定年後のライフプランのケーススタディと収入確保の方法
更新日:2024.09.16
定年引き上げや年金受給額の減少、老後2,000万円問題など、定年後を取り巻く話題が多くあります。まずは定年後のライフプランをシミュレーションし、収入確保にはどんな方法があるのかパターン別に見ていきましょう。
定年後のお金はいくらあれば足りるのか、また、不足分をどう確保すれば良いか知りたい。
定年後の収支について、三井住友銀行が試算した一つのケースでは、1,800万円が不足するという結果になりました。不足分については、シニア年代になっても雇用で働き続ける方法、フリーランスとして自分のペースで働く方法、好きなことで稼ぐ方法などがあります。定年後に稼ぎ続けることは生活の充実と収入確保を両立させることにも繋がります。
目次
定年後のライフプランに欠かせない収入と支出のシミュレーション
人生100年時代と言われています。自分が100歳まで生きると考えた場合、定年後どのような生活を送るかイメージできますでしょうか。定年した後、30~40年程度の人生があることになります。
長く生きればそれだけ生活費の備えが必要になってきますが、どのくらい必要なのか、収支のシミュレーションをしながら、定年後のライフプランを考えてみましょう。
平均寿命の延長で定年後のライフプランにも変化が
日本人の平均寿命は年々長くなっていて、厚生労働省「簡易生命表(令和2年)」を参照すると、日本人の平均寿命は男性で81.64歳、女性で87.74歳となっています。平均寿命の数値を見る限りでは100歳に到達していませんが、これはあくまで平均ですので、海外の研究では2007年に生まれた日本人の半数以上が107歳を超えて生きるとしているものもあります。
少し昔までは定年後と言えば年金を受給して悠々自適に暮らすといったイメージがありました。定年引上げが進んでいるとはいえ、圧倒的に定年後の人生が長くなっていることも事実です。同時に、社会保障制度の見直しもあり、金融庁が「老後20~30 年間で約1,300 万円~2,000 万円が不足する」と発表し、いわゆる“老後2000万円問題”が話題となるなど、収入面を含めた定年後のライフプランも大きな変化が訪れています。
具体的な定年後のライフプランをケーススタディしてみよう
ここでは三井住友銀行が公開しているモデルケースを参照してみます。60歳で定年したと仮定し、60歳男性の平均余命から24年分の収支について考えます。令和元年度「生活保障に関する調査」において、夫婦でゆとりある生活をする参考の生活費として36万円が示されています。24年間で計算すると1億400万円必要となります。
日本経済団体連合会「2018年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」で示されている平均の退職金2,260万円、厚生労働省「令和3年度の年金額改定について」で算出されている参考の厚生年金額6,340万円と差し引きすると、およそ1,800万円が不足することとなります。この差額1,800万円を埋めるためには、定年後も働いたり、金融資産を運用するなど様々な方法が考えられます。
もちろんこれは一つのケーススタディですので、みなさん自身でも同様にシミュレーションを行ってください。
定年後にも稼ぎ続けることで生活の充実と収入を両立、ライフプランに合わせた収入の確保手段
テックガーデンスクールでは50代の方を中心にプログラミングやAIを学ぶ機会を提供し、キャリアアップや転職に繋げるお手伝いをしています。また、雇用という形ではなく、フリーランスとして自分のペースで働いたり、好きなことで稼ぐことを目指す方もいます。
自分の経験や好きなことを活かして人の役に立ちながら稼ぎ続ける姿は理想のシニア像だと考えています。
転職やキャリアアップで定年後も企業人として活躍し続けるパターン
社会保障制度の見直しや労働人口減少を補う背景から、現在では70歳まで雇用することが努力義務となるなど、定年退職の年齢が引き上げられています。このような環境の中、働き続けることで収入を得続けることは、最も手堅い収入確保の方法となります。
ただし、ただ企業にぶら下がっているだけの人材は企業も望んでいません。自分自身で活躍できることを証明しないと、報酬の低いポジションに異動させられてしまう場合もあります。
厳しいかもしれませんが、下の世代からどんどん人材が上がってきますのでシニアで収入を維持しようとする場合、スキル面では現状維持ではなく上を目指す気持ちが無いといけません。これまでの経験に加え、学び直しをすることでスキルアップし、社内でより良いポジションを見つけたり、有利な転職を見つけることが必要です。
フリーランスとして在宅で自分のペースで働くパターン
雇用という枠組みでは無く、フリーランスとして働くことも考えられます。これまで企業人として生きてきた人にとっては、フリーランスになることは想像がつきにくいかもしれません。しかし現在はクラウドワークスやランサーズに代表されるような、フリーランスと企業をマッチングするサービスや仕組みが広がっています。
テックガーデンスクールでもプログラミングを学び、ITエンジニアとしてフリーランスを目指す人がいます。稼げるようになるまで一定の期間が必要ですが、在宅で仕事ができ、ボリュームコントロールも可能なため、ご自身の生活に合わせた働き方が可能です。仮に1年で200万円程度稼ぐとした場合、9~10年間フリーランスとして活動すれば不足分の1,800万円に到達します。
好きなことで趣味と両立しながら小さく稼いでいくパターン
仕事というニュアンスから少し離れるかもしれませんが、趣味や好きなことの延長で稼いでいく人もいます。ウェブサイトやウェブライティングを学び趣味のブログを開設。ブログの読者から講師の依頼が来たり、仲間内で体験会を開いて少額ですがお金を稼げるケースは多くあります。
または、ウェブアプリの制作を学んで、「あったらいいな」を実現するアプリをリリース、改良を重ねながらアプリユーザー獲得したり、企業とのコラボレーションに繋がることもあります。これはプログラミング自体が楽しいという方にもおすすめです。
好きなことで稼ぐ場合は、あまり大きなお金が稼げない場合が多くなりますが、ウェブ制作やアプリ制作の知見を活かして案件を受託することも可能ですので、いくつかの収入源の組み合わせを検討していくことが大切です。
まとめ
定年後の収支について、一つのケースとして試算すると1,800万円が不足するという結果になりました。不足分については、シニア年代になっても雇用で働き続ける方法、フリーランスとして自分のペースで働く方法、好きなことで稼ぐ方法などをライフプランに合わせて選択します。
TechGardenSchoolでは、「無料オーダーメードカリキュラム診断」を受けることで、上述のキャリアタイプのパターン
● 転職やキャリアアップで定年後も企業人として活躍し続けるパターン
● フリーランスとして在宅で自分のペースで働くパターン
● 好きなことで趣味と両立しながら小さく稼いでいくパターン
を簡単に診断することができます。
TechGardenSchoolオリジナルの「無料オーダーメードカリキュラム診断」は過去大勢の50代会社員の生徒様に実際にカウンセリングを行い、プログラミング学習を通じたキャリアサポートを行った豊富な経験から開発されているので、的確な診断ができます。
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1967年生まれ。慶應義塾大学理工学部大学院修士課程卒。英国国立レスター大学MBA取得。2011年「起業家のためのプログラミング教室」Club86 Startup School(現TechGardenSchool)設立 2017年「中高年のためのプログラミング教室」開始 著書「図解 50代からのプログラミング –未開の能力を発掘♪」「教えて♪ プログラミング」など