RPAの分野は、現状ではまだ専門家が少なく、コーディングも不要なため未経験の50代でも稼げるアマチュア領域の仕事です。クラウドワークスや転職など、セカンドキャリアでの収入源の選択肢の一つであるといえます。

RPA学習に関心のある50代会社員のなかには、「RPAを習得して将来はフリーランスで活躍したい」という方もいるのではないでしょうか。

本記事では、 RPAの学習方法や案件事例、50代会社員におすすめの理由、セカンドキャリアでの活用方法などについて解説します。

結論

RPAはビジネスの実務を改善するためのツールであることから、「実務に精通した50代会社員とRPAの組み合わせは最強」と言う声もあるほどで、フリーランスとしても案件獲得できる可能性がウェブデザインなど他分野に比べ高いと言えます。更にまだ専門家が少なく、コーディングも不要なため、未経験の50代会社員でも十分に活躍できる領域の仕事です。

また、人材不足であるRPA分野では、50代未経験でもクラウドワークスでの案件獲得、高い時給での派遣、転職など、フリーランスとしてさまざまな収入源の選択肢があります。

案件としては、１）シナリオ作成 ２）開発 ３）教育などがあり、そのスキル獲得のための学習方法としては、1つのRPAツールに特化して書籍や動画、セミナー、スクールなどで習得した後に勤務先などで実践することが効果的です。

案件を獲得する際は、RPAを含めた副業・フリーランス案件が多く掲載されているクラウドワークスなどを活用していくとよいでしょう。

RPA業務の全体像と50代会社員におすすめの理由

RPA業務の全体像と必要なスキル

RPA：Robotic Process Automationとは、PCやシステム、アプリでおこなっていた各種業務を連携して自動化するためのロボットのことを指し、「業務改善」と言われる分野に当たります。

実際にはビジネスの業務全体の「業務改革」をデザインした後に、その実現手段の一つとしてRPAを活用する、という手順になります。「業務改革」をデザインすることをBPR：Business Process Re-engineering と呼びます。

RPAを開発するまでの流れは以下のようになります。

１）BPRによる業務改革デザイン

ビジネス本来の目的を効果的に達成するために、従来の組織やオペレーションを設計し直します。その中でRPAで自動化すべき業務を抽出します。

最も上流の工程で、この段階では技術的な理解よりも自社ビジネスの本質的な理解とビジネス全体を俯瞰し問題点を抽出する分析力が必要となります。そのため、コンサルティング会社が経営者・経営企画室と協同で行うこともよく行われています。

必要なスキル：相手の経営者の言葉と気持ちに理解と共感し、問題解決提案ができることが必要になります。MBAや中小企業診断士を持っていると説得力がありますが、更にRPA/ITにも造詣があると最強です。ベンチャーのCTOのイメージですね。 また、エンジニアの人がビジネスへの理解を証明するための資格である「ITコーディネーター」もオススメです。

参照元：
PERSOL RPA LOUNGE「BPR、BPO、RPAをどう使い分けるか？ 業務改革と業務改善の違いについて​​」
デジタルワークス Blog!  BPRとは？RPAを活用した事例とともに解説
ITコーディネーターをめざす方へ  ITC資格取得サイト

２）RPAの設計：要件定義、シナリオ作成

次にシステム開発と同様に、開発するRPAの要件定義を行います。特にRPAの分野では、連携するシステムや処理やデータの流れを設計することを「シナリオ作成」と呼び、RPAの主要なスキルの一つとなっています。

この工程では、自社のビジネスへの理解に加え、RPAやITに関する技術的な理解も必要となってきますので、自社の実務部署とIT部署が共同であたるイメージです。これに外注先のRPA開発会社やエンジニアが加わることもよくあります。


必要なスキル：RPAやITに関する技術的な理解を持ち、各種RPAツール（UiPath, WinActor, PowerAutomateなど）の特性を理解した上でシナリオを作成する技術スキルが最低限必要です。加えて、業務の流れを理解し、何を業務改善しようとしているのか、というポイントを把握するビジネススキルも必須です。

３）RPAの開発

要件定義やシナリオに従って、実際にRPAを各種ツール（UiPath, WinActor, PowerAutomateなど）を使って開発していきます。システム開発におけるプログラミング工程に相当し、開発にはエラー処理、品質管理、保守体制の構築などの作業も含まれます。

この工程になると、専門のRPA開発会社やエンジニアが担当するイメージとなります。システム開発同様に、大きい開発となると複数のエンジニアがチームで行うイメージです。

必要なスキル：  UiPath, WinActor, PowerAutomateなどを使って、シナリオを実現するRPAを開発する技術スキルが必要です。RPAを構築するだけでなく、エラー処理、品質管理、保守体制の構築などのスキルも実務では必須となりますので、様々な状況に対処できる応用力と実務経験が求められます。

50代会社員リスキリングにおすすめの理由

当スクールのRPA講師から、「RPA業界では、中高年のリスキリングはRPAから始めるべき」「50代会社員とRPAの組み合わせは最強」との声が上がっていると聞きました。その理由をご説明します。

理由その1：50代会社員は実務に精通している

「50代会社員とRPAの組み合わせは最強」である理由は

50代会社員の「実務・管理スキル」 ｘ  RPAスキル  

が最強だからです。 

前節で述べたように、RPAはビジネス全体の業務改革のための一手段、という位置づけになります。また、自社業務の細かいところやボトルネックの理解、ミスが起きやすい状況やその対処法など「実務に精通した人材」が関わることが必須の分野です。

つまり、若手社員ではなく実務や管理スキルに長けた50代・中高年社員が必要とされる局面であり、更に「RPAを設計・開発ができる50代会社員」が自社に常駐してくれたら、それは企業にとって「夢のような話」だということです。

理由その２：RPAはノーコードだから学習ハードルが低い

また、コーディングが不要な点もおすすめの理由です。RPA開発はシステム開発やアプリ開発のようにプログラミング言語を習得する必要がないため、学習のハードルも高くなく、未経験の50代でも習得しやすい領域であるといえます。

最初は勉強するRPAをUiPathなど１つに絞って集中的に勉強して実績を積めば、未経験50代会社員でもRPAエンジニアになれる可能性は十分にあるといえるでしょう。

理由その３：人材不足かつ競争が少ない

まず、 RPAの領域はまだ発展途上でありRPAの専門家は多くありません。そのため、50代にも大きなチャンスがあり、これからRPAを学習する場合でも十分に活躍できる可能性があります。

2023年現在、RPAの開発のできるエンジニアはとても少ないためニーズがとても高い状態です。企業は自社専任のRPAエンジニアを採用したがっていますし、派遣会社も派遣先のRPA人材の派遣ニーズを満たすために、RPA人材を必要としています。

また、アプリ開発・ウェブサイト制作・機械学習データ分析などの分野に比べてRPAに注目して学習しようとしている人はまだまだ少ないため、「仕事はあるのに競争は少ない」穴場だと言えるでしょう。

セカンドキャリアでの活用方法とフリーランス案件事例

RPAのセカンドキャリアでの活用方法について解説します。

セカンドキャリアでの活用方法

RPAのセカンドキャリアでの活用方法としては、業務の効率化・自動化が挙げられるでしょう。プログラミング経験がない50代でも、コーディング不要のRPAを活用することで、今の勤務先での業務の効率化・自動化を実現可能ですし、転職に活用することもできます。

もちろん、フリーランス、副業としてクラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトでRPA案件を受託したり、完全在宅のパート・バイト・派遣として仕事を獲得することも可能ですので、次節以降で解説します。

また、他の資格と組み合わせて のも有効な方法です。Excel VBAやPythonなどのスキルと組み合わせることで、データ収集プロセスも含めた自動化など、より広範囲な業務効率化を実現できます。

フリーランス案件事例

フリーランスとしてのRPAに関する案件事例を紹介します。

クラウドワークス/  Indeed /Coconala（ココナラ）

案件例を以下でいくつか紹介します。

案件例1：Windowsデスクトップ上で動作するRPAの開発

パソコンでの定型作業を自動化するためのRPAツールの開発案件です。RPAツールの開発経験がある方であれば応募できます。
https://crowdworks.jp/public/jobs/8773883

案件例2：【UiPath構築】RPAのシナリオ作成

顧客のパソコン端末で動作する専用のシステムに対して、リモート接続により業務自動化のシナリオ作成を行う案件です。UiPathを使った開発になります。
https://crowdworks.jp/public/jobs/9078570

案件例3：Instagram（インスタグラム）のDMを自動送付するRPA開発

スプレッドシート上にある各URLに対して、Instagram（インスタグラム）のDMを自動送付するためのRPAツールの開発案件です。決まった日時に一定の件数を自動送付できるようRPAの設定も行います。
https://crowdworks.jp/public/jobs/8065614

案件例4：介護請求ソフト向けデータ入力自動化RPA開発

介護ヘルパーがスマホで報告した介護記録データを、クラウド上の介護請求ソフトへ自動連携させるRPAツールの開発案件です。UiPathやWinActorの開発経験者を対象としています。
https://crowdworks.jp/public/jobs/7857662

案件例5：RPAによる動画台詞の自動入力

エクセル上にある動画の台本を、動画編集ソフトに自動連携させるRPAツールの開発案件です。Power Automateを使った案件になります。
https://crowdworks.jp/public/jobs/9406207

RPAの使用経験を前提とした案件が多いですが、経験レベルや経験年数までは指定されていない場合も多いため、RPAの基礎的な使用方法を習得したら応募してみるのもよいでしょう。

Street Academy/Coconala（ココナラ） （セミナー講師 教える仕事）

RPAに関する副業・フリーランス案件は、ツール開発だけでなく、セミナー講師としての仕事もあります。

実際のセミナー事例を以下でいくつか紹介します。

事例1：WinActor Boot Camp【初級者コース】

WinActor初心者向けに、基本的なWinActorシナリオ作成方法からRPAツールでよく使用する機能までを1日でレクチャーする講義です。企業でのWinActorシナリオ開発経験者がセミナー講師となっています。
https://www.street-academy.com/myclass/138738?sessiondetailid=8922315&trigger=search_result

事例2：【初心者向け】初めてのRPAパソコン操作自動化☆体験講座！

RPA初心者を対象に、RPAを使ったパソコン業務の自動化を教える講義です。RPAの基礎知識から実際のマウス操作などの演習まで行います。
https://www.street-academy.com/myclass/77992?trigger=search_result

RPAのスキル・経験がある程度獲得できたら、セミナー講師として、未経験の50代などに対してRPAを教える立場を目指すのもよいでしょう。

案件から見る必要なRPAスキルと学習方法

前述の案件事例も踏まえた場合、必要なRPAスキルとしては大きく以下の3点が挙げられるでしょう。

1)RPAのシナリオ作成スキル

まずはRPAのシナリオ作成スキルです。シナリオ作成スキルとは、RPAを使って業務効率化を実現するためのシナリオを設計するスキルです。効果的なシナリオを作成するためには、RPAの知識に加えて業務内容や業務プロセスへの十分な理解も求められます。

2)RPAツールを使って開発するスキル

RPAツールを扱うスキルを獲得するうえでは、特定のRPAツールに習熟することが効果的です。代表的なRPAツールには、Microsoft Power Automate、UiPath、WinActorがあります。まずはいずれかのRPAツールに特化して習得するようにしましょう。

RPAの学習方法としては、書籍や動画、セミナー、RPAツールの無料トライアル、スクールなどが挙げられます。無料トライアルなどの実践を中心に、不足している知識を書籍や動画、セミナー、スクールで補うようにすることが有効です。

また、RPAに関する知識やノウハウを教えるスキルを培うためには、自分自身が実践を通じて感じた不明点や操作のコツなどをメモしておくことが大切です。いつか教える立場になった際に、過去の自分が感じた実体験も交えながら教えることで、リアルで説得力のある指導ができるでしょう。

3）RPAの使い方を教育するスキル

RPA案件では、シナリオ作成やツール開発だけでなく、RPAの使い方を教育・レクチャーする仕事もあります。将来的にRPA講師として活躍したいと考えている方は、RPAの使い方を教育するスキルも習得していくことが大切です。

教育スキルを培うためには、まずは社内で他のメンバーに対して、RPAの使い方を教育する方法が近道です。また、社内で効率化できそうな業務を見つけて、実際にRPAシナリオの作成・開発を他のメンバーにレクチャーしてみるのも効果的です。

そして教える経験が積めてきたら、社内で実施したRPAの使い方や開発などの教育について、外部でもセミナー講師として実践してみるとよいでしょう。

実績の積み方と案件獲得方法

ここでは、RPAの実績の積み方と案件獲得方法について解説します。

RPAの実績の積み方

RPAの実績の積み方としては、主に以下のパターンがあります。

・今の職場や自分の活動を通じて実績を積む

・RPAに関する資格を取得する

・まずはExcel VBAやPythonなどの他の自動化スキルで実績を積む 

まず、今の職場の業務でRPAを使えそうな領域があれば、積極的にRPAを使ってみることが効果的です。たとえば、エクセル操作やファイルの表示など、基本的なPC操作においてRPAを使った業務自動化ができないか試してみるとよいでしょう。

また、RPAに関する資格を取得することも有効です。RPAに関する資格には、それぞれのツールに応じた以下のような資格があります。

・Microsoft 認定: Power Automate RPA Developer Associate

・UiPath RPAアソシエイト資格試験（UiRPA） 

・WinActor   RPA技術者検定 アソシエイト

案件獲得方法

RPAの副業・フリーランス案件を獲得する方法としては、クラウドワークスを使う方法がおすすめです。クラウドワークスは、業界最大級のクラウドソーシングサービスであり、RPAを含めた多くの副業・フリーランス案件が掲載されています。

経験レベルや年代を問わず誰でも無料で利用できるため、積極的に活用していきましょう。

クラウドワークスの詳細については、以下の記事「50代からクラウドワークスで稼ぐ方法 ｜ポイントと注意点を解説」も合わせてご確認ください。

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まとめ

RPAは専門家がまだ少なく、コーディングも不要なため未経験の50代でも稼げるチャンスの大きい分野です。RPAの副業・フリーランス案件としては、業務自動化ツールの開発やセミナー講師などがあります。

RPAツールにはMicrosoft Power AutomateやUiPath、WinActorなどいくつか種類があるため、まずはいずれかのRPAツールに特化して習得するようにしましょう。RPAの学習方法としては、無料トライアルなどを使った実践をベースに、適宜インプットとして書籍や動画、セミナー、スクールなどを活用するのが有効です。

実際に案件を獲得する際は、RPAを含めた副業・フリーランス案件が多く掲載されているクラウドワークスを活用していくとよいでしょう。

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