【中高年向けプログラミング勉強法】まるでスクールの体験レッスン!勉強手順とおすすめの教材を紹介

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【中高年向けプログラミング勉強法】まるでスクールの体験レッスン!勉強手順とおすすめの教材を紹介

中高年のプログラミング勉強法


本記事では実際に当スクールに通い始めたスクール生に教えるように、順を追ってプログラミングの勉強方法を説明していきます。また、適宜独学におすすめの教材をご紹介していきます。それでは早速始めていきましょう!

※中高年やシニアにぴったりのプログラミングスクールを探したい、スクールでの勉強の様子を知りたいという方はプログラミングの勉強を始めたい中高年におすすめのスクールをご覧ください!

目次

結論:勉強の目的を明確にし、挫折しないように専門家の助けを得て学ぼう

プログラミングと一言で言っても、幅が広すぎるため、全部を勉強しようとすると時間がいくらあっても足りなくなります。そのため、勉強の目的を明確にし、プログラミングを学ぶ対象を絞って学ぶことが効果的です。勉強の方向性を間違ってしまうと、時間も労力も無駄になってしまいます。最初は環境設定なども苦労して、挫折しやすいので、自分のパソコンで見てくれる先生やメンターがついてくれるのがポイントです。スクールであれば、一人ひとりに適したオーダーメイドカリキュラムを考え、あなたにあった内容を学べるようにサポートします。スクールでは、一緒に活動計画を作成し進捗の管理をしたり、疑問点に丁寧に答えながら、自分で実際に手を動かして進めていくことで、効率的に学べるように伴走していきます。

プログラミングの必要性

DX化が進む現代においては、デジタル技術の進歩により社会が大きく変化しています。AIやIoTといった先端技術を含め、さまざまなデジタル技術にはプログラミングが使われているため、デジタル技術を習得するうえではプログラミングスキルが重要です。コンピューターは人間と違って指示された動きしかできず、コンピューターに対する指示はプログラミングによって行われるため、プログラミングはあらゆるIT技術の土台であるといえます。

何から始めるべきか。勉強ための下準備

プログラミングの必要性はわかったものの、何から始めるべきかわからないという方も多いでしょう。ここでは、プログラミングを勉強するための下準備として重要なことを解説します。

セカンドキャリア設計から考える今後の活動計画

はじめに、自分自身のライフプラン、マネープラン、キャリアプランを考えていくことが重要です。ライフプランやマネープラン、キャリアプランを明確にすることで、自分自身のセカンドキャリア設計や考える今後の活動計画を具体化することができます。プログラミングの勉強を始める前に、まずは大きな括りで人生設計をしていくようにしましょう。

以下の参考記事では、50代からの人生設計とお金を考えるポイントについて、家族の将来設計も踏まえて解説していますので、併せてご参照ください。

参考記事:50代から考える老後の人生設計や家族の将来設計とお金の話

求人票から求められるスキルを把握し、逆算して考える

今後の活動計画を具体化したら、実際に希望する職種の求人票を確認してみることもポイントです。求人票を確認することで、そのポジションに就くために必要な知識やスキルを知ることができます。それにより、現時点で自分自身に不足している部分を明確にできるため、効率的に学習を進めていくことが可能です。

以下の参考記事では、セカンドキャリアと求人票から学び直しを計画することのメリットやおすすめの学び直し分野、各種支援制度などについて解説していますので、併せてご参照ください。

参考記事:50代社会人の学び直しは、セカンドキャリアと求人票から逆算すると効果的

勉強の目的、やりたいことを明確にする

勉強の目的ややりたいことを明確にすることも重要です。勉強の目的ややりたいことがあいまいだと、途中でわからない箇所などが出てきた時にそのまま挫折してしまう可能性があります。ライフプランやマネープラン、キャリアプランを考える際などに、「なぜプログラミングを勉強するのか」「勉強した後に何をやりたいのか」も一緒に明確にしていくようにしましょう。

目的、やりたいことをするために何を学ぶべきかを調べる

目的ややりたいことを明確にしたら、具体的に何を学ぶべきかを調べることも大切です。多くの場合、目的ややりたいことを実現するための手段はひとつではありません。たとえば、業務効率化のためにプログラミングを学びたい場合、エクセルVBAやPythonといった複数のプログラミング言語が候補に挙がるでしょう。あれこれ手を出すと挫折してしまうおそれがあるため、まずは学ぶ対象を絞ることが重要です。

大きな目標と小さな目標を作る

勉強を進めていくうえでは、大きな目標と小さな目標を作ることも大事なポイントです。まずは 大きな目標を立てて、それに対して小さな目標をステップに分けて具体的に考えていくようにしましょう。大きな目標と小さな目標を作ることで、最終的に目指したいゴールを明確に見据えつつ、足元のゴールをクリアしながら達成感を積み重ねていくことができます。

周りに質問や相談できる相手がいないか探してみる

50代社会人がプログラミングを勉強する場合、独学だと理解が難しい部分が多く出てくることが想定されます。その際に、気軽に質問や相談できる相手が周囲にいると安心です。途中で挫折してしまわないためにも、周りに質問や相談できる相手がいないか探してみましょう。職場や家族などの周囲に質問や相談できる相手がいない場合は、スクールを活用することも有効な手段です。

プログラミングだけでなく、ITリテラシーを高めるためにもPC操作も学んでおく

いきなりプログラミングを勉強するのではなく、ITリテラシーを高めるためにPC操作も学んでおくことも重要です。たとえば、PCでインターネット検索やメール、ECサイトでのネットショッピングを行ってみることで、細かい設定や登録作業、メールを書く作業など、画面の広いPCだからこそ効率よくできることに気がつくでしょう。また、PCでファイルを保存・整理する作業に慣れておくことも重要です。プログラミングを行う際には多くのファイルなどを管理する必要があるため、ファイルの保存や整理はプログラミングの勉強の際に頻繁に発生します。エディターソフトの検索・立ち上げ、新規ファイルの作成・保存、既存ファイルの編集といった作業を具体的にイメージできるように、Wordなどを使って実際に作業してみるとよいでしょう。

【これがプログラミングの勉強法】中高年・シニアの方々がプログラミング学習を進めていく流れ

ではこれから実際に中高年の方々が「どのようにプログラミングを学んでいけば良いのか」 について、実際に中高年の方々にプログラミングをお教えしてきた経験を踏まえて述べさせていただきます。

1) 中高年の方々はプログラミング・ITの全体像を解説した書籍を一冊読んでみる

やる気満々のあなた! いきなり本屋でプログラミングの入門書を張り切って買いたくなるところですが、その気持ちをまずはグッとこらえてください。

プログラミング言語や文法、サンプルコードなどが載っている書籍を書いたくなる気持ちはわかりますし、実際私も最初は5−6冊の書籍を購入したものの、1ページも開かずじまいだった、という経験があります(笑)

最初は何を選んで良いかわからないので、良さそうな謳い文句の本を闇雲に手にとってしまうのですが、その後どうやって勉強を進めていけば良いのかわからないので、「積読」になってしまいます。

そういった書籍に手を出す前に、 「プログラミング・ITの全体像を解説した書籍」 を購入されることをお勧めいたします。 プログラミング言語の書籍を買って読み始めたとしても、社会経験豊富な中高年の方々は、「それが何になるのか」「社会でどのような使われ方をするのか」「自分にとってどんな意味があるのか」などが気になってしまいます。

その疑問と不安が挫折への第一歩なのです! 他にも雑念は色々湧いてきます。 「プログラミングとウェブサイトの違いがわからない」 「人工知能とかフィンテックとか気になる」

中高年のプログラミング勉強あるある1: 中高年の方々は、勉強を始めたものの、豊富な社会経験から、様々な流行のキーワードや仕組み (AI、フィンテック、ブロックチェーン、メタバース、NFTなど)が気になって、自分のやっていることに疑問と不安を感じてしまう。

私の運営する「中高年のためのプログラミング教室」を訪れる中高年の方々は、よくこんなことを恐る恐る質問します。

毎日のように、テレビでは人工知能の番組をやり、新聞や雑誌は自動運転やブロックチェーンの話題を報じています。 また、小中学校でプログラミングが必修になると聞けば、これらのことが気になって気が散ってしまうのも無理はありませんよね。

シニアの方であれば尚更でしょう。 まずはこのあたりのモヤモヤを払拭し、自分が勉強しているプログラミングは全体の中のどの部分で、自分にとってどのような意義があるのか腹落ちしてからでないと、本来のプログラミングの勉強に集中できないと思います。

中高年のプログラミング勉強あるある2: 中高年の方々は、モヤモヤしたままで何から始めればよいかわからないまま時間だけが過ぎていく。 でもすごくプログラミングが気になっている!

では、中高年の方々にはどんな書籍が1冊目としてお勧めなのか?

プログラミングをITの全体像や現代のITビジネスの観点からざっくりと説明してくれる書籍をまずは探してください。 そこでITの進化や将来の展望、その中でどのようなプログラミング言語がどのように活躍しているのかを掴んでください。

なお、大変恐縮ではありますが、拙書を2冊ご紹介させていただきます。 ご紹介する2冊は、ITの全体像を中高年の方々のセカンドキャリアを意識して書いています。 きっとこのブログをご覧になっている方々のお役に立てるはずです。

「図解 50代からのプログラミング」 高橋 与志著 リックテレコム

この書籍は、以下のような中高年の方々に向けて書かれた本です。 図解と独立した見開きページで構成された「どこからでも読める」大変読みやすい本です。 ]

◆ ウェブサイトとプログラミングの違いがわからない方

◆ そもそもパソコンの使い方に自信がない方

◆ 人工知能やブロックチェーンといった最新の用語が気になる方

◆ 自分のセカンドキャリアにとって、プログラミングにどんなメリットがあるか知りたい方

一言でいうと「PCやインターネットの使い方に自信がないけれど、プログラミングは気になる中高年」。「ご自身とITとの位置関係が見えず、モヤモヤしている方々」でもあります。

ITリテラシーに自信が無かったり、プログラミング未経験中高年の方でも、ITとプログラミングの全体像をサッと見渡せるように書かれています。 優しく噛み砕いて解説していますので、シニアの方々にも理解しやすい本となっています。

「教えて♪ プログラミング 〜 まずはなんとなくわかることが大切よ!」 高橋 与志著 リックテレコム

前述の『図解 50代からのプログラミング』 がIT全般やITビジネスの全体像をカバーしているのに対して、この本はプログラミングの全体像をカバーしており、前著よりも狭い範囲が対象になっています。

したがって、『図解 50代からのプログラミング』の次の本として読むのが理想的と言えるでしょう。 この本は、コード(プログラミング言語)を使わずに料理のたとえ話でプログラミングを解説しているので、中高年の方でもプログラミングの原理原則を無理なく理解することができます。

この2冊はプログラミングやITについての「自分なりのイメージを持つ」、その入り口になると思います。

★ ここから先は考え方が分かれます。 どう分かれるかというと、

①「まずは中高年の初心者にはハードルの高い環境設定(*)のいらないオンライン教材を使う」

②「オンライン教材での勉強を飛ばして、環境設定を自分のPCで行ってから書籍や動画を使って勉強する」

後述しますがオンライン教材を使って勉強をしても、最終的には環境設定を自分のPCでおこなって勉強しないと自分のアプリを 制作することは難しいので、環境設定は避けることができません。

とりあえずとっつきやすいオンライン教材でプログラミング言語を体験・学習してみる、というプロセスをとるかどうかは個人の好みによると思いますが、ITリテラシーに自信がないシニアの方々はオンライン教材から始めるのが良いでしょう。

*環境設定とは 「ローカルPC(ご自身のPC)でプログラミング開発が出来るように、ローカルPC上に仮想サーバを設置する作業」のことで、初心者が自分で行なうにはハードルが高いと言われています。 私の経験上、中高年で独学しようとしている人は最初のこのステップで挫折しやすいです。

2) オンラインの教材を使ってプログラミングを学ぶ

オンライン教材の良いところは、前述した「環境設定が不要」であることに加えて、他にも以下のような長所があります。

◆ 説明が小さな単位になっており、質問形式で学習の流れがスムーズであること。

◆ 画面の動きなども、確認しやすいので操作で戸惑うところがない。

◆ 解答をコピペすれば必ず動く。

◆ ストーリー仕立てであったり、利用者が使いやすいように設計されていて楽しみながら勉強できる。

では、中高年の方でも利用しやすく、よく知られたプログラミングのためのオンライン教材をいくつかご紹介しましょう!

① Progate ( https://prog-8.com/ )

非常によく知られていて、利用者も年々増加しているサービスです。同サービスを運営する株式会社Progateの発表によると、2021年2月に登録ユーザー数が200万人を突破し、2019年10月から2倍伸びているということです。

参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000015015.html

当スクールの中高年の生徒様や慶大生スタッフの中にも、このサービスの使用経験のある人がいます。 このサービスの立ち上げメンバーの東大生たち(当時)とは知り合いだったこともあり、とても嬉しく思っています。

かなりの部分が無料で勉強できるので、出費を減らしたいシニアの方にとっても嬉しいですね! 最初にとっつきやすい HTML/CSSのコースを勉強してから、使用される機会の多い RubyあるいはPHPのコースに進むのが良いでしょう。

中級以降で必須の言語となるJavaScriptのコースもやっておきたいところです。 文法の勉強が中心ですが、入力(データ)→出力(画面の動き) を繰り返し体験できるので楽しいと思います。 特に Ruby on rails のコースは非常に充実していて本格的な内容になっています。

また、Command line やGitのコースまであるのにはこだわりを感じます。 「プロ(Pro)の登龍門(Gate)」として、「創れる人」を作ることへの熱意を感じますよね。

これら全てのコースを受け放題で月額 ¥980 は本当に安くて良心的だと思います。 最初のパートのみ無料で受講できますが、中高年の方には継続して勉強するためにも有料会員になることをお勧めいたします。

② Swift Playgrounds ( https://www.apple.com/jp/swift/playgrounds/ )

Apple社がiOS用に開発した言語Swiftを使って、ゲーム形式で楽しみながら学べるオンライン教材です。 これが無料というのもスゴイですよね!

この教材用の日本語の書籍もいくつか出ていますので、参考にしてみてください。 ただし、Swiftという言語は基本的にはiPhoneアプリ開発用の言語なので、この言語から学習をスタートする人は正直少数派です。

書籍やネット上の情報もウェブサイト・ウェブアプリ開発で多用されるPHPなどに比べるとどうしても少なくなってしまいます。 でも、Swift PlaygroundsはiPadでも気軽に学習できるので、楽しそうですよね〜 一度遊んでみたくなる魅力があります!

Swift Playgrounds上でプログラミングしたコードでドローンやロボットを自在に動かすこともできます。 「Playground」は「遊び場」のことですが、文字通りリアルなおもちゃを使ってプログラミングを学ぶことができるので、大人だけでなく子どもたちにも人気とのことです。

引用:ferret『 初心者でもできる「Swift Playgrounds」の概要と使い方を丁寧に解説 』

画面上で学ぶだけでなく、ドローンやロボットやおもちゃなどをつなげて遊べるなんてアップルらしいですよね。 そう言えば、以前表参道のアップルストアに行ったときに、待ち時間にボールのおもちゃを見ていたら、店員さんにその場で iPad を使ってそのボールを動かすデモをされて、結局そのおもちゃも買ってしまった!という経験を思い出しました………

アップルストアでは定期的に、おもちゃを動かすレッスン・セミナーも無料で開催されていますので、一度遊びにいかれてはいかがでしょうか。

参考: 『「おやこでレッスン!」 プログラミングトイ Sphero SPRK+をAppleストアで体験してきた!』

③ テクノロジア 魔法学校 ( https://www.technologia-schoolofmagic.jp/ )

小中学生のプログラミング教育のパイオニアであるLife is Tech! がディスニーとコラボして、作ったオンライン教材です。 ハリー・ポッターを思わせる魔法学校の世界観で、「プログラミングは魔法である!」ことを楽しく学びながら進めていきます。

こちらは中高年でも十分に学習できる本格的な内容になっています。 オンラインでライセンスを購入(はじまり篇 ¥ 49,800)してウェブブラウザからプレーするタイプです。 やや高価ですが、楽しく勉強できますし、お子様やご家族とも一緒に楽しめることを思えば、投資の価値は十分ありそうです!

学べる言語は HTML/CSS(ウェブデザイン)、 JavaScript(ウェブデザイン/ゲーム)、Processing(ゲーム/メディアアート)・Shader(グラフィック処理)となっており、ゲームやグラフィック処理も学べるのが特長です。 また非常に面白いのは、宝の地図的なリアルの教材アイテムが同梱されていて、メイン課題をクリアするごとにキレイなディズニーのポストカードが郵送されてくる仕掛けです。

入門・基礎編パッケージ(全76レッスン)が税込 32,780円、続章・応用編(全184レッスン)が税込 140,800円となっています。 最後まで取り組めば 「テック企業のインターン、プロの卵にはなれる!」という設計になっていますので、大変ですがその分プログラミングの実力は付きます。

また挫折しやすい環境設定についても、この教材の最後には外部の環境設定が含まれていて、このオンライン教材の外の世界でも「自走」できる人になるように導く設計になっています。

*2021年5月7日現在

中高年のプログラミング勉強あるある3: 中高年の方々にとっては便利なオンライン教材ですが、最初は面白く勉強したのに、だんだんとPCを開いて勉強する頻度が落ちていく人も。シニアの世代にも言えることですが、スマホ中心の生活で、PCを開く習慣が少ないことも原因の一つでしょう。 最初の文法部分だけで飽きてしまい、その先の美味しいコンテンツまでたどり着けない、という残念な結果もあり得ます。

3) オンライン教材の位置づけ

今、小学生たちがプログラミングを学ぶ際に非常によく使われている「Scratch」というツールがあります。ビジュアルプログラミングと言って、いわゆるプログラミング言語を使わずに、ブロックのようなものを組み合わせながらプログラミングの言語を学んでいく仕組みです。

この「Scratch」でプログラミングの考え方に慣れた後どうするのか? が今の課題だと前述のテクノロジア魔法学校の開発を行い、中高生向けのプログラミング教育事業を手がけるライフイズテックCTO 橋本氏が述べています。

「Scratchでプログラミングに慣れた後にどのような教材でプログラミングを学び続ければ良いのか?」「中高生や大人にとってちょうど良い、ゼロからしっかりとプログラミングを学べる本格的な学習環境は無いのか?」という質問や相談が多く寄せられるそうです。

参照: テクノロジア 魔法学校 開発者からのメッセージ 橋本善久氏(ライフイズテック株式会社取締役CTO)

橋本氏によれば、テクノロジア 魔法学校はその回答になると言います。 その他のオンライン教材も、「Scratch」の次に最初にプログラミング言語にふれる場として位置づけることができます。 そして、更にその次の段階である「環境設定を行って、データベースも設置した上でアプリ開発を行なう」 レベルにつなげていくことが必要です。

つまり、

1. ビジュアルプログラミング : Scratch

2. オンライン教材 : Progate / Swift Playgrounds / テクノロジア 魔法学校 など

3. 環境設定+アプリ開発

といった学習ステージが導かれます。

4) 環境設定不要の書籍を使って勉強する方法

中高年の方々の中には、「オンライン教材はちょっと………自分はやっぱり本で勉強したいなあ」という方も多いはず。 それは、シニアの方など年齢が上がっていくにつれて、そのように感じるはずです。

そういう方のために、環境設定がいらない書籍をいくつかご紹介しましょう。 最初は環境設定のいらないJavaScriptを使って動かしながら学ぶのが中高年の方にとっては無難ではないでしょうか。 JavaScriptはウェブ制作やウェブアプリ開発で必須の言語ですし、PHPと文法も似ているので学んで損になることはまずありません。

以下の書籍はサンプルコードや解説も充実しているので、挫折することはまずないでしょう。

1.「非エンジニアのためのプログラミング講座」吉岡直人 (著), 村田雅行 (著), 伏田雅輝 (著)リックテレコム

2.「Monacaで学ぶはじめてのプログラミング~モバイルアプリ入門編」 著者:アシアル株式会社、生形可奈子、岡本雄樹 出版社:アシアル株式会社

上記の2冊は、JavaScriptを使ってプログラミングの文法の解説に多くの紙面を割いていますが、サンプルコードやサンプルアプリも一部掲載されており、最初の入門書としてはとっつきやすいと思います。

また、2冊目の書籍で使用するMonacaというシステムは気軽にスマホアプリを開発・公開するためのプラットフォームとして有名なので、スマホアプリに興味のある人にとってもお勧めです。

次に、拙書のご紹介で大変恐縮ですがPHPの基礎がページをめくりながら勉強できる、 『「めくって♪ プログラミング」高橋与志(著)リックテレコム』を御紹介します。

一問一答のドリル形式で、エンジニアが実際におこなっている、完成形からイメージする思考の流れを体験できるのがユニークなところです。 また、巻末にAWS Clooud9によるコードを使った勉強もできますので、是非挑戦してみてください!

中高年のプログラミング勉強あるある4: 中高年の方々にとって、自宅でPCと本を両方開いて勉強する環境と習慣を作るのは大変なことだと思います。 お仕事を持っていらっしゃる人はなおさらです。プログラミングの環境設定と同様に、学習の環境設定も大切です。

5) 環境設定をおこなう (PHP用を参考に)

いよいよ環境設定をおこなう勉強に突入しましょう! 中高年の方々がプログラミングを始めようとして、プログラミングそのものを勉強する以前にここで挫折した人は少なくありません。

それほど「環境設定」は初心者にとってハードルの高い作業なのです。 ここでは、PHPを例に解説していきます。 「環境設定とは、ローカルPC(ご自身のPC)でプログラミング開発が出来るように、ローカルPC上に仮想サーバを設置する作業」 って、これだと何がなんだかわからないですよね。

詳しい話は別の機会に回すとして、簡単に言うと「あなたのPC上でプログラミングを行って、画面の動きやデータベースを使った動作を確認できる環境を構築すること」です。 もっと簡単に言うと、「ネット上のサーバーを使わずに、あなたのPCでプログラミングができるようにすること」と言えるでしょうか。

要するに、これをしないと 「そもそもプログラミングが勉強できない!」ということなのです。 しかし、これがあまりにも初心者に難しいため、プログラミングを教える側はいつも頭を悩ませています。 前述したビジュアルプログラミングやオンライン教材登場の背景には「環境設定なしで教えたい」という気持ちがかなりあったと推察します。

現に、オンラインで教えるプログラミングスクールでは、環境設定のいらない仕組みを採用しているところが多いようです。 初心者に対して確実に環境設定をおこなうには、マンツーマンの個別指導しかありません。 テックガーデンスクールではその方法をとっていますが、それでも100%確実ではなく、4-5回に1回程度はトラブルに見舞われます。

ひと手間くらいかければ大抵は解決しますが、そのひと手間にいくつかパターンがあるのが困りものです。 プログラミング初心者である中高年の方々を対象とする当スクールの歴史は環境設定との戦いであった、と言っても過言ではありません。

そんな世界ですから、当然、書籍や教材(つまり対面指導ではない状況)で環境設定の方法を伝えるのはもっと困難です。 仮想サーバのバージョンやPCのOSのバージョンによっても左右されますし、しょっちゅうバージョンが変わるので、書籍などに掲載されている操作画面の画像は必ずしも最新版でないことが多いです。

そんな中、最新の情報をなるべくわかりやすく伝えようと努力されているサイトをいくつか御紹介します。

<Mac>
Reasonable Code 【Mac】MAMPでPHPの環境構築を行う

BeCrazy PHPの環境構築 (初心者・MacOS向け)

MAMPのインストール(macOS用)

ショートプログラム MacのパソコンにMAMPをインストールした (動画あり)

<Windows>
Qiita WindowsにPHPの環境を作る(XAMPPのインストール)

attracter【WindowsにPHP動作環境を作る】XAMPPの導入方法

プログラミング講座PHP編第0回~PHPってなに?XAMPPインストール (動画)

【実践編】開発環境XAMPPのインストールと使い方! Chapter2 #5 (動画)

中高年のプログラミング勉強あるある5: 環境設定が難しすぎてプログラミングの勉強に入れない。 専門家(先生やエンジニア)の手を借りてやっと前進できる。

6) プログラミングのためのエディターについて

自分のPCでプログラミング言語を使ってプログラミング(コーディング)を行なうには、言語を入力するための専用のソフト(エディターと呼びます)を使いましょう。

ここでは代表的なエディターであるSublime textのインストールと使い方が解説されているサイトをいくつか御紹介します。

Programing beginner by koala:Sublime text3のダウンロード~日本語化まで【画像+動画の過保護説明】

Programing beginnerby koala:sublime text3のダウンロード&インストールから日本語化までの説明 (動画)

山田の自由研究:Sublime Textーインストール方法と日本語化【初心者にも分かりやすく】

中高年のプログラミング勉強あるある6: 中高年の方々は、エディターをインストールして開くところまではできたけど、どう使っていいかわからない。 ファイルを作って保存する方法が、「直感的に」わからない人は超初心者の人には非常に多いです。

7) 中高年の方々は、プログラムを写経して成功体験を積め! (引き続きPHP用を参考に)

① 環境設定後の動作確認
無事、PHPの環境設定が終わった(と思った)方は、 サンプルコードの動作確認(画面表示)を確認しましょう。それもよくわからない、という方は以下の書籍の最初のほうにあるコードを動かして、画面表示してみましょう。

ちなみに、最初に表示させる文としてよく出てくるのが “ Hello World ! ” というのがお馴染みです。 皆さんも是非成功させて、プログラミングの世界に “Hello World ! ” デビューしてくださいね。

中高年のプログラミング勉強あるある7: 中高年の方々はどうやって動作確認すればよいか、さっぱりわからない。 そもそも動作確認って何? というのがほとんどの中高年の超初心者の状態です。 MAMP(あるいはXAMPP)を立ち上げ、ブラウザを開き、URLを入れてアクセスする。この手順は、超初心者には十分難しい操作なのです。

② 写経をやってみよう!
まずできることとして、何か1冊の書籍を購入し、そのプログラミング内容を自分のPC上に書き写して動かすこと(写経)をお勧めします。超初心者の方には文法が易しく、初心者向けの情報も多い「PHP」がおすすめです。

そこで、中高年だけでなく、シニアの方々にもわかりやすい以下の2冊をご紹介いたします。

3. 「いきなりはじめるPHP~ワクワク・ドキドキの入門教室」 谷藤賢一  リックテレコム

4. 「イラストでよくわかるPHP はじめてのWebプログラミング入門」 岡本 雄樹 (著), アシアル株式会社 (著), めじろまち (著)  インプレス

3. の本は谷藤先生の「教えたい!」熱意が行間から伝わってくる名著&ベストセラーですし、4.の本は前述したMonacaシステムを開発運営しているアシアル(株)のエンジニアの方がわかりやすく書いています。

このレベルの書籍の内容を写経して、

◆ ファイルを作る

◆ コーディングする

◆ ファイルを保存する

◆ ブラウザで画面を表示する

この流れをまずは自分のものにしてください。 2−3回写経していくうちに、おのずと文法や本の解説の意味することろが実感としてわかってくると思います。 このレベルの書籍を使いこなせるようになったら、実際のアプリ開発に近いレベルのものに挑戦してみましょう。

この段階では書籍3. の続編と言える谷藤先生の以下の本 5. がお勧めです! かなり歯ごたえがありますので、3回は写経してみてください。 また、2017年に改訂されている点も魅力です。レビューでも非常に評判が良いです。

5. 「気づけばプロ並みPHP 改訂版–ゼロから作れる人になる! 」 谷藤賢一  リックテレコム (2017/2/18)

ここまできたら、もう初心者は卒業ですね! 更に中級者を目指すには、アプリ開発・サービス開発に必須の道具である「フレームワーク」の勉強もしておきましょう。

中高年のプログラミング勉強あるある8: 中高年の方々は、本と同じようにプログラムを写経したのに動かない! コーディングする際に、超初心者は半角・直接入力でタイプすることが難しく、全角のスペースや ダブルクオテーション「“」 を使ってしまいます。 文末のセミコロン「;」 も忘れがちですし、 if文などで使う{ } のペアの片方を知らないうちに削除してしまっている、というケースも非常に多いです。これらの記述ミスが中高年はもちろん、シニアの方々には気がつきにくいものばかりなのです。

③ フレームワークとは?
「フレームワーク」とはPHP以外のプログラミング言語でもほとんどと言っていいくらい用意されている仕組みです。 最低限プログラミング言語があればアプリケーション開発が始められますが、実際にはプログラミング言語をそのまま素で使用することはまずありません。

効率的な開発には開発フレームワーク(アプリケーションフレームワーク、ソフトウェアフレームワークとも言います)の活用が必須であり、IT企業やプロの現場でも普通に使われています。 開発フレームワークとは、アプリケーション開発を行う上での「枠組み」(=Framework)のことです。

先人たちの経験によって積み重ねられた実際の開発に必要な様々なノウハウが凝縮されており、以下のような利点があります。

◆コードを機能別のファイルとして分けることで役割が明確になり、見通しが良くなる

◆格納するフォルダやファイル名の付け方もルール化されている

◆複数人で開発する際も皆同じ作り方になり、分散・並行開発がしやすく品質が安定する

◆やりたいビジネスやサービスの開発に集中できるよく使われる機能は標準で搭載されており、簡単に利用できる

◆必要のないコードは極力省略できる(自動で判断してやってくれる)

各プログラミング言語にはそれぞれ有名な開発フレームワークが存在します。

PHP: Cake PHP、Symfony、Laravel等

Ruby: Ruby on Rails, Sinatra等

Python: Django、Flask等

欠点をあえて挙げると、標準化や自動化のためにどうしても余分なコードを読むことで、スピードが本当にほんの少し遅くなることぐらいです。 しかしながら普通のサービスだったら全然気にならないレベルなのでご安心を。 それよりも得られる利点のほうが圧倒的に大きいため、開発フレームワークを活用するのが当たり前となっています。

④ PHPフレームワーク

ビジネスレベルのアプリケーション開発には「フレームワーク」の使用はもはや常識です。Tech Garden Schoolでも有名なPHPフレームワークであるCake PHPを採用しています。 今までフレームワークを扱った超初心者向けの本は殆ど無かったのですが、以下の2冊はその先鞭をつけたものといえるでしょう。
5. 「~短期集中講座~ 土日でわかる PHPプログラミング教室 環境づくりからWebアプリが動くまでの2日間コース」 吉谷 愛 (著)  SBクリエイティブ

6. 「即戦力になるための PHPシステム開発の教科書」 マッキーソフト株式会社 (著), 鶴田 展之 (監修)  技術評論社

書籍5. ではFuel PHPというフレームワーク, 書籍6. ではCake PHPというフレームワークを使っていますが、仕組みとして大きな違いはありませんので、気にせず挑戦してみてください。

中高年のプログラミング勉強あるある9: 誰でも大きく間違えないようにレールが敷かれているのがフレームワークの特長なのですが、その反面、MVCモデルの使い方には多少の慣れが必要になります。 合理的で、短いコードで動くようにできているので、中高年の初心者にとって最初はとっつきにくく、コードを眺めているだけでは理解しにくいように感じるかもしれません。

⑤ 動画サービス :ドットインストール( https://dotinstall.com/ )

プログラミングの独学を志す中高年の方に対してどうしても紹介したいサービスがプログラミング学習動画サービス「ドットインストール」です。 結構エンジニアを目指す人を意識して作られているので、前述までのオンライン学習や写経をある程度やってから挑戦されるのが良いかもしれません。 初級〜中級者向けと思います。

しかしなんと言っても、豊富な動画数、カバーされている言語や内容の広さと深さには圧倒されます。これでプレミアム会員 月額¥1,080です! 是非スキマ時間に眺めたり、週末に写経に挑戦したりしてみてくださいね。 環境設定やエディターの使い方、最初のレッスンなどかなりの部分が無料会員でも視聴可能なのも非常に良心的です。

テックガーデンスクールの慶大生スタッフで、プログラミング独学で大手IT企業にエンジニア就職した人がいたのですが、彼が「ドットインストールのプレミアム会員になって、倍速再生機能などでざっと勉強したっす!」と言っていたのを思い出します。 プレミアム会員になると、

◆ ソース閲覧できる

◆ 再生速度を倍速にできる

◆ エンジニアに月5回まで質問できる(βサービス: 2021/5/7現在)

などの機能がついてきます。 写経するなら、プレミアム会員になるのは必須です。 また、エンジニアへの質問サービスを実験的に実施しているのは要注目です!

また、ドットインストールのお勧めの学習の順番が書いてある「プログラミング学習ガイド」の内容が非常に良いので是非参考にしてください。 最初は環境設定のいらないHTML/CSS/JavaScriptから始める、という考えに私も同感です。

⑥ データベースの作り方 環境設定と並んで、中高年の初心者の人にとってハードルの高いのが、「phpMyAdminを使ったデータベースの作り方」です。

この部分にページ数を多く割いている書籍は少ないので、いくつかのサイトをご参考までに紹介しておきますね。

◆AdminWeb phpMyAdminを使ったサンプルデータベースの作成

◆DBOnline phpMyAdminの使い方

◆DBOnline テーブルの作成

中高年のプログラミング勉強あるある10: 最初にデータベースを作って、SQL文を使って実際にデータを保存したり取得したりできるようになるのは、中高年の方々、はちょっと苦労するところかもしれません。 超初心者でも最初にスッと動くように指導している書籍や動画を参考にしてみて下さい!

8) 中高年の方々は作りたいものを作りながらプログラミング学ぼう!!〜Tech Garden School誕生秘話〜

次の段階は、「あなたが作りたいもの」を「作りながら学ぶ」ことです。これが一番楽しいし、高いモチベーションを継続して学んでいくために最も理にかなった方法と言えるでしょう。 どのエンジニアの先生に聞いても、プログラミングを学ぶのに最も適した方法はこれだとおっしゃいます。

そう言えば、2010年のことですが、私が何もITやプログラミングの知識もなく、「外注」でウェブサイト、ウェブアプリ、iPhoneアプリの制作を依頼した際に、200-300万円の費用を使ったものの結局全て無駄に終わってしまったことがありました。

その際、あるエンジニアの方に相談したところ、こんな会話になりました。

エンジニア:「高橋さん、起業する人もプログラミングができたほうがいいんですよ」

私 : 「確かに………でもどうやって習得するのが1番いいんですか?」

エンジニア:「そうですね〜 やっぱ自分が ”作りたいものを作りながら学ぶ” のが1番でしょう」

私 : 「それをするのにはどれくらいの期間かかるんですか?」

エンジニア:「そうですね〜 3ヶ月。」

私 : 「!! えっ。 たった3ヶ月?」

エンジニア : 「はい」

私 :「作りたいものが作れて、しかもプログラミングが習得できると。 やります!」

この会話がきっかけとなり、2011年「起業家のためのプログラミング教室」としてClub86 Startup School(Tech Garden Schoolの前身)を立ち上げることとなったのです。

しかし、私の作りたいものは3ヶ月ではできなかったし、プログラミングも3ヶ月では習得できませんでした。 やりたいことに導かれてプログラミングを勉強するのは理想ではあるけれど、 やはり基礎的な勉強は土台としてある程度は必要であろう、という結論に達しました。

それがないと、インターネットで検索してもその内容についていけないし、今の自分に必要な書籍や情報を取捨選択することができないからです。 ですから、テックガーデンスクールの最初のゴールの1つは「自分に必要な書籍や情報を選択することができるようになる」であり、また「今の自分のスキルで挑戦できるレベルを把握できるようになる」ことです。

話が脇にそれましたが、 今まで述べてきた勉強は、あくまでも「 作りたいものを作りながら学ぶ」ための準備であって、全てはこのためにある、ということを肝に命じて欲しいと思います。 プログラミングの醍醐味である「自分の思うように動かす楽しさ、快感」を味わってこの世界にハマれるかどうかは、この段階にかかっているといっても過言ではないでしょう。

くれぐれも、「勉強のための勉強」 で終わらないようにしたいものです。 当スクールの中田先生による「開発の進め方」のブログを参考までに御紹介いたします。 プロも開発でおこなっている基本的な手順ですので、皆さんも小さなアプリを作る際の設計の参考にしてみてくださいね。 「手を動かす前の設計が勝負!」ということを御理解いただければ幸いです。

折角ここまでのレベルに来た人に挫折してほしくないので、2点ほどアドバイスをさせてください。

● 大作に挑戦しない

皆さんが普段見ているアプリはプロの作ったアプリです。そのため、どんなアプリを作ろうか考えた時、いつも見ているプロが制作したものと同じ機能やデザインを思い浮かべてしまいます。まずは身の丈にあった小さなものを一つ作って成功体験と経験を積まれることをお勧めします。 簡単なものを2〜3個作って公開、知り合いに使ってもらいフィードバックを受ける。

この繰り返しが大切です。 まずは「公開する」ということが何よりのステップアップなのです。 シニアの代表とも言える、80代プログラマーとして有名になった若宮正子さん*の「hinadan (ひな壇)」アプリも、デザインや音の組み合わせでかっこいいアプリになっていますが、機能(アルゴリズム)としてはそれほど複雑なものではありません。

特に中高年で初心者の我々は、複雑で難しいものに挑戦する必要はないと思います。 そういう意味で、「hinadan (ひな壇)」は中高年で初心者にとっての良いお手本でしょう。

中高年のプログラミング勉強あるある11: 中高年の世代は、大作アプリ(いわゆる世に出ていて皆が知っているようなサービス)を意識するあまり、あれもこれもと機能を追加しようとしてなかなか完成しない。その間にモチベーションがなくなってしまい悪い方向へ。

● 信頼できるエンジニアのアドバイスがもらえる環境でおこなうこと

いくら自分の「作りたいもの」でも中高年の初心者がいきなり独力で挑戦するのには無理があります。シニア世代の若宮さんも、東北文化学園大学の非常勤講師を務める小泉勝志郎さんにスカイプで指導を受けながら作成を進めていたようです*。

本稿の独学の手法からは少し外れてしまうかもしれませんが、中高年で初心者の独学では伸びしろに限界が出てくる頃ですので、信頼できる専門家を探しましょう。

* 五反田計画: 82歳のiPhoneアプリ開発者! 若宮正子さんに聞く、プログラミング学習とアプリ開発のコツ

中高年のプログラミング勉強あるある12: 中高年の方々は、エンジニアや他人に相談すれば15分で気がつくようなちょっとしたエラー・不具合に1ヶ月以上悩んでしまうことも (自分の目ではミスに気が付きにくいものなのです!)。 サーバーの環境設定や、Git管理用のツールの使いかたに慣れておらず、実際にコーディングする前に疲れてしまう。
身の丈を超えた複雑なデータを扱っていることに気が付かず、データベースの設計自体でどうして良いかわからなくなってしまう。

プログラミングの上達ステップ

ここでは、プログラミングの上達ステップについて、7つのステップに分けて解説していきます。

ステップ①:文法をさっと学ぶ

プログラミングをマスターするためには、まずは文法を押さえることが必要です。

最初は本やサイトを利用して学ぶとよいでしょう。本やサイトを1周しただけでは、まだまだ理解度は十分とは言えません。知らない用語やわからないところがあっても、まずは読み進めてみましょう。後で手を動かしたりしていくうちに、理解が深まるところも多くあるため、わからない箇所が出てきてもすぐに諦めないことが重要です。

ステップ②:サンプルアプリを真似する

本やサイトで基本的な文法を学んだら、本やサイトで紹介されているサンプルアプリを真似してみましょう。本やサイトの内容を参考に、コードをコピペするか、コードを見ながら自分で同じように書いてみます。そしてコードを記述できたら、サンプルアプリと同じように表示できるか、動作するかを確認してみましょう。

ステップ③:少しアレンジしてみる

サンプルアプリと同じプログラムを作れたら、それを少しだけアレンジしてみます。たとえば、表示の色やサイズを変えてみる、文章や数字を変えてみるなど、小さくても良いので内容を変えてみましょう。アレンジをしてみることで、コードのなかでどこを変えればよいか、逆にどこを変えてはいけないかが理解できるようになります。

ステップ④:自分で使う場面をイメージする

本やサイトで学んだ後は、学んで終わりではなく、アウトプットとして自分で使えるところがないか考えることが大切です。職場の業務など、自分で使えそうな場面がないか考えてみましょう。使えそうな場面が思い浮かんだら、具体的な表示や動きをイメージしながら、必要なデータなどがないかを考えていきます。

ステップ⑤:自分で作りたいものを作る

自分で使う場面をイメージできたら、実際にイメージしてみたものを作ってみます。ここでポイントとなるのが、最初のうちはあまり壮大なものを考えすぎないことです。いきなり壮大なものを作ろうとすると、思わぬエラーや問題が発生して、結局作れないことになってしまいます。そのため、なるべく本やサイトの内容に沿うようにして、変えすぎないのがポイントです。いざ作ってみると、本やサイトの内容に沿っているつもりでも、さまざまなエラーや問題が発生することに気づくでしょう。

ステップ⑥:エラーや問題を乗り越える

プログラミングを行う際は、必ずといって良いほどエラーや問題が生じます。プロでもエラーは発生するので、初心者であれば尚更エラーや問題に多く直面するでしょう。しかし、エラーが出たからといって過度に心配する必要はありません。同じようにエラーで困っている人は少なからずいるため、ネット検索したり、周囲に相談して対応できるように頑張ってみましょう。最近では、エラーの文言をAIに投げて、回答をもらうのも一つの手です。

ステップ⑦:できる幅を少しずつ広げていく

プログラミングの上達を目指していくうえでは、場数を踏むことが重要です。徐々にアレンジしたり、エラーの原因を調べたりしながら、できる幅を少しずつ広げていくようにしましょう。たとえば、作ったプログラムに対して新しい機能を取り入れたり、もう一つ別の似たようなプログラムを作ってみたりしながら、できることを少しずつ増やしていくことがポイントです。

プログラミングの勉強で陥りやすいポイント

ここでは、プログラミングの勉強で陥りやすいポイントとして、6つの挫折ポイントを解説します。

挫折ポイント①:ITリテラシーが足りていない

プログラミングで挫折するポイントとして、そもそもITリテラシーが足りていないという問題があります。たとえば、ショートカットキーやファイル検索、ブラウザ操作といった基本的なITリテラシーが身に付いていないと、プログラミングの前にPC操作でつまづいてしまうでしょう。プログラミングの文法や構文などの習得に集中するためにも、基本的なPC操作などは先に覚えておくことが重要です。

挫折ポイント②:環境設定が難しい。学習の準備を整えるのが難しい。

初心者にとっては、環境設定などの学習準備も難しく感じるものです。本やサイトなどと同じようにやっているつもりでも、PCのOSのバージョンが違ったりすることで、なかなか思い通りにいかない可能性もあるでしょう。ここで挫折しないためには、質問や相談できる相手(友人や知人、スクールなど)を見つけておくことが大切です。

挫折ポイント③:教材通り上手くいかない場合や内容がわからない場合に、学習が止まってしまう。

学習準備ができたとしても、教材通りに上手くいかないケースも多いでしょう。上手く行かないことで、学習が止まってしまい、そのまま挫折してしまうこともあります。ここでも、学習準備の時と同じように質問や相談できる相手を見つけておくことが大事なポイントとなります。

挫折ポイント④:何をどういう順番で勉強していいかわからない。

プログラミング初心者の50代にとっては、何をどういう順番で勉強していいかわからないということも挫折ポイントです。「何から始めれば良いのかわからない」「どの本やサイトが良いのかわからない」「次に何をすれば良いのかわからない」という悩みを持つ方も多いでしょう。身近な人の事例を参考にしたり、詳しい人に相談に乗ってもらったりしながら、自分に合った学習計画を立てていくことが重要です。

挫折ポイント⑤:自分一人で何を勉強していいかわからない

独学でプログラミングを習得しようとすると、自分一人で何を勉強したら良いのかわからなくなってしまいがちです。特にプログラミング初心者の50代の場合、独学ですべてマスターできる人はかなりの少数派であるといえるでしょう。習得スピードや効率の観点からも、50代初心者が自分一人ですべて習得しようとするのはおすすめできません。「何がわからないのかさえわからない状態」に陥りがちなため、50代初心者は独学は無理と割り切って、スクールなどを活用することも有効な手段です。

挫折ポイントを乗り越えた中高年の方々は最後に「プログラミングで作りたいものが見つからない」症候群を退治せよ!

将来どんなにプログラミング教育が発展しても、今後、小中学生から中高年・シニアに至るまで共通の落とし穴になる、と確信している大問題があります。

それは、プログラミング・ITスキルを身につけたものの、 「自分が作りたいもの、やりたいことがわからない!」 という ”作りたいこと・やりたいことがわからない” 症候群です。

プログラミングはあくまで道具であって、どんな料理を作るのかを決めるのは「あなた」です。 それが決まらないと、家に招いたお客さんにずっと料理が出せずに待ちぼうけを食らわせることになってしまいますよね(笑)

若宮さんは、 “何を作るかを考えるときは、「どこにニーズがあるのか」を見つける力が必要です。そのためには、リアルな生活を充実させて、いわゆる“リア充”にならなければなりません。 小学校でプログラミング学習が必修化しますが、子どもは本来「作りたい本能」を持っているはず。そこは先生の教育のやり方にかかっていますが、担任の先生が教える仕組みだと難しいでしょうね。”

引用: 五反田計画: 82歳のiPhoneアプリ開発者! 若宮正子さんに聞く、プログラミング学習とアプリ開発のコツ(https://project.gotanda-valley.com/16650/) とおっしゃっており、同じ問題意識をお持ちです。

プログラミング教育に携わっているどの人やスクールも、上から言われたものだけを作る、いわゆる「サラリーマン根性のプログラマー」の育成をゴールやビジョンにはしていないと思います。 皆、「自ら考え、社会課題の解決に貢献するリーダーシップを、ITを通じて育成し、自立志向の人間を増やす」ことを目的にしているはずです。

文部省の小中の新教育指導要綱でも以下のように述べられています。

“小学校段階におけるプログラミング教育のねらい ①プログラミング的思考を育むこと ②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと ③各教科等での学びをより確実なものとすること”

引用: 小学校プログラミング教育について 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

そもそも、「自分は何が好きで、どんなことをやっていきたいのか」これは子供から大学生、社会人にいたるまで、すべての日本人が抱えている根源的な課題のような気がします。 テックガーデンスクールは、道具としてのプログラミング教育にとどまらず、「作りたいもの」「やりたいこと」を自ら見つけていく手法の開発にも挑戦していくつもりです。 皆さんに、お会いして色々なお話をお伺いできればと思っております。

挫折の落とし穴にはまらないようにスクールでは学習ができます

本記事で解説した挫折の落とし穴にはまらないためには、スクールでの学習が効果的です。ここでは、スクールでの学習が効果的である理由について解説していきます。

土台となるITリテラシーから指導

スクールでは、プログラミングだけでなく土台となるITリテラシーから指導を受けることができます。プログラミングの学習希望者にはさまざまなレベルの方がおり、「そもそもPC操作がよくわからない」という50代も少なくありません。そのような方でも、スクールに通えば簡単なPC操作から丁寧に教えてもらえます。

生徒さんのPCで環境設定や学習の準備を指導

スクールでは、生徒さんが実際に使っているPCで環境設定や学習の準備を指導していきます。自分のPCだと本やサイトの内容通りにならず、独学を諦めてしまった方でも、スクールであれば自分のPCを使って進めていくことができるため安心です。

画面共有しながら、詰まった箇所など確認しながら指導

スクールで学習すれば、画面共有しながら詰まった箇所など確認し、指導を進めていくことができます。プログラミングを勉強していくと、エラーやわからない箇所が頻繁に出てくるでしょう。独学ではそのたびに苦労しますが、スクールであればその場で一緒に確認できるためスムーズに学習することが可能です。

生徒さんに合わせたオーダーメイドカリキュラムを作成して指導

プログラミングの学習目的やレベル、勉強に割ける時間などは人によってさまざまです。そのため、本やサイトを見ているだけでは、自分自身に合ったカリキュラムで勉強することが難しくなります。しかし、スクールの場合は、一人ひとりの生徒さんに合わせたオーダーメイドカリキュラムを作成して指導することが可能です。あなた自身に最適なカリキュラムで学習していくことで、効率的にプログラミングを習得することができるでしょう。

やりたいこと、目標を確認したうえで、進捗管理

スクールでは、最初に設定したやりたいことや目標に対して、一緒に進捗管理していくこともできます。はじめにやりたいことや目標を立てたものの、その後は放置状態という方も少なくないでしょう。スクールで一緒に進捗確認していくことで、達成状況を振り返ったり、今後の方向性を確認することが可能です。

自分で学んでいけるように自走力が身に付く

スクールの良さは、指導やカリキュラム作成、進捗管理といった学習の併走だけではありません。最終的には生徒さんが自分一人でも学んでいけるよう、自走力が身に付くように支援もしていきます。スクールは、指導や支援を通じて、ゆくゆくは生徒さんが一人立ちしていくためのいわば「自転車の補助輪」のような役割を担っているといえます。

まとめ

インターネット社会の現代では、さまざまな情報を入手できるため、プログラミングの独学も不可能ではありません。しかし、プログラミング初心者の50代にとっては、勉強の仕方やモチベーション維持などの観点から独学は難しいといえるでしょう。人間は、1人では「技術的、精神的に自分を支える仕組み」を構築することは困難です。また、勉強の方向性を間違ってしまうと時間も労力も無駄になってしまうため、特にはじめのうちはスクールなどを活用して先生やメンターを見つけるのが有効です。スクールであれば、あなたに合ったオーダーメイドカリキュラムで一緒に活動計画や進捗管理を作成し、指導を受けたり実際に手を動かして実践したりできます。それだけでなく、「環境と習慣」を提供してくれるため、モチベーション維持にもつながるでしょう。

さあ、ここまで長く解説をしてきましたが、自分にあった方法を見つけて、プログラミングができる中高年へ歩み始めてください!

もしここまで読んできた中で不安な点があるという方やスクールへ通うことも検討したいという方はプログラミングの勉強を始めたい中高年におすすめのスクールをぜひご覧になってください。 これまでの指導経験からどのようなスクールが中高年やシニアの皆さんにあっているか、様々な観点から解説しています。

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