60歳からプログラマーを目指すのは難しいが、まずITスキルを身につけることで出来ることが増える
更新日:2024.08.04皆さんは60代で定年した後、どのように過ごしたいとお考えでしょうか。
一昔前であれば、のんびりと趣味に興じながら余生を過ごす、なんていうこともあったのかもしれませんが、『人生100年時代』と言われる現代では、60代で定年した後は優雅に年金生活、なんていう方は少数派ですよね。
総務省の調査によると実に60代後半の男性で約6割、女性でも約4割が仕事を続けています。(※1)
しかし、やる気はあっても一度定年を迎えてしまうと再び仕事に就くのは難しく、収入の減少は言うまでもない事でしょう。
更にそれまでの仕事のノウハウだけでは通用しなくなったりするのも60代の辛いところです。
こうした時代背景を受けて、当スクールには新たにITスキルを身に着けて仕事に活かしたい、という定年前後の60代の生徒さんが増えてきました。
(※1 総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1212.html)
リタイア間近の60代です。スマホを使うのもままならないのに、今からITスキルを学び直す必要があるのでしょうか? プログラミングやITを私のようなレベルの人が学んでも収入にはつながらないような気がします。
確かに今からプログラマーなどのプロを目指すのはオススメしません。しかし、今後はDX化の流れを受けてどの業種、どの職種でも最低限のITスキルが必要になります。、パートや派遣として在宅で仕事を獲得する際にもITスキルが必須条件になるでしょう。また、多少でもプログラミングやDXに関するITリテラシーがあれば、たとえシニア世代であっても、あなたの長年の経験と組合せた業種に絞ることで、好条件のやりがいのある仕事に就きやすくなります。
目次
結論:リタイア間近の60代こそITスキルの習得が大切。定年後の収入と生活を見据えて今から動き出そう
リタイアが近づいている60代の方々が定年後の収入確保や経済的な安定を求めるなら、ITスキル・プログラミングの習得は非常に重要です。今までの経験にITが掛け合わされれば、セカンドキャリアの可能性や収入の安定など、大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。また、60代からプログラマーになる一番の早道は「今から行動を起こすこと」です。できるだけ早く動き出すことで、近い未来の可能性を広げることができるでしょう。
60代からでも遅くない ITスキルを身につけるべき理由
①60代定年後の安定収入の確保 ITスキルの有無が明暗を分ける
60代が働く上で一番心配なのはやっぱりお金の問題。
そしてその次が体力・健康面ですよね。(※2)
60代で定年した後、実際にはどのような仕事や待遇が待っているのでしょうか?
(※2 SUUMOジャーナル https://suumo.jp/journal/2016/07/01/113843/)
再雇用や勤務延長制度の活用
長年働いた会社を60代で定年した後にあらためて雇用し直されたり、定年を先送りにする制度を利用して今の勤め先に勤務し続ける方法です。
気心知れた会社に勤め続けられるので、新たに就職先を探すのに比べればハードルは低いかもしれません。しかし、多くの場合給与は大幅に削減され、役職も外れるため部下との関係性が逆転することもあります。
同業他社への転職
60代からでもキャリアを生かして同業他社に転職しようとする方も中にはいらっしゃいます。
不可能ではないですが、難易度は高いと思ったほうがよいでしょう。
採用されたとしても正社員になれるとは限らず、アルバイトやパートとしての雇用になる場合もあります。よほど希少性の高いスキルでも持っていない限り、収入面は期待できません。
他業種への転職
他業種への転職となると、当然ですが同業他社への転職よりも更にハードルが高くなります。
もちろん、それまでのキャリアを捨ててでもいいからとにかく少しでも収入を得たい、というのであれば仕事はあるかもしれませんが、待遇面は厳しいものがあります。ITスキルがあれば、60代からの再就職も広がる可能性があります。
上記の通り、60代で定年してから就ける仕事は限られています。
いざ再就職しようとしてみると、現役時の収入から大きく下がってしまったり、体力的に厳しかったりと、条件の合う仕事を見つけるだけでも一苦労ですよね。
そこで役に立つのがITの知識とスキルとなります。
今はどの業界でもITに関する基礎知識や基本的なスキルは必須項目。特にプログラミングが出来るエンジニア系の人材は慢性的に不足しています。安定した需要があるということは、安定した収入が得られるということ。また、ITエンジニアでなくても、ITスキルがあれば在宅ワークもしやすくなり、収入面に加えて体力面でも安心材料になります。
中高年・シニアが具体的にどのようにセカンドキャリアや収入面でITスキルを活かせばよいのかについては、記事「ITスキルがあれば定年後も怖くない?生涯活躍できるシニアIT人材になるための失敗しない4つのポイント」をご参照ください。
ITスキルがあれば定年後も怖くない、という話をよく聞くけどほんとうなの? こんな風…
②ITは「できて当たり前」の時代へ 「60代だから」は通用しない
プログラミング科目の拡充とともに高まるIT教育の重要性
今、学校教育の現場ではIT分野、特にプログラミング教育の必修化が注目されています。
今後、段階的に小中高すべてでプログラミングが必修科目となり、大学入学共通テスト(旧センター試験)でも2025年度から「情報」が追加される見通しです。(※3)
世界的に見ると「IT後進国」と揶揄されることも少なくない日本ですが、今後若い世代にとってITは、「国語」や「数学」と同じくらい馴染みのあるもの、知っていて当然の知識となっていくのです。そしてこれからの社会は、ITの知識やスキルがあって当たり前の世の中に変わっていきます。
IoTのさらなる普及により日常生活でもITがより身近に
もはやITは、日常生活に深く入り込み意識することなく生活しています。
もちろん、60代以上だからといって例外ではありません。記憶に新しいところで言えば、新型コロナウイルスのワクチンの接種予約などが良い例ではないでしょうか。ITスキル、と呼ぶにはやや簡単過ぎるものではありますが、ITの基礎知識の有無から生じる情報格差によって生じた混乱とも言えるでしょう。
今後、あらゆるものがインターネットとつながるIoTに社会はシフトしていきます。
そうなると、ITの知識やスキルの差によって生まれる情報格差はますます大きくなっていくことが予想されます。例え直接的にITを仕事にしなかったとしても、そして60代だったとしても、今後まだまだ先の長い残りの人生をスムーズに渡り歩いていくためにITは必須のスキルなのです。
では、最低限のITスキルをどのように身につければ良いのでしょうか。まずはパソコンとインターネットの正しい理解と使い方が基礎になります。
その学習方法はこちらの記事「脱!パソコンを「使えない」50代:Officeから業務効率化プログラミングでセカンドキャリアの仕事探しに備える」をご参考にしてみてください。
50代は新たな働き方にチャレンジできる年代です。会社勤めの方は、転職でキャリアアップにチャレンジし…
60代からでもプログラマーになれる
プログラミングは年齢に関係なく学べるスキルです。もちろん60代からでもプログラマーになることは可能です。ここからは60代からプログラミングを始める際のコツやアドバイスについてご紹介します。
80代でiPhoneアプリを開発した若宮正子さん
皆さんは『若宮正子』さんをご存じでしょうか?80代でiOSアプリ「hinadan」を開発し、世界的に有名な存在となった女性です。「コンピュータおばあちゃん」として世界中で親しまれています。
驚くべきことに、若宮さんは定年退職後に初めてパソコンを購入し、プログラミングを学び始めたそうです。彼女の経歴は、新しいことに挑戦する意志があれば年齢に関係なくプログラマーとして学び、成長できることを教えてくれています。
以下の記事で若宮正子さんについて詳しくご紹介しています。「年齢的にもう遅い」と、プログラミングを始めることに躊躇されている方は、ぜひ彼女のストーリーを読んでみてください。
若宮正子さんとは? 50代のうちに知っておきたい勉強法書籍などを紹介! 母親の介護とパソコン購入がアプリ開発へとつながった!
やりたいことを明確にしてプログラミングを学ぶ
プログラミングを学ぶ前に、まず「学習する目的」を明確にしましょう。特に60代を迎えると、体力の低下や新しいIT技術への適応に時間を要することがあります。以下のポイントを参考にして、効率的にプログラミング学習を進めていきましょう。
趣味として学ぶなら:自分が作りたいものを作る
定年後に楽しめる趣味としてプログラミングを学ぶ場合、自分が作りたいものを実際に製作することをおすすめします。SNSやインターネットなどの基本的なITスキルを磨くことで、趣味を発信したり、さらに楽しむことができます。
また、プログラミングを学ぶことで、新しいキャリアの道を切り拓く選択肢も出てくるでしょう。
以下の記事では50代から始める定年後を見据えた趣味について詳しくご紹介しています。是非参考にしてみてください。
大きなライフイベントもいくつか経験し、そろそろ定年後についても気になり始める50代。寿命が伸び続け…
副業・フリーランスとして学ぶなら:いきなり稼ぐのは難しい
定年後にプログラミングを活用して副業やフリーランスとして活動することは十分可能です。ただし、収入を得るまでには時間がかかることを理解して、着実にスキルを磨いていきましょう。以下の記事では、プログラミングの副業について詳しくご紹介しています。「プログラミング副業はやめておけ」というネット上でたまに目にする噂についても解説していますので、是非参考にしてみてください。
プログラミングで副業をする方が増えていると聞いて、リスキリングを検討している50代会社員の方もいる…
定年後プログラミングで稼ぐなら、求められる業務に絞る
プログラミングを活用して定年後に収入を得るためには、求められるスキルや業務に焦点を当てることが重要です。ウェブ開発・アプリ開発・データ分析など、自分の得意分野を見つけて、専門的に取り組むことで成功の道を切り拓けます。また、長年培ったキャリアを活用して「経験×プログラミング」で業種を絞るのもおすすめです。
プログラミングを学ぶにもITスキルは必要
プログラミングを学ぶ際には、基本的なITスキルも必要です。コンピュータの基本操作やインターネットの利用方法、プログラミング言語の基礎などを学びましょう。これらのスキルを身につけることで、プログラミングの学習がスムーズに進みます。
60代からITスキルを身につける方法
さて、では具体的にはどうやってITの知識やスキルを身につければよいのでしょうか。
①独学で身につける
日本には初心者向けの優良なコンテンツが多く存在するので、書籍・オンライン教材などを利用して独学することも可能です。
独学のメリットは金銭的な負担が少なくて済むことや、時間配分を自由にコントロールできることです。
但し、書籍にしろネットにしろITに関する情報は溢れかえっており、その中から自分にとって必要なものだけを正しく取捨選択するのは初心者にとっては難しいと思います。また、環境設定などで「一度つまずくとその後どうして良いかわからない」といった声もよく聞きます。このような観点からも、ITに関する知識がゼロの状態から独学で始めるのは、難しいかもしれません。
②IT系のスクールに通う
パソコン教室やプログラミングスクールでは、個々のITスキルのレベルに併せて様々なプログラムが用意されています。
IT初心者は何から学習すればよいのか、どのように学習すれば効率的なのか、ということから相談できますし、仕事に活かしたい、という方にとっても最新の情報を入手できたり、就職・転職のアドバイスをしてくれるスクールもあります。一定の費用と時間はかかりますが、確実に知識やスキルを身に着けたい人、仕事に繋げたい人にはこちらの方がオススメです。
シニアに特化したプログラミングスクールTechGardenSchoolでは、オンライン無料個別カウンセリングは随時受け付けておりますので、これからITスキルを身に着けたい60代の方はぜひお気軽にご参加ください!
ITスキルとプログラミングを効率的に学べるTechGardenSchool
ここからは中高年に特化した当プログラミングスクールの特色やカリキュラムの進め方、卒業生の成功事例をご紹介します。記事では、70代で再就職を果たした方や60代で職場の業務効率化に成功した方など、卒業生3名の活躍を取り上げています。
TechGardenSchoolの3つの特長
特長①オーダーメイドカリキュラム
受講生のレベルややりたいことに合わせてカリキュラムを設定しています。個々のニーズに応じて学習プランをカスタマイズできるのが最大の特長です。思い描く「ゴール」の達成に必要な技術要素を逆算してオーダーメイドするので、必要最小限のお金と時間で 最大の効果を得られます。
特長②見守り指導
当スクールでは生徒さんが実際にパソコンを操作しながらサポートを受ける「見守り指導」を行っています。講師がクラスの間中、生徒さんの表情や画面共有を見守り、お困り事を察知して的確にライブサポートを行っています。
また、グループレッスンは一斉形式ではなく「セミ個別指導形式」を取り入れています。レベルに合わせた3-5名の生徒さんに1名の講師がつきますので「ついて行けるか心配」という方も安心して学習を進めることができます。
特長③活動計画・進捗管理
TechGardenSchoolでは、生徒一人ひとりに合わせたセカンドキャリアプランを作成し、学習の進め方を明確にします。目標設定や進捗管理を通じて、効率的な学習のサポートが可能になるというわけです。また、指導する講師陣は同年代の中高年が多いため、皆さんが抱える繊細な疑問にも親身に対応いたします。講師の中には実務の最前線にいる現役エンジニアがいますので、再就職や起業に役立つ「現場」のリアルな声を聞くことができるでしょう。お気軽にご相談してください。
卒業後の活躍事例
TechGardenSchoolの卒業生はプログラミングスキルを習得後、講師やキャリア転換など幅広い分野で活躍されています。スクールを卒業した後、どうやって収入や業務に結びつけるか、具体的な事例をご紹介していますので、是非参考にしてください。
①自治体のプログラミング講師として活躍する卒業生
【70代 再就職 事例】 自治体のパソコン講師として再就職に成功! 〜エクセルVBAコース修了生
②実務経験を活かした卒業生のキャリア転換
【60代 再就職 事例】 エクセル・VBA・Pythonを学び、地元のパソコン教室のインストラクターとして再就職に成功しました。 〜 新しい職場で輝く!
③プログラミングスキルを活用した成功ストーリー
【60代 業務効率化 事例】エクセルVBAによる業務効率化で経理業務を自動化! 〜 今の職場で輝く!
まとめ
今回は、定年を間近に控えた60代の方が、今からでもITスキルを身につけるべき理由やその方法、また当プログラミングスクールを卒業した方達が活躍する具体的な事例などをご紹介しました。
これからは『デジタル化』を超えて『DX化』が更に進んで行く時代になります。たとえ60代であっても、仕事を続けていくためには最低限のITスキルが必要です。また、労働寿命が延びている今の状況で70歳近くまで働き続けることを考えると、プログラミングやDXに関するITリテラシーを身に着けることもおすすめです。あなたの長年の経験と掛け合わせることで好条件のやりがいのある仕事を目指すことが、充実したセカンドキャリアの近道となるでしょう。
最近は、無料のプログラミング教材やシニア向けのスクールなどが充実していて、60代の未経験者でも学び直しやリスキリングが始めやすい環境が整っています。挑戦して得になることはあっても損になることはありません。できるだけ早く動き出すことをおすすめします。
60代でゼロからITを仕事に活かせるシニアに強いスクール
同じ60代の方でも、IT初心者からITで稼ぎたい方まで、様々なレベルの生徒さんがいらっしゃるので、一人ひとりのレベルに合わせて経験豊富な講師陣が実務に役立つITスキルの習得に向けてしっかりサポートしていきます。
ITの知識が全くなくても心配はいりません。オンライン無料個別カウンセリングは随時受け付けておりますので、これからITスキルを身に着けたい60代の方はぜひお気軽にご参加ください!
次に読みたい
ITスキルがあれば定年後も怖くない、という話をよく聞くけどほんとうなの? こんな風…
50代は新たな働き方にチャレンジできる年代です。会社勤めの方は、転職でキャリアアップにチャレンジし…
ITスキルの学び方の無料コンテンツもあります!
20年以上に渡り金融機関に勤務している「生粋の金融人」です。FP仲間の情報や勉強会・お金にまつわるニュース等をわかりやすく簡単な言葉で発信しています。 FP技能士2級・AFP・日商簿記2級