【リスキリングでプログラミング】中高年はDXを見据えたプログラミング学習がおすすめ!
更新日:2024.10.07
リスキリングは、世の中やビジネス環境の変化に適用できるよう、新しい知識やスキルを獲得していく取り組みです。リスキリングについては何となく聞いたことがあるものの、「実際に何を学ぶべきなのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、リスキリングの概要や学ぶべき分野、おすすめの具体的な学習内容について解説します。

50代会社員です。あと5年くらいで定年退職を迎えますが、年金だけでは生活に不安があるので定年後も働き続ける予定です。ただ、最近ではDXなど新たな社会潮流もあり、世の中の変化についていけるようリスキリングを行う必要があると感じています。リスキリングでは、具体的に何を学ぶべきでしょうか。自分にとって役立つ内容や社会で求められていることを知りたいです。
リスキリングで何を学ぶかは個人のキャリアプランや希望によってさまざまです。ただし、DX推進が進む現代では、デジタル・IT分野を中心にリスキリングを行うとよいでしょう。たとえば、データ分析などに活用できるプログラミング言語のPythonなどがおすすめです。デジタル・ITと聞くだけで苦手意識を持つ50代の方も多いですが、基礎から着実に学んでいけば十分に習得可能です。

目次
結論:リスキリングではDXを見据えたプログラミング学習がおすすめ!
リスキリングで学ぶべき内容は多岐にわたり、何を学ぶべきかは個人のキャリアプランや希望によってさまざまです。たとえば、非IT系では英語やライティングスキル、財務・経理スキル、IT系ではプログラミングスキル、データ分析スキルなどが挙げられます。
何を学ぶべきか迷っている人は、DX推進が進む現代においてはデジタル・IT分野を中心にリスキリングを行うことがおすすめです。具体的には、PythonやエクセルVBA、RPAなどを学ぶことで市場価値の向上が期待できます。
学習方法としては書籍・動画やスクール、勤め先の研修制度、メンター活用、資格取得などさまざまあるため、あなた自身に合った方法を組み合わせていきましょう。
リスキリングでは何を学ぶべきか
はじめに、リスキリングの概要および必要性が高まっている背景について解説します。
リスキリングの概要
リスキリング(Re-skilling)とは、世の中やビジネス環境の変化に適用できるよう、新しい知識やスキルを獲得していく取り組みです。リスキリングの特徴としては、個人が1人で独学するのではなく、企業規模で従業員のスキル形成を行う点などが挙げられます。
また、リスキリングへの注目が加速した大きな背景には、DX推進があります。社会のデジタル化に伴い、デジタル・IT技術を中心に知識やスキルを獲得する必要性が高まっているのです。
リスキリングについて、より詳しい内容や背景などを知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。
詳細の記事はこちら:リスキリングとは?意味やリカレントとの違い、メリット、注意点を解説
背景1:人生100年時代の到来によるキャリアの変化
リスキリングが必要となっている背景のひとつとして、人生100年時代の到来によるキャリアの変化が挙げられます。これまでは、60歳で定年退職し、その後は退職金や年金で生活する人生設計が一般的でした。しかし、人生100年時代と言われる現代では、従来のような60歳定年では老後の生活設計が不十分となるケースも出てきています。そのため、リスキリングによってセカンドキャリアを形成し、定年後も活躍し続ける重要性が高まっているのです。
50代社会人のなかには、定年後のセカンドキャリアに向けて何を学び直せばよいのかわからないという方も少なくないでしょう。定年後のセカンドキャリアのためのおすすめの学び直し分野について、以下の関連記事で解説していますのであわせてご確認ください。
関連記事:【50代社会人リスキリング】定年後のセカンドキャリアのための学び直し分野 おすすめ3選
背景2:DX推進の必要性が高まっている
リスキリングが求められている背景には、DX推進の必要性が高まっている点も挙げられます。経済産業省は、2025年までに企業がDX化を十分に推進できない場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があることを「2025年の崖」として警鐘を鳴らしています。そしてDX推進においては、DX・IT人材の確保・育成が不可欠であり、そのためにはリスキリングが必要となっているのです。
参照元:経済産業省「DXレポート」
背景3:働き方改革が急速に進んでいる
働き方改革が急速に進んでいることもリスキリングが必要な背景のひとつです。新型コロナウィルスの流行によって、あらゆる企業などの組織がリモートワークの導入をはじめ、働き方改革を推進することになりました。
それにより、従来のような対面形式でのコミュニケーションだけでなく、オンラインツールを活用したコミュニケーションや仕事の進め方が必要となっています。新しい働き方の中で業務を円滑に進めるためには、ITツールの操作・運用スキルなど、リスキリングによって新たな知識・スキルを習得することが求められています。
背景4:AIなどの最新技術が進化している
近年ではAIなどの最新技術が進化していることもリスキリングの必要性が高まっている背景にあります。たとえば、直近の数年間だけでもChatGPTなどのAIツールが台頭しており、今後業務効率化を進めていくうえではAIツールへの習熟も重要となってきています。
今後も新たな技術が生まれてくることが想定されるため、リスキリングによって最新技術に関する知識・スキルを継続的にキャッチしていくことが求められるでしょう。
リスキリングで学ぶべき分野
ここでは、リスキリングで学ぶべき分野について、非IT系スキル・IT系スキルに分けてそれぞれ解説します。
なお、以下の関連記事では50代会社員のリスキリングにおすすめのプログラミング学習について解説していますので、あわせてご確認ください。
関連記事:50代会社員のリスキリングには、DX人材を目指せるプログラミング学習がおすすめ!
非IT系スキル
まずは非IT系スキルとして、英語(語学)やコミュニケーションスキル、ライティングスキル、財務・経理のスキルについて解説します。
英語(語学)
国内の少子高齢化やグローバル化が進む現代においては、英語をはじめ語学スキルの重要性が高まっています。実践的な英語を習得するためには、机上で英単語や文法を勉強するだけでなく、英会話の経験を積むことが重要です。継続的に英会話の経験を積むことで、グローバルなビジネスシーンでも意思疎通が図れるようになっていくでしょう。
コミュニケーションスキル
業界や職種に関わらず、コミュニケーションスキルは重要です。どんな仕事においても人と人とのコミュニケーションは発生するため、社会人に必要な共通スキルであるといえるでしょう。コミュニケーションスキルを磨くためには、相手の発言や文章の内容を正しく理解する力と、自分自身の考えを適切に発信する力を高めることが重要です。
ライティングスキル(ビジネスライティングやWEBライティング)
前述のコミュニケーションスキルとも関係しますが、自分自身の考えていることを正しく文章化するためには、ライティングスキルを磨くことも大切です。ライティングスキルには、ビジネスメールなどのビジネスライティングとWeb制作の一部となるWebライティングがあります。Webライティングでは、Web上に存在するハウツー記事やコラム記事などを作成します。読み手の悩みや課題を解決するための文章作成技術を学ぶことができ、汎用性の高いスキルとなるでしょう。
財務や経理のスキル
ビジネスを進めるうえでは、財務や経理のスキルも重要です。たとえば、副業や独立で自分のビジネスに挑戦したい場合などは、得た収入を自分自身で確定申告することが求められます。そして確定申告を行うためには、日々の仕訳や記帳、見積書や請求書の作成・保存といった作業が必要となるため、財務担当・経理担当でなくてもある程度の財務・経理スキルを習得することは重要となります。
IT系スキル
続いてIT系スキルとして、プログラミングスキルやマーケティングスキル、データ分析スキル、業務効率化スキル、AIやIoTなどの先端ITスキルについて解説します。
なお、以下の関連記事では50代のリスキリングとしてPython分析資格やITコーディネーターについて紹介していますのであわせてご確認ください。
関連記事:【50代リスキリング】DX人材になるためにはIT+ビジネススキルが必要。Python分析資格とITコーディネーターがおすすめ
ITスキル(全般的なITリテラシー)
ITスキルを高めていくうえでは、まずは土台となる全般的なITリテラシーを習得していくことが重要です。たとえば、アプリケーションやデータベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、情報セキュリティといったITの各分野の基礎を学んでいくことで、IT全体の理解度向上に役立つでしょう。
プログラミングスキル
ITスキルを学ぶうえでは、プログラミングスキルは不可欠であるといえます。 DX推進によってデジタル・IT技術の知識やスキルを高める必要性が高まっていますが、デジタル・IT技術の根幹となるのはプログラミングスキルであるためです。そのため、プログラミングスキルを習得することは、全般的なITリテラシーの習得と同様にIT人材としての重要な土台となるでしょう。
マーケティングスキル
ビジネスにおいては、マーケティングスキルも重要です。商品やサービスを消費者に届けるまでの一連の消費者行動の理解や効果的な販促方法の実践など、マーケティングスキルを高めることで汎用的なビジネス知識を獲得できます。
データ分析スキル
データ分析スキルも学ぶべき分野だといえるでしょう。デジタル化によってインターネット上に膨大なデータが蓄積されている現代では、それらのデータを適切に分析し、ビジネスに活かしていくスキルが大切です。
業務効率化スキル
業務効率化スキルも学ぶべき分野のひとつです。生産年齢人口の減少によって国内の人材不足が顕著になっている現代では、業務効率化によって限られた時間のなかで高いパフォーマンスを発揮することが求められています。たとえば、RPAのスキルを習得することで、これまで手作業で多くの時間をかけていたパソコン作業を自動化し、業務を大幅に効率化することができるでしょう。
AIやIoTなどの先端ITスキル
AIやIoTなどの先端ITスキルも今後ますます重要性が高まっていくといえます。たとえば、ChatGPTのようなAIツールも次々と登場してきているため、世の中の技術進歩にキャッチアップしていくためにはそれらの最新の技術・ツールの操作スキルを習得することなども大事なポイントとなるでしょう。
おすすめのIT系学習分野
それでは、前述した分野を学ぶためには、具体的にどのような学習内容を行うとよいのでしょうか。
本章では、リスキリングでおすすめの学習内容について、以下を例に挙げて解説します。
・Python
・エクセルVBA
・RPA
・Googleアナリティクス
・JavaScript
・Webライティング
順番に解説していきます。
Python
Pythonはプログラミング言語の1つです。Pythonの大きな特徴は、機械学習やデータ分析など、近年注目を集めている分野で活躍するプログラミング言語であることです。
Pythonはシンプルかつ読みやすいコードで記述できるため、これからプログラミングを習得しようとしている初心者にもおすすめできます。
Pythonの学習を進めるための具体的なポイントなどについては、以下の関連記事もあわせてご確認ください。
関連記事:50代で成果を実感しやすいリスキリング|クラウドワークスでPythonの案件を受注するためのポイントや案件例を解説
エクセルVBA
エクセルVBAは、エクセル上で動くプログラミング言語です。請求書の作成などさまざまな作業を自動化できるため、ビジネスの現場で役立ちます。初心者でも習得しやすい言語なので、エクセルVBAの学習もおすすめです。
エクセルVBAの学習方法については、以下の関連記事で解説していますのでご参照ください。
関連記事:50代で成果を実感しやすいリスキリング|エクセルVBAのおすすめ学習方法を紹介
また、以下の関連記事では、クラウドワークスでのエクセルVBA案件の探し方や案件例について解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。
関連記事:50代で成果を実感しやすいリスキリング|クラウドワークスでエクセルVBAがおすすめの理由
RPA
RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコンでの事務的な作業をソフトウェアロボットによって自動化する仕組みや技術のことです。RPAを活用することで、パソコンのキーボード入力やマウス操作などを自動化できるため、ファイルの閲覧や保存といった作業を人手を介さずに行えるようになります。
以下の関連記事では、50代会社員におすすめのリスキリング分野として、具体的なRPA資格などについて紹介していますのでご参照ください。
関連記事:50代会社員のリスキリングには、RPAの資格(PowerAutomate/UiPath/WinActor)が転職にもフリーランス・副業にもオススメ
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Googleが公式に提供しているWeb解析ツールです。Webサイトへのユーザーの訪問数や滞在時間、離脱率などを計測できます。これらの指標は、Webマーケティングにおいて重要となるため、Googleアナリティクスの利用方法を習得することでマーケティングスキルを高めることができるでしょう。
JavaScript
JavaScriptは、1995年にリリースされたプログラミング言語です。Webブラウザ上で動作し、動的な画面表示やボタン操作の処理などを行う際などに使用します。
JavaScriptの用途は多岐にわたり、Webブラウザだけでなくスマホアプリ開発やゲーム制作などにも活用可能です。開発フレームワーク(機能などがまとまったもの)が多数提供されているため、自分ですべてプログラミングしなくても開発を行えます。
Webライティング
Web制作の一部として、Webライティングがあります。Webライティングでは、Web上に存在するハウツー記事やコラム記事などを作成します。読み手の悩みや課題を解決するための文章作成技術を学ぶことができ、汎用性の高いスキルとなるでしょう。
リスキリングの効果的な学習方法
ここでは、リスキリングの効果的な学習方法について解説します。具体的な学習方法としては、書籍・動画での学習やスクール、勤め先の研修制度、メンター、資格取得などが挙げられます。
書籍や動画で学ぶ
個人で最も手軽にできる方法として、書籍や動画を使った学習があります。近年ではさまざまな書籍や動画が出ているため、調べていくなかであなた自身に合った書籍や動画を見つけることができるでしょう。
また、書籍や動画であれば、無料または安価で学べる場合が多いのもメリットです。一方で、基本的には独学となるため、一人で学習することが苦手な人にとってはあまり適さない場合もあります。
スクールに通う
独学に苦手意識がある人の場合は、スクールに通うことも有効な手段です。スクールは、書籍や動画と比べると多少費用はかかりますが、その分専門の講師から手厚い指導・サポートを受けることができます。
効率的にスキルアップを目指したい場合は、スクールに通うことも検討してみるとよいでしょう。
勤め先の研修制度を活用する
勤め先がリスキリングを導入している場合は、勤め先の研修制度を活用することも効果的です。勤め先の研修制度であれば、個人の費用負担なく学習を行えることが多いでしょう。また、体系的な学習プランに沿って学ぶことで、理解度を確認しながら効果的にスキルアップを図ることも可能です。
ただし、勤め先の研修制度のなかに希望する学習内容が入っていない可能性がある点には注意が必要です。
自分に合ったメンターをつける
リスキリングの効果を高めていくうえでは、自分に合ったメンターをつけることも有効です。自分に合ったメンターをつけることで、あなた自身の知識やスキル、学習ペースに合わせて最適な学習プランや学習方法を提案してもらうことができるでしょう。
資格取得も1つの手段
リスキリングを行っていくうえでは、資格取得も1つの手段です。資格取得を目指すことで、具体的な目標や達成期限が定まり、学習のモチベーションアップが期待できます。また、資格を取得することで、あなた自身の知識・スキルを客観的に証明することにもつながります。
以下の関連記事では、50代のリスキリングにおいて役立つ資格について解説していますので、あわせてご確認ください。
関連記事:【50代リスキリング資格】実務実績にプラスアルファできる資格でセカンドキャリアの選択肢を拡げよう!
まとめ
リスキリング(Re-skilling)は、社会やビジネスの変化、技術進化に対応できるよう、企業が従業員に対して新しいスキル獲得を促していく取り組みです。リスキリングで何を学ぶかは個人によっても異なりますが、多くの場合、DXを見据えたデジタル・IT知識の習得がポイントとなります。
デジタル・IT技術と聞くと若手が学ぶ分野のように考えがちですが、50代のビジネスマンにとっても今後欠かせないスキルとなるでしょう。1つ1つ着実に学べばそこまで難しくないので、少しずつデジタル・IT分野のスキルを高めていきましょう。
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大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格:ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者など。