて聞かれた時の対処法や上手な伝え方、職種別の回答例など詳しくご紹介しています。転職面接を意識したキャリアプランについて知りたい方は是非参考にしてください。
参考記事:転職面接でキャリアプランを聞かれた場合の答え方、50代は経験とスキルを組み合わせて回答せよ
キャリアプランを作成する際の注意点
ここからは、実際にキャリアプランを作成する際の注意点についてご紹介します。以下のポイントを参考にして、バランスの取れたキャリアプランを作成しましょう。
①プライベートを重視し過ぎていないか
プライベートの時間や目標も「ワークライフバランス」の観点からは大切ですが、キャリアプランでは「仕事の目標と成長」に焦点を当てて作成することをおすすめします。プライベートと仕事はバランスが取れていることが重要です。プライベートを重視しすぎたキャリアプランで、専門的なスキルやキャリアの機会を逃さないようにしましょう。
②理想が現実とかけ離れていないか
大きな理想を持つことは素晴らしいですが、キャリアプランでは実現可能な目標を設定することが大切です。自分のスキルや経験・業界の状況を考慮して、現実的なキャリアプランを立てましょう。
③希望企業で実現できないプランになっていないか
自分のキャリアプランが希望する企業や業界のビジョンと一致しているかを確認しましょう。文化や価値観、キャリアパスを分析し、自分のプランがその企業で実現可能かどうかを見極める事も大切です。
④志望動機と一貫性があるか
作成したキャリアプランは、志望動機や長期的なキャリアの目標と一致していることが大切です。自分の価値観や目指す方向性がキャリアプランに反映されているかを確認しましょう。
⑤行動しにくいプランになっていないか
キャリアプランは実行可能なステップに分けて、具体的なアクションができるものを作成しましょう。目標が大きすぎたり曖昧なプランでは実際に行動に移すことが難しくなります。小さな行動を積み重ねることで、最終的な目標達成につながりやすくなるでしょう。
学び直しで転職を有利に
キャリアやスキルの掛け合わせに欠かせないのが『学び直し』です。文部科学省など教育文脈では『リカレント』、経済産業省などビジネス文脈では『リスキル』とも呼ばれます。
マイナビ転職が行った「社会人の学び直しに関する実態・意識調査」(2020年)では、学び直しを「現在している」と回答した割合が16.9%に留まるなど、日本ではあまり一般的ではないのが現状です。経済環境の変化やビジネスに関する技術革新は常に起こっていますので、逆に言えば自分が学び直しをして知識や技術をリニューアルすることで他人と差別化することができます。
もちろん転職の際には採用担当者に「経験に加えて最新の知見を持っている」と認識されやすいため、学び直しをしていることは大きなアピールポイントとなるでしょう。
政府も後押しする学び直し(リスキリング)
日本ではあまり広まっていない学び直しですが、諸外国では社会人が大学に再入学するなど、学び直しが広く普及しています。この流れを受けて、日本政府も学び直しを積極的に支援しているのです。
例えば経済産業省では「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」という制度でITやデータなど将来重要な技術や知識を身に付けようという社会人の学び直しを支援しています。このような政府の取り組みを見ても『学び直し』がこれからの日本の社会トレンドになることは間違いないでしょう。
また、当ブログには中高年の学び直し・リスキリングに関する記事を複数掲載しています。50代が学び直しをすることのメリット・デメリットやおすすめの学び直し分野、失敗しない学び直しの方法など「学び直しを始めたいけど何をして良いかわからない」という初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説しています。是非参考にしてみて下さい。
参考記事
・「50代社会人の学び直しは、セカンドキャリアと求人票から逆算すると効果的」
・「リスキリングとリカレント教育の違い、DX・プログラミングを背景として50代会社員にも必須の素養に」
50代になると、今までのキャリアとは別に何かしら新しいことを勉強したり、過去に学んだことを再度学ん…
学び直しの態度は社会人の必須の素養となりつつあります。その象徴としてリスキリングやリカレント教育と…
デジタル化によるビジネス環境の変化
現在DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉がどこに行っても聞こえてきます。デジタル技術の進展・普及とそれに伴うビジネス構造の転換が進んでいます。DXを推進するためには、プログラミングやデータサイエンス・AIの知識が不可欠であり、これらの知識を持っている人材は転職市場でとても優遇されます。
まとめ
今回は50代からのキャリアプランの書き方について、効果的な作成方法・作成する時の注意点や、どうしても思いつかない時の対処法などをご紹介しました。
50代のキャリアプランでは、ファーストキャリアの経験や知識をベースにして、「学び直し」で新しいスキルを掛け合わせることで大きく将来の可能性が広がります。 キャリアプランを早めに作成することで、どのようなスキルを学び直せばよいかが明確になります。多忙な50代会社員のあなたが新しいスキルを習得するには時間がかかりますので、早めに少しずつ始めることが大切です。
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20年以上に渡り金融機関に勤務している「生粋の金融人」です。FP仲間の情報や勉強会・お金にまつわるニュース等をわかりやすく簡単な言葉で発信しています。 FP技能士2級・AFP・日商簿記2級