Power BIならDX化に必要なデータ分析が可能〜セカンドキャリアにも役立つ!
更新日:2024.03.09日本では国を挙げて推進しようとしているDX。その鍵はデータの活用にあるといわれています。ただ、データの活用といわれてもどのようにすればよいのかわからず、多くの企業で思うようにDX化が進んでいないのが現状です。
そんなデータをかんたんに集計・分析・可視化できるツールがBIツールであり、これからますますその重要性が増すと考えられています。セカンドキャリアでも役に立つBIツールのなかから、おすすめのMicrosoft Power BIについて解説しましょう。
DX化で活躍できる人材になりたいと考えており、そのためにプログラミング不要でデータ分析できるPower BIに興味があります。どのようなツールなのか、セカンドキャリアでも活用できるのか教えてください。
Power BIはプログラミング不要でデータを集計・分析・可視化するツールであり、DX化で大いに活用できます。DX化は日本をはじめ世界中で推進されており、Power BIのスキルは現職はもちろん、転職や副業でも役立つでしょう。
目次
結論:Power BIはデータの集計・分析・可視化が可能。DX化で求められるスキル
Power BIはデータの集計・分析・可視化ができるようになっており、ビジネスにおいて、データ分析の需要が高まっていて、求められるスキルです。Power BIはMicrosoftが開発しており、Officeなどで慣れ親しんだ画面となっていて、直感的に操作がしやすく、始めやすいのも特徴です。
Microsoft 365のプランであれば、Power BIは含まれており、Microsoftが無料で提供しているドキュメントや動画、本といったものを使い学習を始めるのが、よいです。学んだら普段の業務でも活用し、資格などにもチャレンジをしていくと、スキルが磨かれ、転職や副業獲得につながります。
Power BIとは
まずはPower BIがどのようなものなのか解説します。
Microsoftのビジネス・インテリジェンス(BI)ツール
Power BIはMicrosoftが開発しているビジネス・インテリジェンス(BI)ツールです。
BIツールとはデータを分析し、それをもとにビジネスの次の一手を講じるためのものであり、一般的に下記のような機能を備えています:
・データの集計・分析・可視化
・データから規則性や相関関係を抽出
・分析結果から将来を予測
複数ソース・大量のデータ集計や分析が得意
上で挙げた機能は実はMicrosoft Officeの表計算ソフトであるExcelでも可能です。
ただ、Excelには複数ソースのデータを扱うのが苦手だったり、扱えるデータ量の制限が厳しかったりという問題があります。
Power BIをはじめとするBIツールはデータ分析専用ツールであり、Excelよりも多様かつ大量のデータを分析可能です。
ノーコードでデータ分析可能
大量のデータを分析する際、Pythonなどのプログラミング言語を用いることがあります。
プログラミング言語は自由度が高く、応用範囲が非常に広いのですが、扱うにはプログラミングの知識が欠かせません。
一方、BIツールはプログラミング不要で利用可能です。このため、使い始めるまでの障壁が低く、早期に成果を上げられます。
参照元:パソコン工房 NEXMAG.”Microsoft版BIツール Power BIにできること”.2022-04-01.
BizAppチャンネル.”「Power BI」とは?できることは?活用例を紹介”.2023-03-20.
おすすめの理由とセカンドキャリアでの優位性
中高年がセカンドキャリアを考えたときに、Power BIのスキル習得がおすすめである理由を解説します。
データ分析はDXの要
ニュースなどでよく聞く「DX」。これはデジタルトランスフォーメーションの略であり、デジタル技術によるビジネスの革新を意味します。
その中核ともいえる技術がデータ分析です。経験や勘に頼るのではなく、過去のデータから未来を予測することで、これまでよりも効率よく顧客満足度が高い商品やサービスを提供できます。
DXは日本が国を挙げて推進しており、それに必要なデータ分析に強い人材は需要が高いといえるでしょう。
Power BIのスキルを求める求人は多数存在
一般の方にはあまりなじみのないPower BIですが、すでにビジネスの現場には浸透しています。
たとえば日経転職版で「Power BI」のスキルを含む転職・求人情報を検索すると230件、indeedで「Power BI」を含む求人を検索すると3,125件がヒットしました(本記事執筆時点)。
そのなかには年収2,000万円のオファーもあるなど、好待遇の案件が多いのが特徴です。
データ分析のスキルは将来性も高い
データ分析のスキルは決して現在のDXブームだけのものではありません。
データの活用は今後のビジネスでも必要ですし、DXが浸透した後こそデータ分析ができる人材が必要になります。
実際、文部科学省が2019年に「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」を開始するなど、不足するデータ分析の人材をなんとか増やそうとしているところです。
セカンドキャリアでの優位性に繋がる
そんな需要が高いデータ分析のスキルを持っていると、収入面で有利になります。
まず、現在勤めている勤務先においてこれまで以上に必要とされる人材になれるでしょう。
さらに、転職や副業を考えたときでも、先述のように多くの求人がありますので、有利に転職や案件獲得を進めることができます。
参照元:NTT AT.”【第1回】DXとデータ分析”.
日経転職版.”Power BI(スキル)の転職・求人検索結果”.2023-04-07.
indeed.”Power Biの求人”.2023-04-07.
Geekly Media.”データサイエンティストの将来性が高い3つの理由|需要の高い業界もご紹介”.2022-12-16.
類似のツール(Tableau)に対する優位性
有名なBIツールとしてはPower BI以外にTableauというツールがあります。スキルを身につけるならPower BIがおすすめである理由を解説しましょう。
Microsoft Officeに似たインターフェースでとっつきやすい
Power BIはMicrosoft製のツールであり、インターフェースがMicrosoft Officeに似ています。
Microsoft Officeはビジネスで非常に広く使われているオフィススイートであり、多くの方が使ったことがあるのではないでしょうか。
インターフェースが近いということは直感的に扱えるということであり、スムーズに使い始められる可能性が高いです。
一方、Tableauは独自のインターフェースとなっており、慣れるのに時間がかかります。BIの勉強をしながら同時にTableauのインターフェースに慣れなくてはならず、使いこなすまでに時間がかかるかもしれません。
無料プランやMicrosoft 365に含まれるライセンスがある
いくら優れたツールでも、職場が導入してくれなければ使えません。
Power BIのなかには「Power BI Desktop」と呼ばれる無料で使えるプランがあります。無料であれば導入が容易ですし、自宅での勉強もはじめやすいのではないでしょうか。
また、Microsoft 365と呼ばれるサブスクプランのなかにはPower BIが含まれているものがあり、職場ですでに利用可能になっている可能性もあります。
一方、Tableauは無料で使える「Tableau Public」というプランがあるものの、データをオンライン上に公開保存しなければならないという制約があり、ビジネス向けに使いづらい内容となっています。実践的な学びがしづらいため、勉強の点でも不利です。
有名企業でも導入済みで職場に導入しやすい
日本ではまだまだBIツールが浸透しておらず、BIツールを導入したいといってもすぐにわかってくれるとは限りません。
しかしながら、Power BIは有名企業のMicrosoft製であり、かつトヨタなどの大企業がすでに導入済みです。
すでに他社で実績があるツールであればその成果をアピールしやすく、早期の導入につなげやすいでしょう。
一方、Tableauは日本ではまだまだ知名度が低く、社内に導入するまでに説明資料の作成など手間がかかりそうです。
参照元:TECHVAN.”BIツール「Power BI」と「Tableau」の違いとは? 機能や価格を比較”.2022-08-01.
アレコレメモ.”Tableauを無料で使う方法は2つ。パブリック(Public)とアカデミックプログラム”.2022-10-16.
Microsoft.”トヨタ自動車の工場 DX プロジェクト Power Platform と市民開発を武器に自律的デジタル化によるカイゼンを加速“.2023-02-16.
Power BIの活用事例
一口に「データ分析」といってもその応用はさまざまです。Power BIの具体的な活用事例をご紹介します。
働き方改革に活用
ある建設会社では、Power BIを働き方改革に活用しました。
建設現場では進捗確認が欠かせませんが、従来は1日1回手作業で進捗を入力しており、リアルタイムな進捗の確認ができませんでした。
そこで各担当者が進捗状況を入力すると、それをPower BIが自動的に可視化し、管理者のモニターにリアルタイムに表示できるように改善されます。
これによってきめ細やかなサポートが可能になり、働き方改革につながったそうです。
チャットボットの精度向上
企業のカスタマーサポートに当たり前のように導入されているチャットボットですが、その応答精度が悪いと顧客満足度の悪化につながってしまいます。
ただ、大量のやりとりを人手で分析するのは現実的ではありません。
そこで、Power BIを使ってやりとりを分析し、短期間でチャットボットAIの精度向上を実現しました。
生産の平準化と投資や人員補充の最適化
ものを作って売る会社にとって、需要予測は非常に重要です。
作りすぎると材料や人件費、保管費用が無駄になりますし、急に需要が高まったからといってすぐに増産できるわけではありません。
そこでPower BIを導入し、精度の高い需要予測を可能にしました。これにより生産量の平準化および投資や人員補充の最適化が可能になったといいます。
参照元:TECHVAN.”Power BI の導入事例10選と活用のポイントを解説”.2023-03-02.
SEDesign.”Power BIの特長とは?導入で業務効率が向上した5つの事例を紹介”.2021-10-21.
MAG BOXIL.”BIツールの導入事例|抱えていた課題と導入後の効果まとめ”.2022-06-06.
Power BIの始め方と学習方法
Power BIを導入する方法と、スキルを身につける方法を解説します。
インストーラをダウンロードするかMicrosoft Storeからインストール
Power BIをはじめるなら、まずは無料で使えるPower BI Desktopがおすすめです。
Power BI DesktopはMicrosoftのサイトからインストーラがダウンロードできるほか、Microsoft Storeからもインストールできます。
Microsoft StoreでのインストールはWindows 10以降でしか使えませんが、スマホアプリ感覚で導入できるのでパソコンが苦手な方でも迷うことなくインストールできるでしょう。
動画や本で応用を勉強
BIツールはビジネスの世界で注目を集めており、その代表的なツールであるPower BIの解説をおこなう動画や本は多数存在しています。
また、Microsoftが無料で公開しているドキュメントがあるため、まずはこちらを読むとよいかもしれません。
セカンドキャリアでの活用を目指すなら資格を取ろう
Power BIのスキルをセカンドキャリアで活用するなら、スキルを証明する資格の取得がおすすめです。
Microsoft自ら試験をおこなっている「Power BI データ アナリスト アソシエイト」の資格を取得すれば、転職や副業案件獲得で有利になるでしょう。
詳細はこちらの記事を参照ください:
Power BIの公式資格とは?難易度や勉強法、50代会社員が取得するメリットを解説 (techgardenschool.com)
プログラミングスクールでVBAやPythonを勉強するとさらに強力なスキルに
データ分析のスキルをさらに向上するなら、Power BIだけでなくVBAやPythonのスキルを身につけるのがおすすめです。
ただ、独学かつデータ分析に特化した形でこれらのスキルを身につけるのは簡単ではありません。
オーダーメイドでカリキュラムを作ってくれるプログラミングスクールなら、データ分析に必要なスキルに絞って指導してくれますので、なかなか勉強の時間が取れない中高年でも効率よくスキルを獲得できます。
参照元:Power BIとデータ分析の学びサイト.”Power BI Desktopの2つのインストール方法”.2022-02-07.
エク短.”Power BIをカンタン習得できるおすすめ本!裏技|最短習得方法も!”.2022-11-30.
Microsoft.”Power BI ドキュメント”.
まとめ
DXをはじめ、これからのビジネスではデータの分析が欠かせません。プログラミング不要でデータ分析をおこなえるBIツールの需要が今後も高まっていくでしょう。
数あるBIツールのなかでも、Microsoftが開発しているPower BIはOfficeなどで慣れ親しんだインターフェースを持っており、これからBIツールのスキルを身につける方におすすめです。
データ分析のスキルは現在の職場はもちろん、転職や副業でも重宝されますので、セカンドキャリアにおいて優位に立つことができます。
まずは無料のPower BI DesktopとMicrosoftが無料で公開しているドキュメントからはじめてみてはいかがでしょうか。
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