MS Power Platform まとめ ：業務効率化・自動化におすすめの５つのツールを徹底解説！
更新日：2024.07.05
MicrosoftのPower Platformは業務効率化・自動化に寄与する5つのツールを含むプラットフォームです。一つ一つのツールだけでも有用なのですが、ツール間およびMicrosoft Officeとの連携が強力で、使いこなすスキルを身につければこれからの時代に欠かせない人材となれるでしょう。そんなPower Platformについて解説します。
MicrosoftのPowerシリーズというツールが業務効率化に役立つと聞きました。どのようなツールがあって、どう使い分ければよいのか教えてください。
Powerシリーズには業務を自動化する「Power Automate」、データを集計・分析・可視化する「Power BI」、独自アプリをローコードで開発する「Power Apps」などがあります。それぞれ1つだけでも役に立つツールですが、アプリ間の連携も可能なのですべて身につけると強力なスキルになりますよ。
目次
結論：MS Power Platformは1つ1つでも強力な業務効率化・自動化のための5つツール
Microsoft Power Platformは5つのツール群となります。①Power Automate：パソコンの作業を自動化、②Power BI：データを集計・分析・可視化、③Power Apps：独自アプリをローコード開発、④Power Pages：ローコード、ノーコードでビジネス向けWebサイトを構築、⑤Power Virtual Agents：AIチャットボットサービス。
1つ1つのツールでも有用なため、自分の業務や利用が求められるところから学んだり、使用したりすると良いです。
MS Power Platformとは
まずはMicrosoft Power Platformがどのようなものなのか、その概略を解説します。
MS Power Platformを使って実現できること
MS Power Platformは業務の効率化や自動化に役立つツールから構成されるプラットフォームであり、MS Power Platformを使うことで初心者でも簡単にアプリ開発やデータ分析を行うことができます。難しいプログラミングの知識を必要とせず、直感的なインターフェースとなっているため、プログラミングが苦手な方でもスムーズにアプリ開発を行うことが可能です。また、MS Power Platformを使えば社内のさまざまなデータの分析や可視化を簡単に行えるため、経営上の迅速な意思決定にもつながります。
5つのツールからなる業務効率化ツール群
Microsoft Power Platformは以下の5つのツールを含む業務効率化プラットフォームです：
・Power Automate：パソコンの作業を自動化
・Power BI：データを集計・分析・可視化
・Power Apps：独自アプリをローコード開発
・Power Pages：ローコード、ノーコードでビジネス向けWebサイトを構築
・Power Virtual Agents：AIチャットボットサービス
それぞれの詳細は後述しますが、どれもが今の時代に求められる機能を持っており、ビジネスを大きく変えるポテンシャルを秘めています。
参照元：Microsoft.”ローコード ツールを使用して、少ないリソースで適応に対して最大の効果を発揮する”.
深いITの知識なしに使いこなせる
Microsoft Power Platformに含まれるツールはどれもノーコードやあるいはローコードで使いこなせます。
強力なツールというとプログラミングなどのスキルが必要になると思われがちですが、Power Platformのツールは多くの方が使いこなせるように設計されているのが特徴です。
決してITの専門家だけのプラットフォームではありません。したがって、プログラミング初心者でも簡単にアプリ開発ができる利点があります。
参照元：Microsoft.”ローコード ツールを使用して、少ないリソースで適応に対して最大の効果を発揮する”.
Microsoft OfficeやAIツールとの連携が可能
Microsoft製のプラットフォームだけに、Power PlatformはOfficeやAIツールなどとの連携に強みがあります。
Microsoft Officeは多くの組織で使われていますが、必ずしも効率よく使われているとは限りません。Power Platformと組み合わせれば組織特有の業務を効率化、自動化するなど、コスト削減に寄与するでしょう。また、Microsoftが力を入れているAIツール群との連携も可能で、使いやすさと高度な処理能力という、一見矛盾する特徴を併せ持っています。
参照元：
Microsoft.”ローコード ツールを使用して、少ないリソースで適応に対して最大の効果を発揮する”.
ASCII.”マイクロソフト、会話型AI「Copilot」をローコード開発ツール「Power Apps」に統合”.2023-03-17.
MS Power Platformが注目される理由
ここでは、Microsoft Power Platformが注目される理由や背景について解説します。
なぜMS Power Platformが注目されているのか
MS Power Platformが注目されている主な背景には、企業の急速なDX化と深刻な人材不足が挙げられます。近年では、多くの企業や自治体がデジタル社会での生き残りをかけてDX推進に注力しています。DX推進においては、いかにデジタルやデータの力を使って事業や業務プロセスを変革するかが重要です。そのための手段として、社内に蓄積されたさまざまなデータを簡単に有効活用できるMS Power Platformは強力なツールとして注目されています。また、少子高齢化や労働人口の減少により、日本国内では深刻な人材不足も大きな課題です。人材不足に対応するためには、1人ひとりの生産性を高めることが必要であり、業務の効率化や自動化を実現するためのツールとしてMS Power Platformに注目が集まっているといえます。
業務の効率化に役立つ
先進国を中心に少子高齢化が進行するなか、業務の効率化はどの組織においても必要になります。
Power Platformを使うメリットはまさに業務効率改善にあり、Power Platformの使いこなしは時代が求めるスキルといえるでしょう。
日本でもすでに行政での活用事例があるなど徐々に浸透してきており、今後より多くの活用事例が登場するかもしれません。
参照元：RPA総研.”デジタルトランスフォーメーション (DX) と業務自動化 (RPA) の関係性は？”.2021-02-19.
データやAIの活用はDXにつながる
Power Platformが得意なこととして、データの活用やAIの利用が挙げられます。
これらは日本が国として推進しているDX化に欠かせないものです。Power Platformの活用によってビジネスに変革をもたらすのも夢ではありません。
参照元：DOORS DX Media.”AI導入＝DXではない？DXにおけるAI活用ポイントと成功事例”.2022-10-31.
システム開発の内製化につながる
MS Power Platformを使えば、システム開発の内製化にもつながります。MS Power Platformは、プログラミングの知識・スキルがなくてもアプリ開発などを行えるツールであり、IT分野の初心者でも効果的に利用することが可能です。これまでは社内にシステム開発ができる人材が少ないことから、外部ベンダーにシステム開発を委託していた企業も少なくないでしょう。しかし、MS Power Platformを使えばシステム開発を内製化できるようになり、社内に開発のノウハウを蓄積していくことができます。
開発費用を低減できる
MS Power Platformを使うことで、開発費用を低減することもできます。社内でMS Power Platformを使って開発する場合、外部ベンダーに高額なシステム開発費用を支払う必要がないため、開発費用を安く抑えることが可能です。そして開発費用を抑制することによって、予算を他の事業に回したり、会社の収益率を高めたりすることができるでしょう。
Power Platform ５つのツール
Power Platformに含まれる5つのツールの内容をご紹介します。
Power Automateとは
Power Automateはパソコンの作業を自動化するツールです。
プログラミング不要で利用でき、多数のテンプレートが用意されていることから、手軽に利用できます。
また、無料で使えるプランがあったり、Windows 11なら標準でインストールされていたりと、職場に導入しやすいのも使い始めやすいポイントです。
有料版の場合はサブスクリプションプランと従量化金制プランがあり、サブスクリプションは1,880円/月から、従量課金制プランの場合は75円/フローから利用できます。
詳細は記事「RPA入門にはMS Power Automateがオススメ ：活用事例やセカンドキャリアでの優位性を紹介」をご参照ください。
参照元 ：Microsoft.”Power Automate 価格”.
日本では少子高齢化が急速に進んでおり、より少ない人数で同じ量の仕事をこなさなくてはならなくなってい…
Power BIとは
Power BIはデータの集計・分析・可視化をおこなうツールであり、分析結果をもとに将来を予測しビジネス戦略へと結びつけられます。
DXの要の1つがデータの活用であり、そのスキルには多くの需要が見込めるでしょう。
Power BIには無料プランやMicrosoft365に含まれているものもあり、こちらも気軽に導入可能です。
有料版の場合は1,250円/月から利用できます。
詳細はPower BIならDX化に必要なデータ分析が可能〜セカンドキャリアにも役立つ！をご参照ください。
参照元：Microsoft.”Power BI の料金”.
日本では国を挙げて推進しようとしているDX。その鍵はデータの活用にあるといわれています。ただ、デー…
Power Appsとは
Power Appsは独自アプリをローコードで開発できるアプリです。
組織特有の業務に最適化されたアプリを開発すれば業務効率改善に寄与するでしょう。また、行政が実際に利用した実績があるなど、大規模なシステムも構築可能であり、さまざまな活用が期待できます。
Power Appsは試用版や開発者プランを使えば無料で利用可能です（開発者プランは実際の運用への利用は不可）。
有料版の場合はサブスクリプションプランと従量課金プランがあり、サブスクリプションプランの場合は630円/月から、従量課金プランの場合は1,250円/アプリで利用できます。
詳細は記事「Microsoft Power Appsは業務効率化の内製化に最適なローコードツール 〜 セカンドキャリアにも役立つ！」をご参照ください。
参照元：Microsoft.”Power Apps の価格”.
仕事の内容やフローは各社それぞれ異なっており、既存のアプリでは「かゆいところに手が届かない」と感じ…
Power Pagesとは
Power Pagesはローコード、あるいはノーコードでビジネス向けのWebサイトが作成できるツールです。
テンプレートを活用すれば感覚的に魅力的で使いやすいサイトを誰でも簡単に構築できます。
Power Pagesには無料試用版があり、30日間自由に試用可能です。
有料版の場合、サブスクリプションプランと従量課金制プランがあります。
サブスクリプションプランの場合の料金はユーザー数などによって料金が異なり、たとえばは100ユーザー/サイト/月の場合は25,000円/月、500ユーザー/サイト/月の場合は9,380円/月です。
従量課金制プランの場合は500円/ユーザーと38円/ユーザーのプランが用意されています。
参照元：Microsoft.”Power Pages の価格”.
Power Virtual Agentsとは
Power Virtual AgentsはAIを活用したチャットボットサービスです。
ノーコードで自社向けのチャットボットを作成できるほか、ほかのPowerシリーズと連携してより高度なサービスを提供できます。
Power Virtual Agentsは有償ツールですが、Microsoft365ユーザーであればTeams上での利用に限りライセンス不要で利用可能です。
有料版の場合、2,000セッション/月の場合は25,000円/月、1,000セッション/月の場合は12,500円/月となっています。
参照元：Microsoft.”Power Virtual Agents”.
MS Power Platformを学ぶメリット
Power Platformのツールを学ぶメリットを解説します。
ツール間の連携で業務効率をさらに改善可能
Power Platformは先述の通り単体でも多くの求人があるツールですが、複数ツールのスキルを身につければさらに有用です。
たとえばPower AppsとPower Automateで集めたデータをPower BIで分析する、Power Virtual AgentsにPower Automateを組み合わせて顧客に高度なサービスを自動で提供するなどさまざまな連携が考えられます。
さらにMicrosoft Officeとの連携も強力であり、マクロ（VBA）のスキルがあると社内/社外問わず業務効率改善につながるでしょう。
参照元：SB Technology.”Power Platform とは、4つのサービスの機能とメリットなど”.2022-01-17.
勤務先に欠かせない人材になれる
ビジネス環境のグローバル化や技術革新により、ビジネスの環境は絶えず変化しています。
そんな変化に追随するためにはビジネスを革新的に変えるDX化が必須です。
DX化の肝は、データとAIの活用であり、まさにPower Platformが得意とする分野。
もちろん業務の効率化やコスト削減といった内容にも、Power Platformの自動化が大いに役立ちます。
このため、Power Platformのスキルを獲得すればこれからの時代に大いに活躍できる人材となれるのです。
参照元：Chatwork.”DXはなぜ必要？DXの効果と必要性を解説”.2022-11-01.
一つ一つのツールに多数の求人がある
Power Platformには5つのツールがありますが、必ずしもすべてのスキルを身につける必要はありません。それぞれのツール単体のスキルでも多くの求人があり、たとえばindeedにおいて本記事執筆時点で「Power Apps」を含む求人が1,553件、「Power BI」を含む求人が3,270件、「Power Automate」を含む求人が871件存在します。
具体的なツール名が書かれていなくてもPower Platformのスキルを活用できる案件は多数ありますので、身につけたスキルを早期に収入化可能です。
参照元：
indeed.”Power Appsの求人”.2023-04-07.
indeed.”Power BIの求人”.2023-04-07.
indeed.”Power Automateの求人”.2023-04-07.
Power Platform全体を使えれば転職/副業で高収入も夢ではない
単体のツールでも多くの求人があるPower Platformですが、Power Platformのすべてを使いこなせる人材は高収入が期待できます。
indeedによると月給で155万円、時給で3,000円といった案件が存在しており、いかにこのプラットフォームのスキルを世の中が求めているかがわかります（本記事執筆時点）。
参照元：indeed.”Power Platformの求人”.2023-04-07.
Power Platformの始め方と学習方法
Power Platformには5つものツールがあり、どのように始めてよいか悩むかもしれません。これからPower Platformのスキルを身につけたい方に向けて始め方と学習方法を解説します。
最初は無料で使えてとっつきやすいPower Automateがおすすめ
Power Platformのスキルを身につけるなら、まずはPower Automateへの挑戦がおすすめです。
Power Automateはパソコン上での作業を自動化するツールであり、日常的にパソコンを使っている方なら直感的に使いこなせるでしょう。
また、無料で利用できたり、Windows 11なら標準でインストールされていたりと、職場に導入しやすいのもメリットの1つ。
Power Automateのスキルを習得したら、次は独自アプリ開発ツールのPower Appsか、Microsoft Officeのマクロ（VBA）がおすすめです。
どのようにスキルを獲得していくかについては、無料カウンセリングをおこなっているプログラミングスクールに相談してみるのも1つの手です。
参照元：Microsoft.”重要なことに時間をかけてその他のことは自動化しましょう。”.
公式サイトや本、動画で学ぶ
Power Platformはすでに多くの組織で利用されており、公式サイトを含むWebサイトや書籍、動画での解説が充実しています。
Webサイトや動画を使えば独学かつ無料でスキルを習得することもできるでしょう。
もしセカンドキャリアで活用するならMicrosoft公式の認定資格の取得もおすすめです。たとえばPower Automateを含むさまざまな自動化のスキルの証明には「Power Automate RPA Developer Associate」という資格があり、対外的にスキルを持っていることを証明できます。
参照元：
テックアップライフ.”[入門]Power Appsを独学で習得する方法”.2023-03-06.
Microsoft.”認定資格 Microsoft 認定: Power Automate RPA Developer Associate”
学びながら業務での活用方法を考える
公式サイトや本、動画でインプット学習することに加えて、学びながら業務での活用方法を考えていくことも重要です。将来的に業務で活用できるようにしていくために、まずは実際に小さいものから作ってみるとよいでしょう。途中で挫折しないためには、最初はこだわり過ぎないことがポイントです。公式サイトや本、動画で習ったサンプルをベースに、少しずつアレンジを加えながら実践経験を積んでいくようにしましょう。
まとめ
MicrosoftのPower Platformはこれからの社会に必要とされる自動化や効率化、DX化、AIの活用といった高度な機能を気軽に利用できるツール群です。
これらのツールのスキルを身につければ、現在の職場はもちろん、セカンドキャリアでも役立つでしょう。
必ずしも5つのツールのスキルを身につける必要はなく、一つ一つのスキルでも多くの求人が存在しています。もちろん複数のツールのスキルを使いこなせればさらに高収入の求人に応募可能です。
Power Platformのツールは試用を含め無料で利用できるため、無料のWebサイトや動画などと組み合わせれば独学でお試し可能。まずは直感的に使えて実用的なPower Automateから試してみてはいかがでしょうか。
MS Power PlatformならTechGardenSchoolがオススメ！
多くのツールが存在し、Microsoft Officeなどとの連携も可能なPower Platformは、独学で効率的に「使える」スキルに組み立てるのが難しいもの。TechGardenSchoolなら一人ひとりの目標にあわせてオーダーメイドカリキュラムを組みますので、最短のコストと時間で最大の武器を得られます。
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