45歳以上の中高年・シニアが「働きながら」学び直すなら、宅建、簿記2級、Excel VBAの「教育訓練給付金」がおすすめ

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45歳以上の中高年・シニアが「働きながら」学び直すなら、宅建、簿記2級、Excel VBAの「教育訓練給付金」がおすすめ 

50代会社員のあなたがセカンドキャリアのための学び直しを行う際、独学で知識をつけるのは大変ですよね。 日本には『教育訓練給付制度』など新しいチャレンジを後押しする制度がたくさんあります。 そこでこの記事では中高年・シニア世代におすすめの教育訓練給付金制度と講座についてご紹介します。

50代の中高年がセカンドキャリアのために専門性や知識をつけて収入につなげるための職業訓練等の支援策にはどんなものがあるの? また訓練終了後はどうなるのでしょうか?

50代会社員が「働きながら」セカンドキャリアのための学び直しをおこなう場合『教育訓練給付金制度』など公的支援制度を活用することをおすすめします。 仕事に直結しかつ今までの経験との相乗効果が得やすい資格(宅建、簿記2級、Excel VBAエキスパートなど)が人気です。ただし、おすすめの講座をやみくもに受講するのではなく、事前にセカンドキャリアプランを作成し、あなたの今までの経験とスキルを棚卸しした後に、そのギャップを埋めるための学び直しを検討しましょう。

訓練終了後には、ハローワークで企業とのマッチング・紹介を含む就職のためのサポートが受けられたり、求職登録サービスが受けられます。

結論:中高年・シニア世代が働きながら学び直すなら『教育訓練給付金制度』を活用するのがおすすめ!

50代会社員が働きながらセカンドキャリアについて学び直す際、『教育訓練給付金制度』など公的支援制度を活用することをおすすめします。雇用保険に加入している方が指定された教育訓練講座を受講し、修了すると、掛かった費用の20%(上限10万円)が支給されます。

講座選びのポイントは、直接仕事に関連する資格(宅建、簿記2級、Excel VBAエキスパートなど)から、自身の目指すセカンドキャリアに合った学び直しを検討することです。これにより、経験やスキルとの相乗効果が期待できるでしょう。

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厚生労働省 教育訓練給付金制度とは

技術の進展が早くなり、社会人の学び直しが必要不可欠なものとなっている時代に合わせて、厚生労働省では教育訓練給付金制度*を実施しています。主体的に能力開発やキャリア形成をしようとする人を国が支援する制度で、現在に通用するスキルの習得は同時に雇用の安定と就職の促進に繋がります。

*厚生労働省 教育訓練給付制度

社会人個人の学び直しを支援するための給付金制度

教育訓練給付金制度は、基本的には社会人個人の学び直しや職業訓練を支援するためのものです。 企業が社員の研修を行う際に企業に対して支給される補助金は別の制度となりますのでご注意ください。

厚生労働省が現在のビジネスの世界で活躍するために必要と考えるスキルを得られる講座を指定し、その講座を修了すると受講にかかった費用の一部が支給されます。

一度受講者本人が受講費用を支払う必要がありますが、きちんと指定講座を修了すれば、後で支給される制度です。指定講座のジャンルや種類が豊富なことも特徴の一つです。 

 ハローワークに行くと、受給条件やお近くの認定スクールなどを教えてくれますし、キャリアカウンセリングを受けることもできます。

職業訓練(ハロートレーニング)とは

職業訓練(ハロートレーニング)は現在就業していない求職者が対象の制度です。失業保険受給中の求職者を主な対象とする「公共職業訓練(離職者訓練)」と失業保険を受けられない方が対象の「求職者支援訓練(求職者支援制度に基づく認定職業訓練)」に分かれています。

どちらも受講料は無料(一部有料の場合あり)で、「公共職業訓練」の場合は失業手当の延長給付、「求職者支援訓練」の場合は月10万円の給付があるのが特長です。

「働きながら」学び直す場合には、本記事で解説する「教育訓練給付金制度」のみが対象ですが、現在離職中の人や、近い将来離職予定のある人は、「職業訓練(ハロートレーニング)」も検討してみましょう。

職業訓練(ハロートレーニング)との違い

教育訓練給付金制度と職業訓練(ハロートレーニング)はどちらも雇用保険に関わる教育訓練の支援制度です。違いについては、対象者や受給条件などわかりにくい面も多いですが、以下のサイトで非常にわかりやすく解説されています。
ぜひ参考にしてみてください。

参照元: キベリンブログ   「職業訓練と教育訓練給付はどちらがお得?【選び方と4つの視点】」

いずれにしても、まずはハローワークに行き、専門家によるキャリアカウンセリングを受けた上で、あなたの現状と将来のキャリアにマッチする講座と制度を相談されることをおすすめします。その際、事前に「ジョブ・カード*」を作成しておくと相談支援や求職活動の手続きを円滑に進めることができるでしょう。

*ジョブ・カード制度:ジョブ・カードを「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用する制度

*マイジョブ・カード :オンラインでジョブ・カードが作成できるツール

45歳以上で教育訓練給付金をもらえるのは3パターン

教育訓練給付制度には

①一般教育訓練給付金
②特定一般教育訓練給付金
③専門実践教育訓練給付金
④教育訓練支援給付金

という4種類の給付制度がありますが、④教育訓練支援給付金については45歳未満の方が対象になるため、45歳以上の方は①〜③を活用することになります。もちろん50代の方も対象です。

①一般教育訓練給付金と②特定一般教育訓練給付金は一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了したときに支給される給付金です。


厚生労働省  教育訓練給付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html


一般教育訓練

【目的・概要】一般教育訓練は雇用の安定・就職の促進に資することを目的としたものが対象となります。英語検定など語学に関する資格取得を目指すもの、簿記検定など経理の仕事に関する資格取得を目指すもの、ITパスポートなどデジタルスキルの基礎を証明する資格取得を目指すものなどが対象です。

【支給額】最大で受講費用の20%(上限は10万円)

【手続き】受給資格があるかどうかを確認*した上で、教育機関の対象講座に申込みを行う。 ハローワークでのキャリアコンサルティングは必須ではありません。

*教育訓練給付金の受給要件については、厚生労働省のサイトを御覧ください。 念の為、ご自身の住所を管轄するハローワークで、自分が受給対象になっているかどうかを確認することを強くお勧めいたします。

特定一般教育訓練

【目的・概要】輸送・機械運転関係の資格など、速やかな再就職に資するスキルを身につける目的を持って行うものが対象となります。対象講座の例としては、宅建など業務独占資格などを取得する講座やデジタルスキルに関する講座があります。

【支給額】最大で受講費用の40%(上限は20万円)

【手続き】
① ハローワークでキャリアコンサルティングを受ける
② ハローワークにて受給資格の確認をおこなう 

教育機関の対象講座に申込みを行う。

ハローワークで必ずキャリアコンサルティングを受けるのが要件となっています。面倒かもしれませんが、受講後の職探しや今までの経験とのマッチング・適正を事前に専門家と相談しておくことは非常に重要なので、是非前向きに活用してください。

専門実践教育訓練

【目的・概要】看護師、保育士などの国家資格の必要な専門性の高い職種だったり、大学院レベルの高等教育のような中長期的なキャリア形成に資するスキルを身につける目的を持って行うものが対象となります。

対象となるのは業務独占資格などを取得する講座、これから必要とされるデジタルスキルに関する講座などです。大学/大学院/専門学校等の課程も対象となっています。

【支給額】 最大の受講費用の50%(年間上限は40万円)
+  教育訓練によって資格を取得し、訓練を修了してから1年以内に雇用(雇用保険の被保険者)された場合、受講費用の20%が追加支給される。


【手続き】
① ハローワークでキャリアコンサルティングを受ける
② ハローワークにて受給資格の確認をおこなう 

教育機関の対象講座に申込みを行う。

参照元

「ハローワークインターネットサービス」

「厚生労働省 ハロートレーニング」

「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」

「公益財団法人 産業雇用安定センター」 

セカンドキャリアのための学び直しにおすすめの給付金対象講座

ここでは、50代会社員が「働きながら」セカンドキャリアに備えて学び直しをする場合に、おすすめの給付金対象講座についてご説明します。 おすすめにあたって重視するポイントを以下に示しますね。

ポイント1:未経験でもパート・派遣・業務委託として仕事を獲得できるかどうか

ポイント2:未経験でもフリーランスとして案件が獲得できるかどうか

ポイント3:今までの経験・スキルと相乗効果(付加価値を加えること)があるかどうか

宅建

不動産取引では、宅建資格保持者の独占業務(重要事項の説明、重要事項説明書の交付、契約書への記名押印)が法律で定められており、不動産業の営業などでの必須資格となっています。そのため、未経験の中高年でも就職に直結しやすいおすすめの資格です。

一般のスクールでの講座費用は大体 10-20万円程度で、一般教育訓練給付金を受けると最大10万円、特定一般教育訓練給付金を受けると最大20万円、が補助されることになるので大変おすすめです。

一般教育訓練 対象講座例:LEC東京リーガルマインド 宅建パーフェクト合格フルコース通学+(Web+音声DL) 6ヵ月

特定一般教育訓練 対象講座例 :資格スクール大栄 【通信】宅建士SkiP講座 11月開講

日商簿記2級

簿記2級は、経理・財務業務の担当者とし中小企業や税理士・会計士事務所などからの求人がコンスタントにある資格です。また、クラウドワークスなどで在宅の仕訳業務などの受注も可能ですし、派遣としても重宝されるので大変おすすめです。

更に、今まで働いてきた業界(金融、製造など)の専門知識を活かしたり、Excel VBA/Pythonなどの業務効率化プログラミングスキルと組み合わせると、希望に合った条件の職場でお仕事を獲得しやすくなると思います。

一般のスクールでの講座費用は大体 10万円前後で、一般教育訓練給付金を受けるとそのうち最大10万円が補助されることになるので大変おすすめです。

一般教育訓練 対象講座例:大原ビジネス公務員専門学校池袋校  簿記通学講座3級から学ぶ2級合格コース

Excel VBA エキスパート スタンダード

DX化の進む近年、ビジネスにおいてデータ活用や自動化などの業務効率化の取り組みが進んでいることから、データ分析・業務効率化ができる人材のニーズが高まっています。その中で、たとえ専門的なスキルを保有していない方でも、データの収集や加工、自動化など、データ分析や業務効率化に関する副業ができる環境が生まれています。

データ分析と言えばPythonが有名ですが、10万件以上のビッグデータでなければ、Excel VBAでもデータ分析ではほぼ同等のことができることはあまり知られていません。Excel VBAのほうが、身近ですぐに効果が実感できますし、Pythonよりも学びやすい言語ですので大変おすすめです。

実際には実務経験での実績が必要ですが、Excel VBAエキスパート スタンダード資格を持っていればある程度のスキルの証明になるので履歴書に書くことができれば大きいと思います。

この資格の一般のスクールでの講座費用は大体 15−30万円程度で、一般教育訓練給付金を受けるとそのうち最大10万円が補助されることになるので大変おすすめです。

一般教育訓練  対象講座例:KENスクール Excel VBA Standardライセンスパック

セカンドキャリアプラン作成のススメ

「教育訓練給付制度」は資格取得やスキルアップを経済的にサポートしてもらえるため、50代会社員が働きながらセカンドキャリアを築くのに大変便利でありがたい制度です。しかし「給付金が出るから」「無料で資格が取れるから」と、やみくもに受講を開始するのはおすすめできません。

あなたが定年後にどのような生き方・働き方をしたいのかを明確にしてから、人生のビジョンに合う仕事に必要なスキルを身につけることをおすすめします。

「勉強のための勉強」に時間を費やしたり、資格は持っているけれど仕事や実務に活かせていない・収入に結びつけていない中高年の人を多く見てきました。同じことが起こらないよう、これからご紹介するポイントをしっかり押さえながら、セカンドキャリアプランを作成してください。


セカンドキャリアプラン作成の手順

セカンドキャリアプランを作成する際は、ライフプラン・マネープラン・キャリアプランの3つを順に考えていくことが重要です。それぞれのプランについて詳しくご紹介します。



①   ライフプランの作成 :まずは自分の人生全体について考えてみましょう。これから起こりうる人生のイベントの他に、どんな生活を送りたいか、どんな価値観を大切にしたいかを明確にすることが大切です。

また、ライフプランを具体的に可視化するために、家族・趣味・健康・旅行などについて、目標やライフイベントをリストアップしていきましょう。これにより、具体的なステップを踏んで進めることができます。


②マネープランの作成:ライフプランでやりたいことや今後のライフイベントが洗い出せたら、次はお金について考えてみましょう。理想のライフスタイルとやりたいことをやるために必要な支出を洗い出し、今後どれくらいの収入が見込めるかを計画します。また、予想外の出費に備えて緊急基金を作成することも大切です。



③キャリアプランの作成 :マネープランが定まったら、最後にキャリアについて考えます。必要な収入を得るための収入源として、正社員・契約社員・フリーランスなど、自身の希望に合わせた雇用形態や働き方を検討しましょう。これまでの経験や自分の強み、興味を活かせる仕事やキャリアパスを見つけることも大切です。
 
最初から詳細に作成するのは大変という場合は、前述の「ジョブ・カードの作成」から入るのもおすすめです。


*以下の記事では「なぜ人生設計やお金のことを早めに考える必要があるのか」「老後の人生設計を効率的に進める方法」などを詳しく解説しています。各プランを作成する前に是非参考にしてみてください。

参考:50代から考える老後の人生設計や家族の将来設計とお金の話

学び直しすべき分野の見つけ方

セカンドキャリアプランやジョブカードがある程度作成できたら、次は、あなたが今までに働いてきた経験とスキルを洗い出しましょう。 そして作成したセカンドキャリアプランで、収入源として計画した仕事に必要なスキルは何かを明確にしていきます。今の自分と照らし合わせて

足りないものが見つかれば、それがあなたの「学び直しすべき分野」となります。

例えば、あなたが今まで営業事務としてエクセルなどでデータを扱ってきた経験とスキルを持っていると仮定しましょう。 セカンドキャリアでそれを活かすために、次の2つのアプローチが考えられます。

1) 中小企業での「事務+経理」の仕事に就くために『簿記2級』を取得、就職の機会を増やす
2) Excel VBAによる業務効率化スキルを習得し、中小企業での「事務」のDX人材として完全在宅での就職を目指す

といったイメージです。*以下の記事では、50代からのキャリアプランを考える際に、必要な準備や書き方のコツ、注意点などについてご紹介しています。キャリアプランの作成がなかなか進まない方は、こちらの記事も併せて参考にしてください。

参考:キャリアプランが思いつかない。そんなときは、今までの経験・スキルを棚卸しをし、足りない部分は学び直しで身につける

まとめ

今回は、45歳以上の中高年・シニアが「働きながら」学び直す際におすすめの公的支援制度『教育訓練給付金制度』についてご紹介しました。本記事を参考にしてご自身に合った講座を選択してください。

また、公的支援制度は複数あります。もしあなたが離職中、あるいは離職予定の場合は 『職業訓練制度(ハロートレーニング)』の検討もおすすめします。 いずれにしても、やみくもに講座を受講するのではなく、セカンドキャリアプランを作成し、今までの経験とスキルを棚卸しした上で、そのギャップを埋めるための学び直しを進めることが大切です。

最初の一歩として、ジョブカードの作成やハローワークの専門家によるキャリアカウンセリングを受けてみることもおすすめします。

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詳しくは記事【50代からのプログラミングスクール】中高年・シニアがプログラミングを学ぶことでセカンドキャリアにつながる4つのメリットとは? をご参照ください。

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